23話 『怨敵』 〜 命名者:結果が分かりきってるけど次回に引き。 〜
前回の説明回。
はぁい、はーくんだよ!
あらすじ
邪:命がおしくないようだな?
赤:一瞬千撃!
邪:A、ALIEN……!
「しばらく空を見上げていたことで頭が冷えた」
「そして疑問を抱く」
「はたして、仮にも神と名のつく『邪神』とやらはそんなに弱いものなのか、ただの赤子に手を捻られるような程度の低いものだったのか?」
「軽く流していたが『幼児』は概念を持っているのか?」
「非常に気になるところだ」
「その事も含め、改めて『幼児』を調べることにした」
「薄々分かっていたことだったが、『幼児』が呪われていた理由が分かった」
「事の始まりは今週回が始まった時」
「今回で『怨敵』──もとい『宿敵』の持つ呪いが飽和量に達してしまった事が原因だ」
「飽和量の呪いにより、『宿敵』の身体は魔王へと改造される」
「次に魂魄がその身体に合うように最適化される」
「それらが行われている時『宿敵』は自分が自分でなくなるような感覚を味わい気が狂いそうになっていた」
「身体と魂魄の処置が終わり、次は魔王の人格が『宿敵』の人格を上書きしてしまう、という段階になった」
「無論、『宿敵』はその事は知らない」
「だが、実感としてこのままでは自分が消えてしまうのだとわかるのだろう」
「『生』は本能的に何よりも自らの存続を望む生物である」
「普段はのほほんと生きているが、死が迫るとものすごく生き足掻くのだ」
「呪われていようとも『宿敵』も『生』、差し迫った状況で悪足掻きし、何も犠牲にしても生きようとした」
「本来なら、そのまま何も出来ずに魔王と化し、そして、『勇者』やら『英雄』やらに討伐されてめでたしめでたし、そういうあらすじだったのだろう」
「だがそうはならない」
「『宿敵』の悪運か、それに見つかった不運か」
「『宿敵』は思ったようだ、そうすれば助かると」
「今まで自分は不幸だった、もう十分に苦しんだではないか、これからは幸せにならないと道理が合わないではないか」
「だから自分を幸せにしてくれ、自分の役に立てと」
「『宿敵』は近くに都合よくいた『幼児』へ呪いを擦り付けた」
「だが……これはどうしたことか」
「どういうわけか、『幼児』を染め上げるには呪いの質量が足りないようだ」
「そして、染めきれなかった結果として呪いが弾かれる」
「これが何回やっても、何度やっても、どうやっても呪いを移すことが出来ない」
「これで『宿敵』は諦めて、そのまま魔王に身体を明け渡すのか」
「いや、忌わしいことに決して諦めることはない」
「諦めずひたむきに続け、努力を重ねれば、必ず幸せになれるはずだと」
「吐き気がするほどに前向きだった……この行為の相手が『幼児』でなければ応援くらいしたかもしれない」
「だが、このまま打つ手はない、どうするのか」
「しかし『宿敵』は何を犠牲にしてでも生き延びると覚悟していた」
「足りないならば集めよう、届かないなら捧げよう」
「『宿敵』は自らの『生』の力を暴走させ、その力ごと呪いを押し付ける」
「うまくいったとして『生』を失い、二度と使えないかもしれない…….しかし、この自分を苛む呪いは、苦しみはこの『生』を持っていたせいではないか、ならもう必要はない、最後に役に立てばいい」
「『生』を纏わせた呪いはうまく『幼児』に張り付いた、だが依然として質量が不足している、いずれ剥がれ落ち『宿敵』へと戻るのではないか」
「その結果は分かりきっていたことだ、だが一時的にでも呪いを擦り付けることに成功した、作戦の第一段は完了だ」
「続いて作戦の第二段だ、貼り付けるのに使った『生』は接着剤として役目を終えたわけではない、ここからが本命だ」
「『生』は『宿敵』を生かす為にその力を解放する」
「この場に呪いが足りないのなら、あるところから集めればいいのだ、ならば集めよう、必要ならば繋げよう……並行世界から求めよう」
「『宿敵』が持て余しているように、他の『宿敵』を手放したいはずだ!」
「道は拓けた、さあ『宿敵』達よ、共に幸せになろうではないか」
「そうして、繋がった世界からどんどんと『幼児』へ呪いが流れていく」
「『幼児』を染め上げた、だが止まらない」
「どんどんと呪いの質量が増えていき」
「『魔王』は『魔王』を超越え『魔皇』となり、さらにそれを超越え」
「そこに『邪神』が誕生まれた」
「『宿敵』はそれを見届け、そして自らに呪いがないことを確かめると、満足して……気絶した。もう『宿敵』の中に『生』の能力は存在しない……もう『怨敵』でいいか」
「話は『幼児』に移る」
「疑問があるだろう。何故、『幼児』を呪いで染めきれなかったのか、そもそも何故、『幼児』が標的になったのか」
「それは簡単なことで『生』の能力を待っていたからだ」
「しかし今週回に『怨敵』が居た以上、『幼児』は『生』とは関係がないはずだ、ならどういう事だ?」
「これも簡単な話で、『怨敵』の『生』とは無関係に『幼児』は『生』の能力を持っていた」
「これはちょっと前に説明したと思うけど、『生』はありふれた概念なんだ」
「概念は、実の所一つの概念につき能力者は一人と決まっているわけではない」
「|尤『まっと』も二人目の能力者は一人目よりも輪をかけて出にくくなるので同時期に、しかも同世界に出現する事はまず起こりえない」
「だが、実際にいるではないか? これはまた特殊な状況下の特殊な事例としか言いようがない」
「だって同じ時間を繰り返しているなんて普通の状況ではないのだから」
「まあ、なぜ居るのかなんて議論する事ではない、実際に生まれたから居るのだ」
「さて『幼児』の『生』についてだが、これはかの『到達者』と同じように始まりの能力者である……位階は試練位階さすがに最初から到達位階、なんて事はない……あれは一種の異常である」
「始まりの能力者、あるいは『始祖』。これは始まりの能力者に連なる能力者、同位階の『眷属』に比べると割合強い力を持つようだ……もっとも位階違いほどの差はないけど」
「ちなみに『死』も『始祖』、エッヘン!」
「流れとしては、『怨敵』が同じ『生』を持つ『幼児』を見つけ、『生』同士なら擦り付けが可能と判断した事が発端」
「結果はさっき言った通り、『幼児』に呪いを擦り付けに成功、但しその過程で質量が『魔王』から『邪神』にワープ進化した」
「さて呪いはあっという間に身体と魂魄は『邪神』へと改造される」
「そして『幼児』を塗り潰そうと『邪神』の人格が迫る」
「この時、『邪神』と対峙した『幼児』は、本能的に死を理解し、そして受け入れた」
「それによって、なんということか『生』は条件を満たしたと判断し」
「あっさりと『到達位階』に達した」
こんな事してるから過去編(?)が終わらないんだ!




