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「ママ、野生の闘馬は肉を食べて、岩塩を舐めて、果物は甘い物が好きなんだって…森で群れで生活してて、捕らえられてここにいるやつらは、今の食事のせいですごく疲れてるって」
「ここではいつも何食べてるの?」
「牧草と水だけみたい。」
「少しづつ肉を減らされて、時間をかけて、草しかもらえなくなるんだって。ここに来てすぐは普通に肉もらってたみたいだよ。」
あ、アーロンさんはこの子達が何食べるか知ってるんだ…何か少しもやっとする。
一番奥の木の下にいる真っ黒で、体の大きな闘馬と目が合う。皆がその子を見ている。
魔力が最も高く、目には知性を感じさせる光があり、諦めていない意思を感じさせた。
「ママはあの黒い子がいい」
「いいんじゃない?」トラジも頷く。
小さい声でフンフンと鼻を鳴らす様に何か答えてくれた。
「俺は年寄りだって若い方がいいだろってゆってるよ」
「いいえ。あなたがいい。私をのせる闘馬がいたら売ってもいいと言われてるの。選んでいいなら、そりゃぁ一番賢くて、強い子を選ぶよ。」
私は決めた。ズンズンと歩き、戻る。
「奥の木の下にいる真っ黒な大きい子がいいです」
「あれは年寄りで気難しいんだが…乗ってみるかい?」
大きく頷く。
スカーレットさんと楽しそうにおしゃべりをしていたアーロンさんは柵の中に入って行った。
一旦厩舎に入り鞍をのせて連れてきてくれた。
全く嫌がる様子はなくとても大人しい。
顔を寄せてくれたので、撫でてみる。触らせてくれる。
驚いたアーロンさんに乗ってもいいか聞く。
もちろん断られる事はなく、私は無事に試験を通過した。
ありがたく買わせてもらう事になり、建物の中に移動して購入手続きをしてもらう。
魔獣の持ち主として、全責任を負うと魔術師が誓約を結ばなければ誰かに狩られる危険がある。
トラジもサンタもこの子も私が契約者であり、保護者となる。
飼育方法、食事の世話等の説明を受ける。
やはり牧草と水を与える様に言われ、塩分も糖分も体に悪いから厳禁との事だった。
闘馬の歯を見ると、草食動物の歯ではなく、本人達の言う通り肉食な気がするけれど……まぁここはハイと答えるべき所かと思いそうする。
帰り道はスカーレットさんの馬に私達が乗ってきた馬を繋ぎ、私達は闘馬に乗った。
「宿に戻ったら食事を食べれるから、少し頑張ってほしいって伝えてね。」
どこで見られているかわからないので、外では草以外は食べさせられない。
繁殖家は口を揃えて、闘馬は草食だと周知しているはずなのだから。




