閑話3 プルプルのチートな日常
第三者視点スタート。
ユエイブワル帝国の辺境にある、とある町。
その町にある、魔界門の周りに、人が集まっていた。
集まる人々の表情は、暗く、不安に揺れている。何故なら、この、魔界門は、左遷されてきた豚……貴族が強引に設置したものであり、そこからたまに侵入してくる魔物が、町に大きな被害をもたらしていたからだ。
そして、今日も、魔物が魔界門から侵入してきたのである。幸い魔物は弱かったのもあり、すぐに対処できたから良かったものの、毎回こんな事があっては、その内、町民がいなくなってしまうのは目に見えていた。
どうしたものか、と呟き合う人達の元へ、ポナムの眷属である、プルプルが現れた。
「ぷるっ!皆、怪我人の治療は終わったよー!」
口を半円の笑みの形にして、そう言うプルプルに、町の人達は、少しだけ安心したように微笑んだ。人々の中には、プルプルに対して跪く者までいる。
プルプルは、この町の人々から、心から歓迎されていた。
プルプルがこの町に来てからというもの、穀物は良く育つようになり、壁の外から魔物が侵入してくる事もなくなったからである。更に、プルプルは医者のようなものもやっており、怪我人から病人まで、コドク譲りのチートな魔術によって作った薬草で、怪我も病気も治していたのだ。
その結果、プルプルは町民に受け入れられた……のを通り越して、崇拝する者まで出てきたのであった。
プルプルは、「おお、プルプル様……」と跪いて祈る様子を見せる人に笑顔を振りまきながら、人々に問いかけた。
「ぷる?皆、不安そうな顔して、どうしたのー?」
プルプルが、身体をぷるぷるさせながらそう言うと、町の人達が、「それが……」と言いながら、魔界門の問題をプルプルに相談した。
プルプルは、その話を聞くと、「う~ん」と言いながら、考え込んだ。
(壊す……わけにはいかないよね。魔界探索者は、この魔界のものを持って帰ってくる事で稼いでいるわけだし。)
どうしたものか、と考え込むプルプルの元に、影から浮かび上がるようにして、星花が現れた。
「いきなりで申し訳ないのですが、プルプル、カナン様の服の件なのですが……」
「ぷる、星花、こんにちはー。
カナンちゃんの服の件なら、もう手配してあるから、後でプルプルが渡すねー。」
「ありがとうございます、プルプル。
ところで……プルプル、悩んでいるようですが、何かあったのですか?」
そう言って首を傾げる星花に、プルプルは訳を話した。
星花は、その話を聞くと、頷いた。
「なるほど……分かりました、ご主人様に相談してみます。」
「ぷるぅ、そうだね……お願いするね、星花。」
そう話し合い、あっさりとコドクに問題を投げる二人。
ちなみに、以前も、町の門の問題で「人は通れるけど、魔物は通さない門が作れないか」という無理難題を、プルプルがコドクに相談した事があった。
その数分後、影鼠を通して、コドクから魔石と伝言が届いたのだ。
伝言は、「この魔石に魔力と魔素を込めて魔物にした後、その魔物をお前の魔術で支配しろ。その後、魔物に人間だけを通すように命令して、魔物は撃退するようにすればいい。」というものだった。
疑問に思いながらも、プルプルは素直に、門で魔石を魔物した。
そうしてできた魔物は、なんと門にぴったりとはまる、壁のような、硬い木の魔物であったのだ。
プルプルは、早速それを魔術で支配し(普通はできないが、プルプルはチートなコドクの子である)、人だけを通す魔物の門ができたのである。どうやって人を感知するのかは謎だが、人がその門の前に立つと、壁のような魔物のそれに、丁度、人が通れるくらいの穴が空くのだ。
そのおかげで、町に侵入する魔物が減り、門番も、入ってくる人を確認すればいいだけになったのである。
と、そういう事があったのもあり、二人はあっさりとコドクに相談する事にしたのだ。
星花が影に潜った数分後、星花がプルプルの元へと戻ってきた。
「ご主人様からの伝言です。「それだったら、門の魔物を参考にして、魔界門に魔術で扉を付ければいいんじゃないか?」との事です。」
「ぷる!その手があったかー。さすがお父さん!」
そう言うプルプルだが、そんな事ができるのは、プルプルとコドクくらいなものである。そもそも、魔物を門戸にするというコドクの発想自体おかしいのだ。
その後、星花に服を渡したプルプルは、早速魔術で魔界門にあっさりと扉を作ってしまった。チートである。
魔界門の上には、プルプルの分裂体であるプチプルがおり、魔界門に魔界探索者が近づくと、「きをちゅけていってね!」とプチプルが拙い口調で言いながら、扉を開けてくれるというシステムである。
この一件で、更にプルプル信者が増えてしまったのだが(プチプル愛好会というのもできた)、町が平和になった事だけは間違いない。
来週から本編に戻る予定です。




