【第5章】第4話:現地の地理解析と、見覚えのある環境変数
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美味しいコース料理を堪能したフォージとルナ。
今回は、次なる拠点探しのための「現地調査」を行いますが……。
食後の甘い果実水を飲み干し、俺たちはゆったりと息をついた。
「はぁ……幸せですわ、お兄様。あんなに綺麗で美味しいお料理が食べられるなんて」
「ああ、大満足だ。ピークタイムを外して遅めの昼食にした甲斐があったな。おかげですぐに個室も取れたし、ゆっくりできた」
すっかりご機嫌なルナを連れて、俺は一階の会計カウンターへと向かった。
「お会計を頼む。料理、最高に美味かったよ。これは代金の銀貨六枚と、俺たちからの感謝の気持ち(チップ)の銀貨一枚だ」
「おおっ、気前がいいね! まいどあり!」
銀貨六枚(約六千円)。昼食としては少し贅沢だが、これだけ手の込んだコース料理が一人三千円で楽しめるなら圧倒的にお値打ち(高コスパ)だ。その価値は十二分にあった。
支払いを済ませると、俺たちの会話を聞きつけたのか、厨房の奥から恰幅のいい料理長が顔を出した。
「お客さん、うちのコース料理を気に入ってくれたかい?」
「ええ、もう最高でしたわ! あんなに色鮮やかで優しいお味、初めて食べました!」
ルナが花が咲くような、純度百パーセントの満面の笑みで絶賛する。
Sランク級の美貌を持つルナにそこまで真っ直ぐ褒められ、強面の料理長は照れくさそうに鼻の下を擦った。
「へへっ、お嬢ちゃん分かってるね! うちの料理は、王都でもかなり評判が良いんだぜ!」
「料理長、実は俺たち、この王都に来たばかりでな。これから腰を据えるための拠点を探しているんだが……よければ、この周辺の全体的な地理について、少し教えてくれないか?」
俺はルナの愛嬌によって作り出された最高の空気(デレ状態)を逃さず、情報収集を仕掛けた。
機嫌を良くしている料理長は、腕組みをして得意げに語り始めた。
「おう、そういうことなら任せとけ。まず東側だが、あっちには物流の大動脈である『グラン・ラナ大河』が流れとる。南には穀倉地帯の『エバーグリーン平野』だ。商売をするならこの辺りが定番だな」
「なるほど。王道ですね」
「ああ。そして北側には、王都を北風から守る霊峰の麓に……『クサーツヴェップ・アリーマ』と呼ばれる不思議な湯の街が広がっている。街中に張り巡らされた巨大な木製の樋を、血のように赤い鉄の湯や、鮮やかな蒼玉色の湯がドバドバと流れる、この世のものとは思えん極彩色の光景が見られるらしいぜ!」
「…………クサーツヴェップ、アリーマ?」
「どうした、兄ちゃん。急に難しい顔をして」
「お兄様、お腹でも痛いのですか……?」
「いや、とても参考になりました。気になる候補地ができたので、ちょっと行ってみます。ありがとう、料理長」
「おう! また飯が食いたくなったら来な!」
俺たちは料理長に礼を言い、店を後にした。
「お兄様、どこに向かわれるのですか?」
「ああ。ちょっと、面白い物件の匂いがしてな。ルナ、せっかくだし実際に行ってみようか。」
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フォージの一瞬の難しい顔、いったい何なんでしょうか?
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