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【急募】PM(プロジェクトマネージャー) ワールドリフォージ(世界の理は、一生懸命なドジっ子AIでした)  作者: S.フォージ
【第4章】 秘匿領域(サンドボックス)の展開と、軍勢(リソース)のインポート

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【第4章】第5話:神々の解析と、泥臭い最適解

いつもお読みいただき、ありがとうございます!第4章・第5話です。


ギルド手配の宿舎へと移動した一行は、「振り返り会」を始めます。

ステータスで劣るはずのフォージが勝てた理由。その真実を語るため、彼らがひょっこりと姿を現しました。

 ギルドを出た俺たちは、ガランド氏に紹介された中級の宿屋――当面の開発拠点ベースキャンプへと到着していた。


 昨日のような隙間風の吹くボロ宿とは雲泥の差だ。清潔なシーツに、しっかりとした造りのベッド。何より、ルナの部屋と俺の部屋が別々に用意されているのが素晴らしい。福利厚生の改善は大成功だ。


 現在は夕食までの間、俺の部屋にルナを呼び、先ほどの模擬戦の『振り返りレトロスペクティブ』を行っていた。


「さて。ルナ、今日の戦い、俺との違いはわかったかい?」


「はい……。ルナは今まで、自分の力任せに剣を振っていただけでした。強すぎる力があったから、ちゃんとした剣術の型や、相手を見る技術が全然育っていなかったんですわ」


 しょんぼりと肩を落とすルナに、俺は優しく頷いた。


「うん、OKだ。それがわかっただけでも一歩前進だ」


(ルナの身体能力が高すぎたせいで、今まで技術不足が隠れていただけだ。素直に自分の弱点を分析できるこの子には、間違いなく才能がある。基礎から教え込めば絶対に大丈夫だ)


 頭の中でそう確信していると、ルナが不思議そうに小首を傾げた。


「でも……お兄様はどうして勝てたんですか? お兄様もルナと同じように、力を制限されていたはずなのに……」


 ルナの純粋な疑問に被せるように、脳内でゼノンが張り切って声を上げた。


『そうです! ルナ様の敗因は分かりました。ですがマスター! 納得がいきません! マスターも下方修正で身体能力はBランクだったはず。なのに、なぜ私の『戦闘支援ARモード』を切った後半の方が、動きが良くなったのですか!?』


『――それは我らが解説してやろう』


 不意に部屋の中央に、黄金、蒼、真紅の三つの光の玉がポンッと弾け出た。


『我慢できずに出てきてしまったぞ! 小娘よ、己の未熟さがよく分かっておるではないか!』


 現れたのは、賢者アルバス、戦神オルステッド、雷神トールの三柱ミニチュアサイズだった。どうやら彼らも、俺たちの振り返り会にジョインしてきたらしい。

 蒼い光――アルバスが、ルナに向けて静かに語りかける。


『フォージ殿が模擬戦の後半で見せたのは、意識と五感を周囲へ際限なく広げる『ZONE』と呼ばれる領域。目から入る視覚だけでなく、足音、匂い、空気の揺らぎ……周囲の膨大な気配を無意識で一気に感じ取り、少し先の未来を読む、恐るべき達人の技です』


「……ただのスポーツ心理学の応用さ」


 神々に過剰に褒め称えられ、俺は少し照れくさくなって鼻先を掻いた。


「会得するのに10年以上かかったけどね。俺には才能がなかったからな」

『謙遜するな、フォージよ! あれは貴様が積み上げた血の滲むような努力の結晶だ!』


 真紅の光、オルステッドが熱く語る。


『そして、その『ZONE』が読み取った膨大な周囲の気配を、我が雷神の力である『脳内加速オーバークロック』が、我ら神々の速度基準に合わせて一瞬で処理し、身体へ最適な答えを出した! 貴様の努力と、我々の力が完璧に噛み合った結果だ!』


 黄金の光、トールが誇らしげに締めくくった。


「おおむねその通りだ。『ZONE』だけでは対応できなかったけど、神々からの恩恵もあったしね」


(ふと、今まで獲得したスキルから、該当しそうな項目を思い出す)

========================================

 ・剣術ソードマスタリー

 ・論理構築ロジカル・シンキング

 ・脳内加速オーバークロック

 ・闘争本能バーサーカー・モード

========================================


「静と動、獣と理性。本来相容れないこの2つを、同時に使いこなすのが、『ZONE』の力なわけだ」


 俺はルナと、宙に浮く神々に向けて説明する。


「『論理構築』と『闘争本能』がそれにあたる。それに加えて、『脳内加速』の3つがあったからこそ今回の結果さ」


 俺はそこで言葉を区切り、ふぅと深い溜め息を吐いた。


「……とはいえ、あの短い打ち合いだけで精神力を使い果たして、最後はヘロヘロだったけどな。俺自身、この異世界の身体と力にまだまだ慣れていない。ルナに教えつつ、俺もまだまだ修行が必要ってことだ」


『マ、マスター……! ご自身の泥臭い努力と、神のスキルの連携で……未来を予測していたなんて……!』

(だから、お前のARサポートが悪いわけじゃない。俺の集中力と、視覚情報の相性が悪かっただけだし、燃費も最悪だ。泣くな)


 脳内で安堵してホログラムの涙を流すゼノンを宥めていると、ルナが興奮で頬を紅潮させて俺の袖を掴んだ。


「その『ZONE』……ルナも、やりたいです! ルナも、お兄様と一緒に修行したいですわ!」

「もちろんだ。これは特別な魔法じゃない。俺が何年もかけて実践してきた、誰でも必ず身につけられる一生モノの技術だ」


 俺はルナの目を真っ直ぐに見つめ、優しく微笑んだ。


「キツい修行はいらない。毎日、寝る前の『たった5分』。ある簡単なルーチンワーク(習慣)を続けるだけでいい」

「寝る前の、5分……!」


「ああ。よし、夕食を食べたら、今夜からさっそくその特訓を始めようか」


 こうして、王都の夜は更けていく。

 俺とルナの、寝る前5分の密かな特訓が、今夜からスケジュールに組み込まれたのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!


格上のギルドマスターに勝てた本当の理由。

それは、「才能がないからこそ、10年以上かけて泥臭く鍛え上げた集中力(ZONE)」と、神のスキルの見事なハイブリッドでした!


相反するスキルを同時に使いこなす。フォージの大人としての深みや、努力家な一面が光ります。


次回、いよいよルナへの「ZONE」習得トレーニング編!

フォージが教える『寝る前5分のルーチンワーク』とは一体……?(読者の皆様も、現実で実践できるかもしれません!)


「面白かった!」「フォージの努力に痺れた!」「5分の特訓が気になる!」と思っていただけましたら、ぜひ下の【☆】から評価(RPカンパ)をお願いいたします!

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