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2章1話『朝はゆっくり、してられない!!』

「おーい、カケル様? もう朝ごはんできたけどおきないのー?」



マジルはルミの部屋で寝ていたカケルの肩を少し強めにさする。だが何の反応もない。


「仕方がないですねー。ここは私のメロメロボイスで優しく起こしてあげましょう。」



マジルはカケルの耳元まで顔を持っていった。マジルの吐息でカケルの髪の毛が少し揺れる。



「カッケル様ー、あっさでっすよー。」



「────────」



反応がない。まるで死んだ屍の様だ。




「カッケル様ー。あっさでっすよー。」



「────────」



変わらず反応がない。まるで死んだ屍の様だ。



マジルはこの結果に納得がいかなかったのか 少し顔を膨らませる。 そして手を強く握り、何かをスタンバった。



「カケル様? 朝ごはんが出来たから そろそろ起きた方がいいと思うよ?」



「────────」



微動だにしない。 息はしているが、マジこいつ生きてんのか?と思うくらい反応をしない。



『ー ブチ ー』


何が切れる音がした。その瞬間、マジルの怒りの鉄槌がカケルの左腕目掛けて放たれる。



『ドス』



「アアアァァダダァァァァーーー」



カケルはあまりの痛さに目を覚ました。



「わぁー。やっぱり私のメロメロボイスがそんなにステキだったのかな? こんな私に起こしてもらえるなんて、カケル様ったら羨ましい。」



マジルは両手を合わし、首を斜めに倒しながら言う。



「痛ったったった。 あのヤロー 俺にあんな事しやがって。 覚えてろ、絶対後で同じ目に合わせてやるからな。 覚悟しとけよ!」



カケルは右手に拳をつくりながら言った。


ん? でもおかしい。 バルデにやられたのは心臓辺りのはず。 でも今猛烈に痛みを感じるのは左腕だ。 これも魔法の副作用的な物なのだろうか。

いやー恐ろしい。魔法って何でもありなんですねー。 マジ夢の中ぐらい好きにさせろっつーんだよ。




……は!?


なんだこれは、見なくても分かる。左側から俺に向けての物凄い殺意。実は今めっちゃやばい状況なんじゃないのか?

はたまた これも魔法の副作用? いや、実際そうであって欲しいのだが……


カケルは恐る恐る自分の左側を見る。



「うげ、!?」



そこには、おそらく怒りに塗れているであろうマジルが、何だか変なオーラをはなちながら こちらを見ている。



「あは、はははは…… 俺、マジルに何かしちゃったかな?」



何でマジルこんなに怒ってるんだろ。 俺何もしてないと思うんだけど……


オーラが見える程怒っていたマジルだったが、瞬間、その怒りが嘘のようにニッコリと笑った。



「いえ、ただ朝ご飯が出来たから呼びにいただけです。」



今度はお花のオーラが見える。


やっぱり怒ってなかったのかな? 勘違いだったのかな?



「あー、ありがとうマジル。 すぐに行くよ。」



「はい、待ってるよ。カケル様」



そういいマジルはドアへ向かった。そしてドアノブに手をかけ、それを引く。



『ドギャバギ』





「…………え?」



激しい音をあげ、物凄い量の木屑がこぼれ落ちる。 だがドアは開いていない。



ま、まさか……



ドアノブがドアから取れてる?


マジルの引く強さが強すぎてドアからドアノブが取れてしまった。


そんな事あるの?ドアノブだけ取れるって、そんな事あるの?


マジルは取れたドアノブを見て言う。



「あれ、おっかしいなー。 これもうボロボロだったのかなー? でもこれじゃあドア開かなや…… 仕方がないなー。」



マジルは右足を上げた。 そして物凄い勢いでドアにブチ当てる。




『バギョバギ』




「カ、ッカッカ、…………」



ドアはもとあるべき場所から凄まじい速さで飛んでいき、隣の部屋の壁に物凄い音をたててぶつかる。


とてつもない事が起きるとは予想はしていたが、いざその光景を見てみると声が出ない。



「はー、開いた、開いた。 さーって朝ご飯食べよっと。」



マジルは何事も無かった様に不自然にドアがなくなった部屋をあとにした。



「俺、ホントに何やっちゃったの?」

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