1章5話 『王都デカすぎ……』
「あ、本当ですか! ありがとうございます。」
「おうよ! ではお通り下さい。」
カケルは兵士に許可を貰い王都城内に入った。
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「お、おー やっぱスゲーなー」
体の疲れが吹っ飛んだ気がした。
そこにはたくさんのお店があり、物が飛び交っている。
とても大きな噴水に、とても広い範囲に石畳が敷いてあり、とても大きな建物がいくつも建っている。
ほんの数秒前まではただのドッ広い草原だったのに、
まるで世界が変わった様だ。
素晴らしい、素晴らしいぞー。これぞ『異世界』
素晴らしい、素晴らしすぎて素晴らしいしか言えない。
俺も最初っからこんな世界に生まれたかった。
「おー、それはいったい何だ?」
カケルは近くのお店に売っている青い小さな玉の様な商品を手に取った。
「それは『ウォーターボール』ですね。
その小さな玉の中ですけれど中に500mlくらいの水が入っています。
それよりカケルさん、寄り道しないで早くいきますよ!」
「あーごめんごめん。
でも凄いなー、こんな小さな玉の中に500mlも入ってるなんて。せいぜい体積は50cm3くらいなのに」
「それは水のスキルを持つ人が水をとてつもない力で圧縮して作ったものなんです。」
「へーそうなんだー やっべーテンション上がるなー!」
ザワザワ
「___あ!アレ セリナ様じゃない?」
「___本当だ! それに今日はルミ様もいるぞ!」
周りがとてもざわついている。
「な、なあ やっぱりお前ら本当に凄いやつだったの?」
「凄いやつ……ですか?」
「そうだよ、だってほら」
カケルは周りの人達を見回した。
「___流石2人とも凛々しいお姿だ。」
「___ん?なんか2人の他に誰か横に歩いてないか?」
「___誰?他の人?」
周りの人達も我々3人のことを見ている。
「ほら、皆に セリナ様♡ とか ルミ様♡ とか言われてるじゃん? それに俺が近くにいるだけで結構話題になってるし。さっきの門番も普通は通行許可書必要とか言ってたけど セリナとルミは顔パスだったし……」
カケルはボソボソとセリナに話した。
「ふふふ、 カケルさん、それは私達の目的地に行けば分かりますよ! さぁ、早く行きましょう。」
それからまた数分がたった。
「え?マ、マジでここなの?」
「はい、カケルさん。ここが私達の目的地です。」
そこにはとても大きな建物が建っていた。
門の近くの建物でさえとても大きかったのに、それをはるかに上回る建物。いや、これはもはや『城』。『城』だ。
ここにセリナとルミが住んでいる、又は何かの関わりがあるならば、先ほどの人達の目線は納得がいく。
「ほら、カケルさん早く行きますよ。」
「は、はい!」
カケルは少し予想はしていたが、その予想を遥かに上回る『城』のでかさに少しビビっていた。
そして再び登場『顔パス門番』(違う人)
「お帰りなさいませ ルミ様、セリナ様 どうぞお入りください。」
「はい、ありがとうございます。
ですが今日はもう1人、カケルさんが来ています。」
セリナは手をカケルの方に伸ばした。
「ど、どうもー」
カケルは手を頭の後ろに持ってきた。
「セリナ様この方は?」
「今日は客人として連れてきました。 カケルさんに来場の許可をお願い致します。」
「あー お客人でしたか…… ささ、中にお入りください。」
「あ、ありがとうございます。」
なんだ、なんだ この素晴らしい対応は。
なんだか俺がここのお偉いさんみたいな気分だ。
最高に近い、イヤ、もはや最高。
このままずっとお客様でありたい!
そう思いながらカケルは『城』の中に入った。
「うわ、やっぱ見た目より広いなー。
そういえば ここって王宮とかなの? 一応王都だし。」
「いいえ。ここは王宮ではありませんよ。
ここは私達みたいに少し特別な力を持った者が入ることのできる場所 みたいなものです。
ちなみに王宮には、さっき来た道を道のりにもう少し歩けば着きますよ。」
ここよりデカイのあるのか……
「では、私達の後ろに付いてきてください。案内します。」
それからカケルはセリナとルミの後ろを歩いていった。
「やっぱ広いだけあって遠いなー。てか、俺たち何処に行くんだ?」
「ふふふ、言ってからのお楽しみです。」
「カケル君」
久しぶりにルミが話しかけてきた。
「どうしたルミ?」
「ここで見た事や、見た物は 他の誰にも言ってはいけません。」
「うん。分かった。 でも何で?」
「まず ここにカケル君がいることは本当はあってはならない事なんです。理由は、ここにある物のほとんどが ほかの国に漏れてはいけない機密な物。
それと、カケル君がまだどこの国の者かも分からないという事。もし仮に カケル君がどこの国の者でもなく、どこの国の手先でもないとしても、カケル君の近くに敵がいないとは限らないから です。
約束してくれますか?」
「うん。分かった約束する。ここで見た物はここを出た瞬間に忘れておくよ。」
「くれぐれも宜しくお願いします。」
その話が終わったとき、セリナとルミの足は、丁度突き当たりのドアの前で止まった。
「ここです。カケルさん。では、入りますよー。」
セリナは『ガシャ』っとドアを開けた。
「___あーセリナ、ルミ おかえりー 」
「___おか……えり 今日……は、ずいぶん……遅……かったね。」




