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25. お守りの時間

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ジャイアントエイプの車並みの速さの突進を俺ははいはいでいとも簡単に交わした。


ジャイアンエイプは目を丸くして、今起きたことが信じられないという様子で動きを止めた。


ここからは俺のターンだ。

そう、スキル"幼児退行"によって赤ちゃん化した俺の、な。


いつの間にか俺は全裸におむつの状態になっていた。

やはり赤ちゃん化したときの変化ってことか。


赤ちゃん化した沖屋はいとは最強だ。

以前の様々な事象で理解している。

しかし、それと同時に俺の頭でのコントロールが不可能になる。

精神が乗り移られたように赤ちゃん的思考が行動を支配するのだ。

つまり、今俺は制御不能の巨大艦隊を敵前で制御しているかのような状況なのだ。

全く安心はできない。

暴れだした赤ん坊がユリシアを襲うことも考えられる。

だから俺は、せめてその意識に語り掛けるように己の中に飼いだした赤ちゃんをあやさなければいけないのだ。


赤ん坊化した俺はユリシアに目を付けた。


「まんまっ!!」


ユリシアを母だと認識した俺は間髪入れずにユリシアに向かって飛びつく予備動作に入ろうとする。


まずい! これでは早速スキルが裏目に出てしまう!


待て!!

よく見ろ!!

今、お前がママと言って飛びつこうとしている女性はどんな風にされている?


「?」


赤ん坊はその少ない経験値で必死に考え出す。


ままはどうなってる?

よくわからないけむくじゃらに、にぎられてる。

ぼくのままなのに。


相変わらず目の前の女性をなぜ自分の母だと思えるのか理解しがたいが、今は置いておこう……。

再び自身の心の中の赤ん坊に語りかける。


そうだ。

お前の愛する、そしてお前を愛してくれるはずのママは今、あの毛むくじゃらの化け物が独占しているんだ。

お前からお前のママを奪い、ママを食べようとしているんだ。

ママの顔をよく見てみろ。


俺の首はユリシアの顔を見ようと回る。


ままのおかお?

まま、いっぱいないてる……。

まま、なかないで。

ぼくのままなのに……。

ぼくの、ぼくの……。

ぼくのままをとるなぁぁぁ!!!!!!!!


「あう、あう、あう、あ……、あ”ぁぁぁぁー!!!!!!!!」


状況を理解した赤ん坊は、自分の母親が今まさに取られようとしていると判断したようで、ありえないレベルで怒りが高ぶっている。


「ぐぁ?!」


ジャイアントエイプもさっきの俺とは全く違う方向性の敵意と剣幕を察し、体勢を構えている。


よし。

とにかく、赤ん坊の思考をジャイアントエイプへの敵対心に持っていくことに成功した。


俺はほっとする。


赤ん坊はどういう行動を取る??


前みたいに魔法で巨大なおまるを出現させるか……?


と、思ったら、俺の体はジャイアントエイプに向けてはいはいで突進を始める。

いきなり玉砕覚悟で行くのか?!

しかし、その様子は自信にあふれかえっている。


こいつ、まさかこの小さな体で本気で奴と渡り合おうとしているのか……?


確かに赤ちゃん状態の俺の力は未知数だが、本当にいけるのか?

不可能だろ、そんなこと、物理的に考えて。


何倍にも思える対格差で、どうやって……。


そんな心配もお構いないしに赤ん坊化した俺はどんどん距離を詰めていく。


ジャイアントエイプはその様子にほくそ笑む。

やはりこいつは体当たりしかできないほど消耗しきっているのだ。

切り札なんてない。

パンツ一丁でこの巨体にわざわざ自分から当たりに来るような人間を相手にする必要なんてない。


体制を崩し、一気に気が緩んだ様子だ。


ユリシアを見る。

突然、ママのおっぱいが飲みたいなどと言い出し、おむつ一丁になり、ジャイアントエイプの突進を軽々と避け、今度は自分からタックルを仕掛けようとしている俺を見て、もはや全く感情が追い付いていない。

だが、この状況が不安ではあるようで目に両手を当て、ホラー映画を見る子どものようになっていた。


そして、ジャイアントエイプの片足首に俺のタックルがヒットする。


ブニッ……。


鈍く響く音。


何も動かずにその様子を面白そうに見ているジャイアントエイプ。




やはり駄目だったか……。

しかし、待てよ、上等な剣をもってしても傷一つつかなかったジャイアントエイプの皮膚が、……振動している?

人間のタックルで?


その異変に気付いた瞬間、ジャイアントエイプの皮膚は波打ちだす。


(続く)

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