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クリーム色の巻毛を後ろで結び、白のワイシャツにカッチリとアイロンがけした、黒のロングエプロン姿の給仕係がスッと近寄り

「もしよろしければ…」とおしぼりを渡してくれた。はて?と思ったところで、

まさか…ぐりんと反対隣のトラジに向き合う。

静かに苺を食べていた…静かすぎだよねぇ。

苺は少し大きかった様で、口に入れるとプシュッと溢れた果汁がピカピカの綺麗な毛皮を汚す。

モキュモキュと汁を口から垂らしながら苺を食べてニコッと笑う。

横抱きにジュバっと抱えて

「可愛いちゃん?美味しい?お顔も素敵な毛皮も大変な事になってるよ?」

おしぼりで口をぬぐい、あごの下におしぼりを置き毛皮に指先を向けてクリーンをかける。

私が、食べさせましょう!爪の先に魔力を惑わせ、苺を二つに切って彼のお口に運ぶ。

「甘っ!これは良い苺だね!」

「それは良かった。そろそろ帰ろうか。」

「残念だけど、組合長さんには又の機会にご挨拶させてもらう事にするね。」

同席していた職員に断りサッと席を立つ。

「さぁ行くよー?」

トラジを抱えたままサンタに声をかけると

サンタはひょいと大型犬くらいの大きさになり横に立つ。トラジは小さいまま縦に抱っこして後ろを警戒してもらう。

顔の横、肩の上に顎をのせるスタイルだ。

この店は大通りに面した大きなお店でお値段は高い。魔獣の入店は高位の魔獣のみで、うちの子達は入れたけれども……

高位でも幼い魔獣は入らないでほしいのではないかと申し訳なく思う。私だったら断りたい…

格式高い大きなドアを開けてもらい外に出る。

「魔術師ギルドに寄らないとね」

少しランクをあげないと…何の恩恵も受けれないんじゃあただの身分証だわ。

素材の買取、採取依頼、治癒、魔術折り、魔導具作成、などなどの貢献により、お金とランクポイントをかせぎ、ランクを上げる。


「スカーレットさん!お買い物ですか?」

小さいお店が軒を連ねているシャンシャン通りの一軒のお店から出てきた男性に声をかけた。

「は?ずいぶん目がいいんだな…視覚を調整してたんだぞ?普通は気づかないはずなんだがね」

意地悪そうな目をして睨みつけられる。

機嫌が悪い時に話かけてしまったのかもしれない。

用件のみを伝える

「黒海の葉っぱのお皿を売ってもいいですよって伝えたかったのですが、今じゃない感じでしたね」

このお皿はうちの子達が黒海を抜ける時に、収集した物で、トラジがご飯はお皿から食べたいがために見つけた、ちょうど良い小鉢の様な形の葉っぱだ。もちろんこれは皿ではなく、削り出して薬草として使うものだそうで、何百年も前にこの大陸から消え去ってしまった大樹の葉である。

黒海は魔窟であり、採取で向かう者はいない。

世界と世界の間にあり、あちこちの狭間を繋ぐ。

魔力の高い魔獣が溢れており、気まぐれに閉鎖空間が発生するため、そんな時は蠱毒の場となり強者が生まれる。


スカーレットはスタスタと近寄って来た。

「詳しい話を聞こう!」「あっハイ!少しお願いしたい事がありまして…」

ここぞとばかりに用事を頼むとする。

「実は、闘馬を買いたいんですよね。普通の馬だと魔の森を抜けるのは不安で…」

我が家は魔の森の向こう側にあり、いく道は魔獣もそれなりに出没する。距離もある。

闘馬だったら体力があり、魔力も高く、そこそこ強い。きっと私達の移動を助けてくれるはず!

けれども繁殖家へのコネがなければ、普通に手に入るものではない。

闘馬は人を簡単に乗り手と認めてくれなくて、闘馬に認められた人だけが買う事が出来る。

スカーレットさんがそこら辺の諸々を解決してくれると良いのだけれど。そして闘馬に認めてもらうコツがあれば知りたい!



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