58話 ユグドラココア 〜 死神:え? ワタシの、出番は? 〜
今回のはーくんの独り言は長いです。
グッモーニーン! はーくんだよ。
あらすじ
・メイドさんの秘密?
・世界樹素材の有効活用!
・まるごと世界樹飲料ユグドラコーヒー!
いま一部で話題のスーパーフード世界樹! その健康成分がギュッとつまった、ユグドラコーヒー! 疲れてても、お腹が空いてても、喉が渇いてても、そんなときはこれ一本! いまならもう一本ついて、さらに新製品のユグドラココアもついて、な な な なんと、おどろきお値段据え置き、お値段据え置きです! さらにさらに、今だけ素敵なマグカップがついてます! 在庫の方がある分だけと、のこり少なくなっています! いますぐお電話を!
──と、冗談はおいといて、もえるゴミの日に出すとして……ユグドラコーヒーは一種のエナジードリンクで完全食なんだ。血が足りない時にグイッといくといいかんじ。すぐに血ができるわけじゃないけど元気がでるよ?
シーぽんにきくまで原因はわかっていなかったものの、オレの体質が素材や触媒として効能がたかいことは経験則で認識ていた。
主に使うのは魔力気力などの動力系だけど、その次くらいに……というか動力系と併用わせる形で血液・頭髪・爪などの取り返しのつく部位を使う。
まあ実をいえば手足などのふつう取り返しのつかない部位もけっしてならないわけではない。ヴィオラにおねがいすれば再生治療法処置をしてもらえるし、なんなら欠損部位の複製だって用意できるらしい。他にも魔法薬もある、ユグドラコーヒーでもいい。なんなら時間経過でも治る……理由はわからなかったけど、シーぽんのはなしをきいめ心あたりしかないというね。
閑話休題
動力系を除いて、よく使うのは血液だ。
だから血液をあらかじめ収納しておけば、それをつかうなり輸血するなりできて便利だと思うんだけど、ザンネンなことに『中原式収容術』はあくまで物理的な技術なので、基本的に時間経過は等速で、劣化も抑えられない……だから足のはやいモノは不向きで、血液の貯蔵にはむいていない。ちなみに魔力気力にくわえ魔素などの動力系は収納するとまったく劣化しないわけではないけど、なぜかその変化はとても緩やかなものとなるので、「収納術』で問題なく貯蔵られる。
要は劣化しないうちに使い切ればいいんだ、先入先出を意識すればいい。
しかし、冷蔵庫にうつすまでの一時しのぎならともかく、ナマモノを長期間保持できないのはやっぱり不便だ。
そう、物理的な手段で解決できないのならちがう分野で試してみようと、そうした試みで開発されたのが『中原式貯蔵術』だ。
おっと、『冷蔵庫』ときいて冷凍保存を想像したね? あはっ、それはちがうよ。
簡単に説明すれば、貯蔵対象を魔力化して魂魄の余白に収納する。そして必要時に魂魄から対象を抽出して物質化する。
これにより魔力化による状態の固定し、その魔力を魂魄の余白に収納する事により魔力化した物質の安定化、ほぼ完全な劣化防止効果が得られる。その結果、半永久的な貯蔵ができる。
しかし、この『中原式貯蔵術』にはいくつかの欠点がある。
まずそもそも魔力が扱える必要があること、基本的に人間は魔力を持たず 扱えない。一握りの人間だけが魔力を持つ。
その一握りや魔力持ちであり、その上で魔力の精密操作能力が必要となる、これでさらにふるい落とされる。
それが習得に前提の能力、習得人数が必然的に低くなることが一つの欠点……そこからの習得率については、まあ努力次第と期待して欠点には入れないでおこう。
二つ目の欠点として、余白にとはいえ魂魄に自分の魔力とはちがう魔力を収納れる必要があるため、その違和感(拒絶反応)にたえられるか、あるいはなれることができるかというモノ。なお、はーくんはそんなものはまったく感じなかったもよう。
三つ目の欠点、それは魔力化した物質が決して軽いものでも小さいものでもない事。逆に重いもので大きいものかといえばそこまででもないし、物理的な重さや大きさなどを考慮にむしろ軽量化されているといえるかもしれない。
それでも大量にモノを貯蔵れるのにむいているわけではないけどね。ま、貴重品を優先的にしまうといいんじゃないかな? どうぞ大事になさってください。
四つ目の欠点……これは技術の問題ではなくオレの問題かな? オレの魂魄の余白どころか容量そのものが少なくて使い勝手があまりよくないこと。原因は不明だったというか、単にオレの器のちいさいだけだと──だれがケチビだ!?
シーぽんの話を聞いた感じでは、当時のオレの魂魄が傷だらけヒビ割れまみれでボロボロなせいであまり貯蔵ができない上、『概念』やら『生』のカケラやらでただでさえ少なくなった容量が削られてたみたいだ。
いや、そうやって容量が圧迫された状態でもまだ余白がのこっていて収納可能だったことを考えると、オレ、って割とすごくない? これ本来のオレはどれだけ魂魄の余白があったんだろ? この余白無駄だなという匠のこころづかいだったの?
とまあそんな感じの欠点があって、オレにとって障害だったのが三つ目と四つ目。
そのうち四つ目はどうにもならないから、必然的に三つ目に力を入れた──と思っていたのかな?
そう、天邪鬼なのオレはあえて四つ目の方から検討してみたのだった。
『中原式貯蔵術』はモノを魔力化して魂魄に収納する……この言葉を聞いて、懸命な視聴者はすでにお気づきだろう。そう『魔力化して収納する』この点だ。
先に語った『中原式収納術』でも魔力を収納できる、それも魂魄ほどではないせどそれなりの長期保存が可能だ。
つまりこういうこと、『貯蔵術』でモノの魔力化およひ物質化し、『収納術』で出納 する。
この二つを併用した、複合技術をオレは『中原式簡易貯蔵術』と名付けた。
ついにはーくんだけで1話を潰してしまった! なお次回に続く模様。
それにしても『──と思っていたのかな? 』の伝説の超人感がすごい。奴隷たちの顧客を破壊しそう、悪魔か!?




