遠征皇国編-8.クマトリ皇国内戦勃発!!
「ママ?今回は人と戦うの···?」
「ちょっと嫌だな···」
「でも、人同士の争いだから、仕方ねえんじゃねえか?おいらだってやりたくねえんだけど···」
「ママ?おれたちはどうしたらいいの?」
子どもたちは今回の内戦に参加することに対してはちょっと否定的だった。
レグス、フェア、ルエルはかなり難色を示し、アルは状況はわかっているものの、どちらかと言えば否定的な考えだな。
そりゃそうだろう?オレたちは魔獣を倒して平和な世界にしたい!って思いでやってきてたんだ。子どもたちもその意志を継いでくれている。
だけど、今回はその守るべき人が相手なんだ。戸惑うのもムリねえよなぁ〜。
だが、ネボラは不安がる子どもたちに向けてこう言った。
「みんなの考えは正しい。だが、これは戦争だ。人間、誰しも意見が合わないなんてのは日常茶飯時だ。だからこそお互いが歩み寄れる落としどころを探すということを大人はするのだよ。だが···、今回は歩み寄れる余地は一切ない。それは、人同士が争い戦って死ぬことを目的としているからだ」
「「「「············」」」」
「だが、私たちはクマトリ皇国の兵士の命を必ずしも取らなければならないわけではない」
「「「「···え?」」」」
「このあと戦いになるが、相手を屈服させてしまえばいいのだ。つまり、戦闘不能状態にしてしまえばいいのさ」
「戦闘不能状態···?」
「そうだ、レグス。レオ?魔力剣は切れ味をなくすことも可能なのだよな?」
「···ん?ああ、そうだけど」
「というわけだ。みんなには戦闘が始まったら、相手の兵士たちを殴り、蹴り、そして魔力剣で叩いてしまえばいいのさ。まぁ、当たりどころが悪かったら命に関わることもあるが、その場合は事故だから気にするな。少なくとも骨折させてしまえば動けなくなるだろう」
「おいおい···?そんな物騒な事を言って、子どもたちは納得しねえだろうが?」
「じゃあ言葉を変えよう。首、目は避けて攻撃だ。試合と同じだ。これなら問題あるまい?」
「お前はいっつもオレの首を容赦なく斬ってくるのに···。説得力ねえよ」
「いや?そうでもなかろう?」
オレが子どもたちを見ると···?
「···わかった!」
「命を取らないように攻撃したらいいのね!」
「力加減が難しそうだなぁ〜。でも、それも強さのうちなんだろうな!」
「試合の感覚でやったらいいんだね?わかった!」
「ほら?レオ?子どもたちは物わかりがいいぞ〜!」
「へいへい。まぁ、ピンチになったらオレとお前でフォローに回るってことでいいな?」
「ああ。さて···。相手はどう出るかな?」
一方、クマトリ皇国では···。
「陛下。準備が整いました」
「わかった。では、明後日の日の出前に仕掛ける。兵士たちにしっかりと休養を取らせるように」
「はっ!」
「そう言えば例の外国人はどうなった?」
「はっ!それが···、ピムエムに向かったまま帰ってこない状況で···」
「そうか···。この国にいる間に始末したかったが、罪状もなく拘束するわけにもいかないから仕方あるまい。ピムエムについたのだろう?見つけ次第殺せ」
「はっ!」
そして、この2日後の日の出前に···、内戦が勃発した!
カンカンカン!カンカンカン!
「予想通り、みんな眠そうにして動きの鈍いこの時間にやって来たな」
ネボラには作戦がお見通しだった···。
『私が攻めるならこの時間だ。相手の準備が整う前に潰す。これが一番兵を消耗せずに済むからな。おそらく明後日ぐらいじゃないか?今のうちに早起きに慣れておけ』
なんて言ってたので、こっちは準備万端の状態だ。そもそも子どもたちは早朝に起きて鍛錬をやってるから、早起きは得意なんだよ。
このネボラの意見にロッコさんも同意していたので、兵士たちもすぐに戦闘態勢に入った!
「放てーーーー!!」
ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!
まず迎撃第1弾は無数の矢だ!もちろんすべての矢に火を灯しているので、当たらなくても敵陣側が明るくなるから狙いやすくなるんだ。
それに、火を点けているから鏃はなく、油を染み込ませた布を丸めてある。思いっきりブレてしまうが、第1射は攻撃目的ではねえから問題ない。
着弾すると、兵たちの全容が明らかになった!みんな全身鎧をつけてやがった!しかも動きが素早いぞ!?
全身鎧は文字通り全身に金属の鎧を着けているから動きが鈍い反面、防御がスゲえから突撃にもってこいなんだよ。
しかも素早いって事は···。ファン皇帝の世界の技術力か?もしくは全身鎧に見せたフェイクか···?
ちなみにオレたちは門に近い場所にある作戦司令の物見櫓にいる。だからオレたちも戦況はよく見えたんだ。
「ふむ···。全身鎧は骨が折れるな···」
「お前の場合は物理的に本当に骨折るだろうが···?」
「まあな。騎兵も見た目は重装備だ。だが、速度からして金属なのかは怪しいな」
「んで?どうすんだ?」
「とりあえず第1弾の一斉攻撃が終わるまで待機だ。私たちが戦場に出てしまえば遠距離攻撃ができないからな」
「そうだな···。だったら魔法でも撃ち込むか?」
「それもいいな。レオ、雷系魔法はいけるか?全身鎧なら貫通するだろ?」
「確かにな。やっていいならぶっ放すぞ?」
「ロッコさん?レオの魔法を撃ち込んでもいいかな?」
「許可するが、もう少し引きつけてからのほうがいいわね。私が合図したら撃ち込めるよう、準備をお願いできるかしら?」
「了解だ。とりあえず感電させて動けなくする程度でいくぜ!」
「みんなもレオの魔法の加減をよく見ておくんだ。あまり強いと命を奪ってしまうからな」
「「「「はいっ!」」」」
オレは魔法の準備を始めた。まぁ、すぐに撃つこともできるが、ある程度の準備時間があると精度が上がるからな。
すると、皇国側からも攻撃が始まった!向こうも矢を放ってきた!だがこっちは盾も準備済みだ。一度矢を放てば次の攻撃まで時間があるから、その間に第2弾の攻撃をするぞ!
しかし!?
ズドドドドド!!
なんだこりゃ!?ただの矢だと思ってたら爆発しやがったぞ!?ちなみに物見櫓にも矢が来たが、それはオレのとっさのバリア魔法で防ぐことはできたんだが···。
こっちはさっきの爆発で土煙がもうもうと上がって見通しがまったく効かない!このままだと土煙が晴れるまで攻撃できねえぞ!?
そう思ったら!
「レオ!風魔法だ!土煙を相手側へ!」
「その手があったか!そんじゃあぶっ飛べぇーー!ジェットブロー!!」
風魔法で土煙を押しやった!ついでに砂や石も途中で混ぜてやったから、皇国側も大混乱で身動き取れねえだろ!
そしてジェットブローで土煙を押しやった結果···、柵は破壊され、盾で防いだ兵士たちはそれなりにキズを負ってしまったようだった。
矢の先端に魔法を施してやがるなんて···。ただ、幸いなことに威力はそこまで大したことなかったのでケガ人が続出した程度で済んだな···。
「くそっ!皇国め!こんな新兵器を用意していたとは···!」
「ロッコさん!ここからは私たちが出る!レグス!フェア!アル!ルエル!全員で負傷者に回復魔法をかけるんだ!戦線を立て直すぞ!」
「ネボラ!オレも出るぜ!」
「ああ!私とレオで戦線をこれ以上進めないように足止めしてくるぞ!」
「わかったわ!気をつけて!子どもさんたち!お願いね!」
「「「「はいっ!!」」」」
ここからは戦線をを整えるまでオレとネボラが前に出て戦うことになったんだ。
今回のお話でネボラさんが言った『誰しも意見が合わないなんてのは日常茶飯時だ。だからこそお互いが歩み寄れる落としどころを探すということを大人はするのだよ。』ですが、これ実際作者はできてません(笑)。
まぁ理想はそうなのですが、世の中には言葉が通じない・常識が通用しないという大人がめっちゃ多いんですよね。それに落としどころと言っても、相手の事を知ってないとどこに落としどころを持っていくのかがわからないんですよ。
しかもねぇ〜。そういう行動をしようとすると、相手はマウント取って言いたい放題好き勝手要求してくるんですよ。お互いウインウインなんて考えてくれるような人は極わずか。とても対等な関係とは言えないのがほとんどです。『使ってやってるんだありがたく思え』とか『こっちは金払ってんだぞ!』なんて当たり前に言ってきます。
ですので、一線越える場合はきっぱり断ります。でないとこちらがやられてしまうからです。まぁ、あとでこじれて怒られることありますけどね···。
とまぁ(かつての)仕事のグチ(笑)は置いといて、ネボラさんは子どもたちに世渡りの術を教えてました。ネボラさんも元女王でしたから、それなりに苦労はしてますしね。好き勝手やってましたけど、今思えばストレス発散だったのかもしれませんね。
さて次回予告ですが、戦線が崩壊したピムエム側でしたが、レオくんとネボラさんが介入して立て直しに成功します!その際にレグスくんがちょっとした能力の応用技を使いますよ〜!どんな能力でしょうか?
それではお楽しみに〜!




