遠征皇国編-11.見過ごせるほどオレはクズじゃねえ!
ピムエムを出てブンソーの様子を見に来たんだが、そこはとっくに皇国軍によって占拠されてたんだ。
そしてオレの目の前で狼藉をはたらこうとする皇国軍がいたんだ!本来なら人同士の争いに介入しちゃいけねえんだけど、見過ごせるほどオレはクズじゃねえ!
「必殺!疾狼剣!」
「な!?ぐわっ!?」
「げひゃ!?」
「おがっ!?」
「安心しな。鈍器モードの魔力剣だからな。死ぬほど痛いだろうけど、因果応報だからな」
もちろん手抜きで相手だ。いくら鈍器モードでも当たりどころが悪かったら命に関わるからな。
「あ···、あ···」
襲われてた人が何か言おうとしてるが···、状況がよくわかってねえようだった。まぁ、殺されるって思ってただろうから仕方ねえか。
「大丈夫か?こいつらはしばらく動けねえから、今のうちに逃げたらいいぞ」
「あ···、ありがとうございます···」
「そんじゃあな。オレも急いでるんでな」
「ちょ!?ちょっと待って下さい!」
「ん?なんだよ···?」
「ほ···、ほかにも捕まってる人が···」
「············」
···やっぱこうなるよなぁ〜。
ほかの小国家も同様になってるかもしれねえんだけど、ここを見過ごして犠牲者が増えるってのも後味悪いよなぁ〜。
「急いでるって言っただろ?さすがに全員はムリだぞ?」
「あ、ありがとうございます!ここの集落より奥にも皇国軍が進んでいて···。そこで捕らわれているみたいです」
「みたいって···。あのな?急いでるって言っただろ?不確定な情報だと探すのに時間かかるじゃねえかよ?それじゃあさすがに付き合いきれねえぞ」
「そ、それは···」
「はぁ〜···。とりあえず、皇国軍がこの奥に行ったってのは間違いないんだな?」
「は、はい···」
「そんじゃあ、皇国軍は追っ払ってやるから、捕まった人たちはあんたたちでなんとかしろ。それならやってやる。ただし、皇国軍を追っ払ったらおそらく野盗になるから、見つけたら集団で倒せ。でないと命がないぞ」
「わ、わかりました···」
あんまり介入したら面倒ごとになっちまうからな。ある程度大きく譲歩してこれが限界だろう。···って、もう面倒ごとに巻き込まれちまってるけどな。
とりあえずこの奥に行ったっていう皇国軍を追った。ピムエムを襲ったぐらいの人数ならそんなに時間はかかんねえだろう。見つけ次第に張っ倒してやる!
集落の中にも皇国軍はいた。とりあえず背後から襲ってぶん殴る。そして追っかけると···!いた!
背後からバックアタックだ!
「必殺、鎌風怒涛!」
斬撃を無数に飛ばしてやった!って言っても斬れねえから衝撃波みたいなものだけどな。
「「「「うわーーー!?」」」」
さて、吹っ飛ばして残った兵器も壊しておくか。こんだけやってたら集団でボコれば大丈夫だろう。
余計な時間を食っちまったな。さらに進むぞ!
次は『メトドス』だな。ブンソーから向かう道も例のごとく倒木だの落石、橋が落ちてるとか···。
ピムエムとブンソーを結ぶ道と一緒じゃねえか···。同じ事やってるってことは、もう皇国軍がやったって言ってるようなもんじゃねえかよ···。
もちろん、橋以外の倒木や落石は片付けておいた。橋だけはどうにもできんからな。
そうそう!街道を走ってたらブンソーに向かう商人がいたので、『橋が落ちてて通れない』って伝えておいたぜ。橋まで行って引き返すのも大変だしな。
そしてメトドスに着いたのは夕方になっちまったんだ。
メトドスにつながっていたのは皇国から少し離れた場所のようだった。どうやらここには皇国軍は来てなかったんだ。
ただ、通常の警備じゃねえってのは雰囲気でわかった。ピリピリしてたんだよ。
「···ん?貴様、見かけん顔だな。何者だ?」
そう言って槍をこっちに向けてきやがったんだよ···。思いっきり怪しい人物扱いされちまってるって事は、厳戒体制なんだろうな。
「槍を下ろしてくれ。オレはピムエムから来たんだ。ピムエムの代表のロッコさんから手紙も預かってるんだ。これをそっちの代表に渡してくれねえか?」
「ピムエムからだと···?」
「ああ。手紙の内容は結構急ぎらしいんだけど?」
「···見せてみろ」
「ほら」
門兵が槍を下ろしたので、オレは手紙を渡した。
「ふむ···。確かに封筒にはピムエムの正式な判が押されてるな。···なんだと!?」
「とりあえず手紙を渡すのがオレの仕事でな。そんじゃあ次のところに急がなきゃならねえんだ。あばよ!」
「待て!もう夕方だ。今から先に行っても深夜で相手してもらえないぞ。ちょうどいい。ここの代表にこの件を話すので、説明願えるかな?宿はこちらで用意しよう」
「···え?説明?」
「ああ。今、皇国に一番近い集落が皇国軍に襲撃をされてると連絡があってな。全軍が向かってるのだ。この情報は少々遅かったかもしれんが、我が軍のとっても有用な情報だ。これから使いを急いで出すので、ここで待っててくれ」
「マジか···。まぁ確かにもう日が落ちたし、おっちゃんの言う通りか···。待たせてもらうわ」
「ありがとう。その間に手続きをしておくよ」
今日1日で回りきれなかったな···。早く帰るって言っちまったけど、明日には戻ればいいかな?
そして1時間ほど待ってると、1台の馬車がやってきた。
馬車からは···?出てきたのは少年だったんだ···。
「おい!お前だな?ピムエムから来たというのは」
「ん?そうだけど···。お前は?」
「ちょ!?あ、あの!」
オレの横にいた門兵が急に慌てだしたんだ。なんかオレ、やっちまったのか?
「おっちゃん?何かあんのか?」
「こちらはこのメトドスを治めてるクティ様だ!」
「···え!?あ、あんたが王様ーー!?」
「失礼なヤツだな!ぼくが王様で悪いのかよ!?」
「い、いや···。悪い。オレが間違ってた」
まさか王様が少年だったなんてな···。これはオレの思い込みがいけなかったな。
「わかればいい。それでだ。このロッコが言ってるワナとはなんだ?」
「こっちにも旅人が来たんじゃねえか?そいつが防壁とかの作り方を教えたと思うけど」
「ああ!彼女の事か!···まさか!?それがワナなのか!?」
「その通りだ。皇国軍にあれは通じねえ。簡単に破壊して押し寄せるぞ。ピムエムはなんとか対処できたが、隣のブンソーは壊滅状態だ」
「···そうか。こちらを安心させておいて、それを超える武力で飲み込もうということか。先ほどの無礼はなかったことにしてやる!おい!すぐに対応を!今向かってる軍に急ぎ知らせろ!それと第2陣をすぐに出撃させるんだ!」
「はっ!」
そう言って1人の兵士が走り出した。とりあえずオレのここでの仕事は終わりだな!
ところが!
「その方、今日はここで休むがいい。賓客としてもてなすぞ!」
「···え?賓客?」
「その通りだ!このまま返してはピムエムに借りを作ってしまうからな」
まさか···、宿って普通の宿じゃねえぽいな。
基本的にレオくんは小国家がどうなろうと知ったこっちゃありません。人同士の戦いには介入しないからです。
ですが、やっぱり一方的にやられているのを見てしまうと仲裁に入るのは人として当然です。とりあえず止めるだけで後は知らんというスタイルですね。
でないと収集がつかなくなるからです。
レオくんの力はそういったものに使われるわけにはいかないんですよね。ですので介入は最小限にとどめています。
さて次回予告ですが、賓客としてもてなされることになったレオくんですが、どうも様子がおかしいんですね。どうおかしいのでしょうか?
明日は某戦車アニメの4DXを観に行く予定ですので、投稿時間が上映終了後の22時過ぎを予定しております。
あらかじめご了承くださいね!




