22話 呪い 〜 命名者:そういえば赤ん坊をはこぶシーぽんの姿は傍目からどう見えるのかな? 〜
あれ? なんだっけ、この死神の子が主人公だったかな?
おはこんばんちわーはーくんだよ! って、なんか地球を割りそうな挨拶だね?
あらすじ
・赤ん坊放流。
・これこれ赤ん坊をいじめてはいかんよ?
・赤ん坊を再捕獲。
浦島太郎かな?
なんてこった、シーぽんがしらない世界に連れていかれてしまうよ!
信じておくりだしたシーぽんが!
こんなのしらない! って、なっちゃう!
あ、そういえば浦島太郎、って異世界転移みたいだ。
ナニカをたすけて女神様の元へ。
元の場所(時代)に戻れない。
違う場所に戻る前にチート(玉手箱)を持たされる。
ヘタなチートは使い方を間違えると不幸にしかならないからね!
ま、ジジイになった方が都合がいい事もあるらしいけど、浦島さんが迂闊なら身元不明の人物が意味不明な妄言(竜宮城の事)をいうのだからそれをジジイのたわごとにできるわけだ……万一真に受けた権力者に捕まっても老い先短いし? ジジイの姿の方が説得力が出るし?(それに若い姿で時代をこえたとかマジ厄い?)
そういえば玉手箱って、開けるなよ! 絶対開けるなよ! ってフリをされて渡されたけど、もし開けなかったらどうなったんだろ? 老後に開けたら逆に若返ったのかな。
寿命-今まで生きた時間=年齢にする一回こっきりのチートアイテム説?
あれ、それだと老浦島氏はその姿で生まれた年数の寿命が残ってる?
じゃあ、寿命-(今まで生きた時間-成人年齢)=年齢? あ、これ未成年が開けたら即死するな。
いや、そもそも元の時代でないから浦島さん玉手箱開けなくても、もうに詰んでるんじゃないかな。
なんて考えてるはーくんでした。
「反省をして落ち着いた後は、その場から移動した」
「ゴミが落ちている空間に、いつまでも『幼児』を居させるべきではないと思ったからだ」
「それに霊体のワタシには荒事の対処する手段があまり少ない」
「このまま攫ってしまおうかと邪念が浮かぶ」
「それをワタシの頼りない理性でねじ伏せる」
「いつか『死』が『幼児』を手にかけようとするかもしれない」
「そう考えると、口惜しいがワタシの手元に置くべきでない」
「真っ当な生命ででない事が、非常に悔しい」
「こう思う事も今までなかった」
「この『幼児』は一体なんなのだろうか、遭遇してから何度ワタシに変化をもたらしたのだろう」
「もし、この周回が終わり次の周回になったらこの『幼児』はどうなるのだろうか?」
「今回限りで次回には居ないのか」
「いや、仮に居たとしてもこの『幼児』ではないだろう」
「今まで気にしていなかったが、ワタシと『宿敵』以外は周末ごとに一斉に死んでいるようなものなのか」
「あるいはその死に際の怨念が『宿敵』に累積する呪いだったのか」
「……」
「呪いか……」
「時間経過を考えれば『宿敵』はこの『幼児』と同じくらいの年齢だ」
「どうにも嫌な予感がする」
「この予感が、ワタシの直感が外れる事を願う」
「どうか『宿敵』よ、叶う事ならば『怨敵』に成り下がってくれるな」
「半ば確信に傾きつつある予想を振り払う」
「今回は『宿敵』を探さねばならぬだろう」
「これまで敢えて『宿敵』や『生』の居住地を明かさぬようにしていた事が、今回裏目に出た」
「周末まで終わりを遅らせようという計算と、理性を手放したくないという恐れと、こちらから殺しに行くことはフェアじゃないという慢心が生み出した結果だ」
「『生』は殺せばそこでその周が終わるから仕方がないとして、『宿敵』は殺しても周は終わらないのだから探っておけばよかった」
「後悔後先立たずだ」
「後悔も反省も置いておく」
「今は『幼児』の事を考えよう」
「『幼児』が呪いを持っている事は明らかだ、なら『幼児』の呪いをなんとかしよう」
「『死』は呪いは専門ではない、弄る事は出来ないが調べる事はできる」
「そしておそらく消す事ーー殺す事は出来るだろう」
「言い方が曖昧なのはわからないからだ」
「これは『眠り』と『癒し』の力の時と同じで、一度行えば拡張されるだろう」
「早速……いや、反省した事だ、『幼児』で試すのはよそう」
「ううむ……こうなっては移動した事は失敗だったか、あそこなら都合のいいゴミが転がっていたのに……」
「使えないゴミが……ハゲろ!」
「!」
「この感覚は……能力の拡張か」
「なるほど……特定対象への『呪い』は遠距離攻撃が一般的……目視しなくとも行えるのか」
「しかし効果は当然落ちる、距離が近いほど、情報が多いほど、力を多く当てるほど効果は高まるようだ」
「一番は接触、次に目視、遠隔はその次かまたその次くらいだろう」
「ともかく役に立つゴミのおかげで『呪い』が使えるようになった」
「とはいえ、やはり他者の呪いを操作する事はできない」
「しかし今までより多くの情報を得る事が出来るようになったようだ」
「早速呪いを殺し──って待て待て、それをするのは調べてからだワタシ!」
「どうにもこの『幼児』の事となると暴走してしまう」
「これまで生きていて、ん? ワタシは生きていないか……」
「これまで存在して、ここまで心を揺らされた事はない……しかし、決して嫌な気持ちではない」
「こういう感覚が幸せ……なのだろうか」
「だとすればなおの事、この『幼児』を失いたくないな」
「必ずワタシが呪いを殺してみせる」
「たとえその事によって、ワタシの事を嫌うような事になっても……」
「決意したワタシは早速、『幼児』の呪いを調べる事にした」
「今までとは違う情報な奔流に戸惑うが、気合を入れて調べていく」
「……」
「やはり、『宿敵』の呪いと同質のもの、『阿頼耶』の呪いだ」
「しかし、呪いの質量が違いすぎる」
「なんだこれは……」
「およそ前回の『宿敵』が持つ呪いの軽く10倍20倍は軽い」
「呪いが『幼児』の何もかもを染めてしまっている」
「肉体も魂魄も存在も、あるいは精神も、そして概念も」
「何もかもが、そのすべてを呪い侵し冒し犯して狂わせ壊し捻じ曲げられている」
「そして、呪いの本質を知る」
「『魔王』の錬成」
「世界を脅かす『魔王』を生み出す事」
「死を嫌い脅え拒むはずの『阿頼耶』が何故そんなバカな真似をしたのか?」
「それは必要だから」
「呪う相手を何としてでも排除するため」
「いや、排除されるため」
「世界を脅かす存在が生み出されれば、世界はそれを排除に動く」
「おかしな話だ、世界は終わりを望んでいるのではないのか」
「よくわからないが、世界が排除しなくてはならない存在……それが『魔王』らしい」
「人が『魔王』になると、まず恐るべき力を身につけ、そして元の人格を『魔王』の人格が塗りつぶして、世界の破壊を行うのだとか」
「……言うと思った、本当に仮面のバイク乗りみたいだよね。なんで人格の改造を後回しにしたんだろう」
「それはともかく、『魔王』が生まれれば、それを排除する存在が生まれるらしい」
「『勇者』……うわ、ダブった。」
「んんっ! もとい『英雄』」
「世界は『魔王』を排除する為に『英雄』を生み出す」
「しかし、誤算があったようだ」
「それは『阿頼耶』にとっても『世界』にとっても……そして『元魔王』にとっても」
「本来、人のすべてを侵食す呪いによって、人は魔王になる」
「しかし、おかしな事にこの『幼児』はその何十倍、下手すれば百数十倍の呪いを持っている」
「これによって何が起きるか?」
「魔王以上の、魔王を超越えた、神の如き力を持つ……『邪神』か『悪神』と呼ばれるものが生まれた」
「だが、これに内心冷や汗を流しただろう『阿頼耶』だが、これは『世界』が確実に排除するとほくそ笑んだだろう……」
「この『幼児』がまともだったのなら」
「この『幼児』は事もあろうに」
「その『邪神』を殺していた」
「より正確に言えば『邪神』の人格を殺していた」
「その結果、何が起こったかと言えば」
「生まれた『邪神』が消滅し、世界はその依り代を排除すると必要がなくなった」
「『阿頼耶』は首を傾げた事だろう」
「さてそんな偉業をやらかした『幼児』だが……」
「『邪神』の力を持つ、『邪神』の人格を持たない、『邪神』でないもの……『魔神』となっていた」
「それだけで済めば、仮面のバイク乗りで済んだのだが」
「それと同時に『邪神』殺してにより、『勇者』や『英雄』の最上位の存在、『神殺者』となっていた」
「……うん、『魔神』で『神殺者』なんてどんなチートキャラだよ! って、気持ちはわかるよ……ワタシも思った」
「だが『幼児』は幼気な弱い赤子だ」
「そんな力があるのならゴミを殺すことも容易かっただろうと、思うよね……」
「第2の『邪神』……いや『邪神』を超越えた『魔神』となったと誰しもが思っただろう」
「まさか『魔神』と『神殺者』が反発し競合し封じあって、『幼児』を弱体化させているとは思わないよ!」
「えええ……! なんでそんな仰々しいのに普通より弱くなる産廃になるの!?」
「もちろん、『幼児』にとっては『世界』に排除される事がなくなったのだから、幸いだったと言えるだろう……」
「呪いが残っていなければ!」
「産廃チートで弱っている時に、さらに呪いで弱体化だよ」
「あまりにもあんまりなので、ワタシは思わず天を仰いだよ」
これにははーくんも苦笑い。




