遠征皇国編-9.共有能力の応用
ついに始まってしまったクマトリ皇国の内戦!まずは先制攻撃をしかけたんだが、相手が未知の矢を使って攻撃して戦線が崩壊してしまったんだ!
このままだとこっちがやられちまう!そう考えたネボラはオレと一緒に前線に出た!子どもたちは負傷した兵士たちの回復に回ってもらった。戦線立て直さねえといけねえからな!
「レオ!さっきの雷魔法を頼む!その後は各個撃破でいくぞ!」
「おう!そんじゃあデカいのを1発いくぜ〜!ネボラ!オレが合図したら高めにジャンプしろ!」
「ああ!」
「ライトニングフィールド!今だ!跳べ!」
オレが魔法を放ってすぐにネボラに跳ぶよう指示を出した!次の瞬間!
バチバチバチ!!
「「「「ぎゃぁーーーーー!?」」」」
思ったとおりだ!地面に流した雷魔法は皇国の全身鎧を来ていた兵士に通じた!
···え?これって『歩幅電圧によって感電した』って言うのか?アキ?へぇ〜!500年後に理屈がやっとわかったぜ!
じゃあ話を戻すぜ。
「秘剣、速連花」
「必殺!疾狼剣!!」
ネボラは神剣ムラマサの刃のついてない側で遠慮なく全身鎧の兵が着ている鎧の隙間を狙って攻撃を繰り返した!オレはパワーで鎧を叩き壊して気絶させていったんだ。
ただ、いかんせん人数が多すぎた!なかなか奥に進むことができずにいたんだ。魔獣相手だったら大規模殲滅魔法ですぐに終わるんだが、相手は人で、利用されてるだけだ!なるべく命は取りたくはないからな。どうしても進軍速度が落ちてしまう!
一方のネボラも疲労してきたみたいだ!どうする!?そう思ったその時だった!
『パパ!ママ!いったん戻って!矢の一斉射撃をするよ!』
頭の中にいきなり声が響いたんだ!
「んなっ!?こ、これは···!?レグスか!?」
『うんっ!共有能力を応用してみたんだ!』
「マジかよ!?オレですらこんな応用考えられねえのに!?おいネボラ!聞こえたか!?」
「ああ!退くぞ!」
「おう!」
オレはトランス状態になって、ネボラをお姫様抱っこしてすぐに退いた!そして戻っている最中に一斉射撃が始まったんだ!
「ぐわっ!?」
「ぎゃっ!?」
オレの雷魔法で感電してしびれて思うように動けないところに矢の一斉射撃を受けてしまったので、皇国軍はかなりのダメージを与えられたようだな!
そしてオレがネボラを集落まで戻ると、レグスたちが傷ついた兵士たちにかけていた回復魔法を終えて戦闘準備を整えていた。
「パパ!お待たせ!ぼくたちも出るよ!」
「いいんだな?」
「うん!早く終わらせよう!」
「よし!フェア!3人がいない場所に魔法を撃ち込んでくれ!レグスは右側、アルとルエルは左側を頼む!オレは中央を狙う!気をつけるんだぞ!」
「「「「はいっ!!」」」」
そこからはほぼ無双状態だ。子どもたちはトランス状態で皇国軍に襲いかかってやった。途中でピムエム軍が立て直したので、そこでオレたちの攻撃は終了したんだ。
というのも、ネボラから『この戦いはピムエム軍が勝利したという実績が必要だ。私たちが全部やってしまうと、ピムエム軍がクマトリ皇国を倒した時にほかの者たちから信用されなくなってしまうからな。私たちはあくまでお手伝いだ』って、共有能力を利用して伝えてきたんだ。
バトンタッチしたピムエム軍は皇国軍に対して優勢で、最終的にはピムエム軍の勝利に終わったんだ···。
オレたちは集落の物見櫓から戦況を見ていて、勝利の報告をそこで聞いた。
ロッコさんはホッとした表情になったが、ネボラは難しそうな顔のままだったな。
そんな表情をしているネボラに、ロッコさんは話しかけた。
「ネボラさんたちのおかげで皇国軍を退けられました。ありがとうございました!」
ロッコさんに話しかけられたネボラは、いったん難しそうな顔をやめてロッコさんに向いた。
「いや、こちらとしても皇国軍がどういったものか?が知れてよかった。しかし···。予想以上に『外の理の者』の技術が使われているな···」
「そうですね···。これもファン皇帝とラーラの作戦なのかもしれませんね」
「一見、勝てる見込みの策をこちらに出して勝てると思い込ませておいて、それを皇国軍が簡単に破壊して絶望させて殲滅する···。なかなか悪趣味なやり方だな」
「ラーラが敵だと気づいてなければその通りですね。ただ、私も分かってても楽観していました。ネボラさんたちがいなかったら、今ごろ···」
「これも運命だな···。私たちとしてもほかの小国家の内戦を止めたいと思うのだが···」
「お気持ちはわかりますが、おそらく皇国軍は一斉に内戦を仕掛けてると思われます。ですので間に合わないかと。ここに来た軍は500程度。おそらく私たちがワナにかかってるという前提で、少ない人数でも殲滅ができると判断したのでしょうね」
「だろうな···。さて、今後はどうする?」
「いったんここの防備を固めましょう。少なくとも襲撃前にはしたいですね。ただ、兵達の休息も込みで4日ほどは動けないかと···」
「わかった。では、私たちも手伝わせてもらおう。こうなった以上、ファン皇帝を討伐するまで付き合わせてもらおうか」
「ええ!こちらこそ!サポートお願いしますね」
とまぁ、こんな感じで話はまとまったんだ。
ぶっちゃけて言えば『めんどくせえ!』なんだが、相手が一国の皇帝だ。確かにオレたちがそのまま殴り込みに行けば送還は可能だが、そうしてしまうとオレたちはお尋ね者になっちまうし、大混乱に陥った国が魔獣によって滅ぼされる可能性が高くなっちまう。
となると、正当に皇帝を倒して別の小国家が乗っ取れば多少の混乱だけで済むだろう。
本当ならほかの小国家にも手伝いに行きたいんだが···。皇国が一気に潰しにかかってるとなると、もう間に合わねえんだよなぁ〜。
どうすっか···?様子だけでも見に行くか?
「おい、ネボラ?オレがほかの様子を見に行ってこようか?」
「ん···?そうだな···。レオ1人なら問題ないかもな。頼めるか?」
「いいぜ。そんじゃあさっそく行ってくるわ!」
「待て、レオ!」
「なんだよ···?」
「どこに行こうと言うのかね?」
「皇国の周囲だろうが?」
「どこに集落があるか知ってるか?」
「···あ」
「すまんがロッコさん?もし地図があるならレオに貸し出すか閲覧させてもらってもいいかな?」
「ええ。持ち出し厳禁なので、別の紙に書き写していただきますけどね」
「というわけで、出発は明日にしておけ。今日中に準備するぞ」
「わかった。···ちょっと焦っちまった」
「気持ちはわかるがな···。闇雲に歩くより効率はよくなるから、結果的に時間短縮になるぞ」
というわけでネボラと子どもたちはここの防備の強化を手伝うことになり、オレは単独で皇国の周囲の様子を見に行くことになったんだ。
この時の経験が、このあとの神狼族の集落作りの参考になったんだよなぁ〜。
レオくんが使った魔法は地面に落雷した際に感電する理屈ですね。雷の電圧がすさまじく高いために、両足の間隔程度の電位差(電圧)で感電する電流が流れてしまうんですよ。
ちなみに電線に留まってる鳥にも同じく歩幅電圧はかかりますが、電線の抵抗値が低いことと、電線の電圧が低いために感電しないんですね。
さて次回予告ですが、レオくん1人でほかの小国家を回ることにしました。
ところが向かう道中、大量の倒木が道を塞いでました!さらには橋も落ちていて···。
無事にたどり着けるのでしょうか?
明日は会社の飲み会があるため、もしかしたら投稿時間がズレるかもしれません。あらかじめご承知おき下さい。
それではお楽しみに〜!




