遠征皇国編-21.ネボラVSラーラ
本日は夜勤なので朝に投稿しています。
オレがファン皇帝とやり合い始めたあと、玉座の横に立っていたラーラが動き始めた。
「やれやれ···。せっかくここまでお膳立てしてやったというのに···。あなたたちのせいで台無しよ」
「それは悪い事したな。だが、あなたが小国家に伝え回ったあの柵は素晴らしいものだった。いいものを見せてもらった事に対しては礼を述べよう」
「あら?拍子抜けね。あの小僧のように問答無用で襲いかかってくると思ったのに」
「いかに悪者であっても礼ぐらいは弁えるさ。さあ、あなたは私の命が欲しいのだろう?」
「そうね···。はっきり言ってあなたみたいな下等生物の命なんて欲しくもないし興味もないわね。···いや、むしろ目障りだから見たくないわ。だから···、ゴミ箱に入れてやるわ!」
「そうか···。それは残念だ。まだゴミ箱に入るような年寄りではないのでね。逆にあなたを元の世界に返品してやろう」
「言わせておけば!」
「さあ!行くわよ!!」
ネボラは瞬時に神剣ムラマサを抜刀し、ラーラに斬りかかった!一方のラーラはまったくの棒立ち状態だった。しかも少し微笑んでいたんだ。
ネボラはその様子を怪しんだが、遠慮なしに大上段に振りかぶってから一閃した!
すると、剣はラーラには当たらずにすぐ横に振り下ろされてしまい、玉座を縦に真っ二つにしてしまった!
「なに···?」
「あらあら?どこを狙ってるのかしら?私は一歩も動いてないわよ?あれだけ威勢よかったのに、剣の腕はダメなのね〜!」
「············」
ネボラはすぐにラーラから離れた。ラーラは余裕の表情でいたため、ネボラはこの間にさっきの状況をすぐに分析した。
···どういう事?私の剣は確かにラーラに向けて振り下ろした。
しかし剣はすぐ横にあった玉座を斬った···。狙いは間違ってはいない。
となると···?可能性は2つあるか?どちらか見極める必要がありそうね。
「あら?さっきの一撃でおしまいかしら?なら今度はこちらからいくわよ」
「···いや、少し先ほどの攻撃の状況の分析をしていただけだ。少し···、判断材料が足りないな···」
「うふふ···。分析ですって?あなたの攻撃は私には当たらない···。どう対策をしたところでムダだわ」
「ムダかどうかがわかるのは最後だ。今じゃない」
「なら···、今わからせてあげるわ。なぜなら···、これがあなたの人生の最後になるのだから!」
ラーラの両手が光った!魔法を撃ち込んでこようとしていたんだ!
ネボラはこの状況でも冷静だ。まぁ、コイツは魔法すらぶった斬るからあんまり意味ねえんだよ。
「秘剣、馬蹄滝」
ラーラから無数の魔法が放たれた!しかしネボラは神剣を連続で横薙ぎで振るい、その剣戟による斬撃ですべて斬ってしまったんだ!
「なんですって!?」
「ふむ···、なかなかの魔法だ。しかも途中から属性を変えるとはなかなか器用なことをするな。思わず途中から本気を出してしまったぞ。対人戦闘で本気を出したのは夫以外では初めてだ。これは楽しくなってきたわね!」
「デタラメ過ぎるわね···。ひょっとしてあなた、神なのかしら?」
「いいや?私はれっきとしたこの世界の人さ。まぁ、ちょっと変わった鍛え方をしてはいるがね。では、今度はこちらからいかせてもらおうか。この攻撃であなたの秘密を見極めてやるわ」
「面白いことを言うわね?やれるものならやってみなさい。これまでそんなことをできたやつはいないわ」
「なら私が初めてということになるな。秘剣、菊・5重芯」
ネボラはさっきと同様、ラーラに斬りかかった!そして放った技がラーラに多段ヒットするか!?と思ったが、これもすべて効果がなかったんだ···。
「ふふふ···。ほら言った通りでしょ?ハズレね」
「そうね。確かに攻撃はハズレね。だが、本質は見極めることが出来たわ」
「···なんですって?」
「まったく···。さすが神といったところだな。最初は別の何かに入れ替わったかと思ったのだが。これでは夫でもあなたを倒すことはできなかっただろうな」
「···どういうことかしら?」
「最初に結論を言わせてもらおうか。ラーラ、あなたは···、この世界とは別の同じ世界を行き来できる」
「············」
「以前師匠から聞いたことがある。『世界にはこの世界とまったく同じの別の世界が存在ことがある』とな。まるで鏡に写したような···。
そう、カッコよく言えば『鏡面世界』といったところかな?だからここにいるように見えるがこの世界にいないから攻撃が当たらない。
さらには攻撃が当たろうとした時にあなたの存在を避けようとする力が働いて攻撃が外れてしまう。これが···、攻撃が当たらない理由だ」
「···なぜ気づいた?」
「先ほどの攻撃は一撃で5回の効果がある。1回目は攻撃の位置がズレ、2回目は当たる寸前で攻撃の感触が途中で消え、3回目は攻撃は当たったものの、やはりズレていた。4回目、5回目はその繰り返しだ。感触が消えても実体はあった。となると、師匠から聞いた鏡面世界に逃げ込んだ···。こう考えるとつじつまが合うのだよ」
「···驚いたわ。たった1撃でまさかそれに気づくなんて。そしてその知識を与えたという師匠は何者かしら?異世界の神?」
「さあ、どうなのかしらね?変わり者だとは思ってはいたけど、案外そうなのかもな」
この時、ネボラはウソをついた。本当は自分の師匠が異世界の神って知ってたけど、言ってもあまり意味はないからこう答えたんだろうな。
「ふふふ···、ははは!あーははは!!」
ラーラが笑い始めた。ネボラは構えを崩さずにラーラを見つめている。
「今まで誰にも見破られたことがないのに···。私と同格の神ですら気づくことはなかったのよ?それがなに?下劣な下等生物ごときに1回の攻撃で見破られただなんて···。今までの神のバカさ加減にあきれて笑えるわ!」
「············」
「ええ!お見事としか言いようがないわね!私の最大の秘密···。それを知られてしまった以上···、テメェを生かしておかねえぞォーー!!」
ラーラの言動が変わった!余裕の笑みも消えてすさまじい怒りの形相になったんだ!
「ほう?それが貴様の本性だな?ということは、今までは自分自身も鏡の中の世界でヴェールをかぶっていたのだな?」
「ガハハハ!!おしゃべりはここまでにするぜ?どうやらうまく使ってやっていたファンがやられたようだし、もう偽りの姿でいる必要もねえ!!」
「そういう事か。貴様がここの黒幕というわけだな?」
「ああ!そうだよ!ファン自身が立てた作戦で成功したところをかっさらうつもりだったのによぉ〜。余計な手間増やしやがって!!」
「ははは!いい気味だ。せっかくだから貴様がこれ以上手間を増やすことがないようにしてやらないとな!」
「はっ!できもしないことを堂々と···、言うなぁああーーー!!」
本性を現したラーラがネボラに一気に近づいた!ネボラは神剣で受けようとしたその直後!
「ぐっ···!?」
なんと!?ネボラの背中が斬られたんだ!
「ははは!いい気味なのは貴様の方だよ!私の攻撃は予測不可能だからな!!」
ネボラは背中から血が滴っていた···。キズは結構深そうだったんだ···。
しかし···、ネボラの目は諦めるどころか···、獲物を狩ろうとする獣のようなギラギラした目になっていた!
「···やるじゃないか。私の背後を鏡面世界から攻撃したというのだな?」
「その通りだ。だが、知ったところで対策など取れんぞ!」
「いや···、そんな事はない」
「なに?」
「まったく···。師匠は私がラーラと戦うと予測してたような気がしてきたぞ。まさかこの技を使うことになるとはな。次の一撃だ···。次の一撃できめる」
「なっ!?ハッタリに決まってる!」
「では指をくわえて見ているがいい。私の···、もう一つの奥技を!」
ネボラが神剣を構えた!そして次の瞬間···!!
今回の黒幕はラーラでした!
なんというか、神様って結構奪い合いや騙し討ちが多いんですよね。というのも、神様なので『オレがルールだ!』ってな連中ばっかりなんですよ。ルールもへったくれもないので、相手を手段選ばずに倒してしまえばOK!ってな考えになってしまうので、人同士の争いよりも過激になってしまうんですよ。
そしてラーラは次元を越える能力を持っていました。そのために物理攻撃が当たることがなく、さらには次元を越えて攻撃までしてくるので始末に負えません。
そんなラーラを倒せる皆伝奥技がネボラさんにはあるようでした!ここからはもう次回予告ですね!
エマさんがネボラさんに教えた皆伝奥技がラーラに炸裂!そしてラーラからは今回の侵略を企んだ黒幕がいることを示唆されてしまいます。
明日は通常通り21時過ぎあたりの投稿を予定しております。
それではお楽しみに~!




