59.5-9話 フラウア村 〜 命名者:*たまのなかにいる* 〜
全く話が進んでないという。
グーグルー? はーくんだよ?
炭──炭素素材といえばEカーボン ──もといカーボンナノチューブだよね! なんか鉄の20倍も強い上に軽くて熱や電気のとおりもいいんだってね? すごいね!
世界樹系の木炭でつくったら魔力とか龍気のとおりもよさそうだよね? 龍気でコーティングして強化! とかやってみたいなー。
んー、でも科学系統の素材で電気とか作るのに必要そうなんだよねー……世界樹木炭フィラメントと一緒に研究を凍結するしかないなぁ……はぁー。
これはのちに科学系につよいヴィオラやブタなどの協力により研究を再開することになるのだが、それはまたべつのおはなし。
あらすじ
・『活性化龍血』!
・おおくの子供エルフたちのはじめてをうばうはーくん!
・え!? おなじことをセモリナ村の子供エルフに!? で、出来らあっ!
あの後、セモリナ村な子供エルフをさばききったとおもったら、今度はセモリナ村の女性エルフたちがひかえていた!
それからはどうさばいたのか記憶があいまいで……たしか男性エルフと既婚者エルフとアベックエルフなんかは未婚女性エルフに追いはらわれてたかな……あれ? でも逗留先の村長一家は通されてたな、未婚者のプラムちゃんと未亡人のブランばーちゃんはともかく村長夫妻はちがうよね?
そんな未婚女性エルフのむれをなんとか退けて……そのあとは、どうなったんだっけ?
しかし、みょうにやわらかくてあったかいな──というか暑い。
目をあけると雪花石膏と象牙と琥珀のコントラストが……というかなにごと?
あたりを見わたすと子供エルフたちがオレのまわりにおおっていた。
これは……ニホンミツバチのみに許されたスズメバチをも殺す合体必殺技蜂球──ならぬ、エルフ球か!
──はっ! まさか、オレを蒸し殺す気か!?
両手は村長宅の長女ちゃんと次女ちゃんが、両足には他所の──フラウア村の銀髪エルフちゃんたち、おなかの上には子供エルフもどき、顔の横にも、頭の上にも、足の下にも、エルフエルフエルフ!
いや、ホントどうしてこうなってるんだろ?
そういえばエルフさんは世間一般的にはクールなイメージを持たれてるらしい。他人にはとてもツンツンした態度をとっている。
しかし、仲間と、家族と認めるとと一気に態度は軟化──ようするにデレる。
一度懐にいれた相手をやたらと甘くなる、あと馴れ馴れしくなる。
つまりツンデレなんだ。
あと、エルフは人見知りの気があるのか他人に対してとても警戒し、マニュアルでもあるのかというようにおなじような対応をする。無表情(実は表情か引きつっている)で無口(緊張で声が出せない)、話しかけてもそっけなく離れていく(逃げたい)。
そんなセモリナ村のエルフさんはふかく傷ついた世界樹を治した結果、村人全員がオレに好意的になったように思える。
『人間が……!』とか『ふん、よそ者め早く出ていくがいい』とかいっていた長老エルフたちが、いまでは遭遇うたびに孫かわいがりする好々爺化しているのはもう笑うしかないよね? アッハッハー!
セモリナ村のエルフさんが好意的なのはわかるけど、フラウア村の子供エルフがこう……距離がちかいのはどうしたことなんだろう?
オレがやったことなんてフラウア村から拉致っちゃって、炎獄にいれて、その上だきしめて唇を奪っただけだろうにナゾだね!
セモリナ村のエルフさんもさすがにすぐにデレなかったけど、フラウアのエルフさんはチョロさもくわわっているのかな?
それともオレの血の効果? いや、それはないか。多少オレに親近感を抱くだけだし。
うん、なんとなく支配とか魅了とか隷属とかのあやしい効果がのりそうな気がしたから全力のフルパワーで抑えこんだんだよね……うん、そういうのはあんまり好きじゃないからね。
でも、ホントはその親近感を抱かせるのもどうかとおもったんだよ? でも完全に無効化なんてできなかったし……だからといって血を飲ませない、というには血の効能が破格だったからつかわないのはもったいないよね? うん、止むを得ない犠牲だよね? うん、べつに好かれたくないわけじゃないし、むしろちやほやされたいぐらいだしね。これくらいの役得はあってもいいとおもうんだよ?
こう……がんばったオレへのごほうび、みたいな?
うん、がんばったよね? オレ、なんども倒れそうになりながらも最後までやりきったんだからさ……ダメ?
身動きできないからそんな風に無聊を慰めてると、おなかの上のロリババアちゃんが目をあけた。
「むむむ……ん? ……ふむ。……む? …………むむ? ……ッ!」
ねぼけ眼でオレの顔をふしぎそうにじぃ〜っと見つめていたとおもったら、なにかに気がついたのか、くわっ! と眼を見開き、
「あー! ハルくんが眼を覚ましたのじゃー!」
と、唐突にさけびだした。
耳もとでさけぶものだから、脳がゆさぶられるね。耳の中でめをさましたのじゃー、さましたのじゃー、のじゃー、と反響している。
うるさいので唯一うごかせる首を動かして、ロリババアが対処できない速度で顔をちかづけてそっと唇奪いで黙らせた。
しかし、もはや手遅れ。ロリババアの断末魔によって周囲のエルフちゃんたちは一気に目覚めだし、オレにつめよってくる。
この部屋の外からもドタバタと音が聞こえ戸があけられ、部屋に子供エルフの群れが雪崩れこんできた!
や、やっぱりエルフ球じゃないか!
はーくんの血は効果を最低に抑え込んだことで、その親近感付与の成功率は100%を突き抜け、もはやどのような存在に対しても、どんな事情や耐性があろうとも防ぐことはできず絶対に成功する。
ついでにいえば血を飲ませた時点で成功する。因果未来運命宿命もろもろが決定し、確定してしまう。そしてその効果は固定して定着し同化してしまう。絶対に解除することができない。




