9話 疑念
これは、、、あぁいつも起きたら忘れてしまうあの夢だ。
俺はその公園で目が覚めた。
だが、いつものその夢は何かが違かった。
辺りを見渡して見ると、そこには俺の亡骸に縋りつきながら泣いている蓮と救急車を呼んでいる運転手らしき人がいた。
これは、俺が轢かれた後の情景だ。
だが、これはどこからの視点だ?俺はあそこに倒れている。
だとするならこれは一体誰の・・・
そう思い、俺は柳に近づこうと体を動かそうとしても体がぴくりとも動かない。
それに声も全く出ないことに気がついた。
数々の考えが錯綜する中、俺と柳に近づく二人の青年がいた。
顔にモヤがかかっているようでよく見えなかった。
そいつらの気配はとても異質だった。
まるで幽霊のようなこの感じ、体に刻まれている。
あの仮面のようなあの寒気がする気配。
こいつは一体……!
その時、一人の青年が運転手に手をかざしそして、、、運転手は衣類だけを残し消滅していた。
ーーーは?
俺は状況が理解できなかった。こんなところ初めて見る。
柳は恐怖で体が震えて動けないようだ。
必死に体を動かそうとしても全く動く気配がない。
次にその白髪の青年は俺に手をかざした。
俺を消滅させるのかと思ったが、なぜか不敵な笑みをこぼしすぐに手をどけ次に柳に手をかざした。
瞬間、柳は地面へ倒れ意識を失った。
そしてそいつらは俺に視線を向け、近づいてきた。
なぜ動けないのか、なぜこんなものを見ているのかさっぱりわからなかった。
その白髪の男はしゃがみ俺を覗き込むように見つめ続けた。
そうすると白髪の男はニヤリと微笑んだ。
「なるほど、だから君たちから■■を感じたんだね。
そして私に教えてくれたのは君だったんだね。
"藤宮渚"」
そして"私"はその白髪の男に手をかざされ意識を失った。
___________________
俺はその部屋で目を覚ました。
《やっと起きましたか、うなされていたようですがゴブリンでも出てきましたか?》
「えっと、、、なんだっけ?というかさっきのゴブリンは!?」
《安心してくださいちゃんと倒せましたよ》
「それじゃあノア、報酬早く」
《どうぞ》
クエストで【初めての討伐】【火球】を獲得し、レベルは70まで上った。
「おぉ!すげぇ、めっちゃ上がった」
《はい、討伐までしたので少しサービスしときました》
【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 70
【 H P 】 7900/7900
【 M P 】 790/790
【 S P 】 100/100
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 150 +50
【 脚 力 】 150 +50
【 抵 抗 】 38 +10
【 感 覚 】 37 +10
【 スキル 】 身体強化《小》治癒《小》
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】 0
よしっ!これなら前会った外のゴブリンなんか倒せるかもしれない。
《今、このレベルなら外のゴブリン程度倒せるとか思いましたか?まだあなたでは勝つことはできませんよ。
私が作ったゴブリンを倒して程度であまり調子に乗らないでください》
「はい、、、」
ノアの鋭い言葉が俺の心に突き刺さる。
《まだ修行はこれからです。張り切っていきましょう!》
___________________
コンコン
ドアを叩く音が部屋に響く。
無理やり開けようとノブをガチャガチャとする音が聞こえる。
私はその音を無視し、布団にくるまりその雑音を完全に聞こえなくする。
慎二くんがいなくなってから、、何日だっけ?
それに話しかけても何も言わなくなってしまった。
慎二くんは生きているのかもわからない。
私はどうすれば、、、
「こういう時どうすればいいんですかね?」
「こういう時は、ぶっ壊して無理やり入ればいいんですよ〜!」
それと同時にドアが爆ぜ煙が舞った。
私はそれに驚き顔をあげる。
「あなたは!?」
「ちょっと、乱暴すぎますよ!」
「早く、研究室に来てください!」
ドアの前には、ルナさんと樋口くんが立っていた。 私は手を引かれ、研究室に連れてかれた。
「ふぅ、着いたね〜」
「じゃないですよ!急になんなんですか!」
私は訳もわからず連れてこられたことに困惑し、ルナさんに向かって怒鳴る。
「それは、、本当にごめんね。でも多少手荒な方法を使ってでも言っておかなきゃいけないことができたんだ」
樋口くんは私を見つめながらそう告げる。
「そんなことどうでもいい!みんな慎二くんが心配じゃないの?クラスメイトなのにみんな悲しむどころか何もなかったように過ごしてる!おかしいよそんなの、、、」
「伊藤くんのことは心配だよ!でも僕たちにはやらなきゃいけないことがあるだろう?それに今からいうことは伊藤くんが関係してることだ!」
「、、、え?」
その言葉に私は驚き思考が止まる。
「、、それはどういうこと?」
「それは私から説明させてもらうね〜」
ルナさんは机の上に広げてある地図に杖を傾け目を瞑る。
その瞬間、ある場所に光が収束されていっていることがわかった。
「今光が収束されているところ、そこに彼はいるよ」
その発言に言葉が詰まる。なんでそんなことがわかるのだとか、言いたいことはある。
だが光がさし示しているところ、そこはダンジョンを指していた。
「慎二くんがダンジョンに、、、それよりもなんでそんなことがわかるんですか!」
そんだよ、これは嘘かもしれない。
慎二くんが危険なダンジョンなんかに行くはずが。
「私は彼が旅立つ時にブローチを手渡したんだよ。
流石に心配だったからその時にそのブローチに魔力でマーキングしておいたんだ。
だから彼は絶対にダンジョンにいる」
「生きているんですか?」
ルナさんは首を横に張る。
「それはまだわからない。でも微かに動きはある。
だから生きている可能性はある」
慎二くんはまだ死んでない。
私はその言葉に微かに希望を感じた。
今度こそ、私は慎二くんを助ける。
「ルナさんお願いがあります。私もダンジョンに潜るために魔法の使い方を教えてください!」
「任せなさい!でもまずはちゃんと寝てきなさい、クマすごいよ〜」
「、、、わかりました」
私はそう告げ、足早に自分の部屋に戻ろうとして廊下に出た時、焦ったように廊下を走る柳くんの姿があった。
「ふぅ〜、なんとか元気付けられたね〜」
「はい、元気になってくれて本当によかったです」
僕はホッと胸を撫で下ろした。
「でも、わかってるよね。樋口くん。
彼女は部屋にこもってたから知らないけど、シルからの証言で彼をダンジョンに閉じ込めたのは柳蓮かもしれないということ。
ダンジョンは今瓦礫で塞がれていていることは絶対に彼女には言ってはいけないよ」
「はい、、わかっています。あと、僕からも質問をいいですか?」
ルナさんは不思議そうな顔でなに?と言う。
「伊藤くんからの情報で過去に転移者がいて、その人たちは佐々木さん以外全員死んでしまった。
間違い無いですか?」
「、、、間違ってないよ」
ルナさんは苦虫を噛み潰したような顔で答える。
「じゃあ、2つ質問しますね。
僕達がダンジョンに行く時、必ずギルドの人達と佐々木さんが同行しますよね。
一目で分かった、ギルドの人たちは僕達よりも格段に強い。
レベルは優に100を超えてるでしょう。
そんな人達に守られているのに、どうして前の転移者たちは死んでしまったんですか?」
「、、、」
ルナさんは顔を伏せながら沈黙を貫く。
「そして、これが本題。
みんな薄々気づいてはいることです。
私たちはダンジョンを攻略したとして、元の世界に戻ることはできるのですか?」
「、、、」
ルナさんは沈黙を続ける。
「ありがとうございます。とりあえずこのことはアーシャ王女に伝えてきます」
僕が部屋を出ようとした時、ルナさんは待ってと言った。
「なんですか?」
「、、今回の転移者たちはすごく特別なんだよ。
これは推測だけど長年待ち望んでいた、剣神が現れたからだと思う」
「剣神?それは僕のスキルと何か関係が?」
「これ以上は何も言えない。ごめんね」
「分かりました」
僕は湧き上がる疑念を抑えながらその部屋を去っていった。
ルナさんは、"今回は"と言った。
それじゃあ前回は?その前は?
疑念は深まるばかり、僕はアーシャ王女に伊藤くんのことを伝えるため、王室に向かって行くのだった。
___________________
明日からは恐らく一話ずつの投稿になります。
21時くらいの投稿になると思います。
ですがちゃんと皆様に楽しんでいただけるように頑張って投稿していきますので応援よろしくお願いします!
【 名 前 】 伊藤慎二
【 レベル 】 70
【 H P 】 7900/7900
【 M P 】 790/790
【 S P 】 100/100
【 魔 力 】 0/0
【 筋 力 】 150
【 脚 力 】 150
【 抵 抗 】 38
【 感 覚 】 37
【 スキル 】 身体強化《小》治癒《小》火操作
【固有スキル】 亜空間収納
【ステータスポイント】




