遠征皇国編-3.服選びで大騒動!?
「ほう!?これはなかなかの品ぞろえだな!」
「いらっしゃい!何が欲しいんだい?」
「防寒着と普段着だな。数着考えてるんだが。子どもたちは少し大きめ、旦那は普通のサイズで見繕ってくれるか?」
「いいよ!あんたはきれいな銀髪だから···、これなんかどうだい?」
「おお!いいな!私の好みだ。買った!」
「ありがとね〜!次は···」
服屋にやって来てから、ネボラは大はしゃぎだった。そしてほかの店員さんが子どもたちとオレを使っていろいろ服を見繕ってくれたんだ。
服屋ってそんなに品揃えがいいってイメージがなかったんだ。新品の服ってのはそんなになくて古着がほとんどだ。ダメになった服はボロ布にして掃除とかいろんな使い方がされるんだ。
ここは結構新品の服が多かったな。やっぱり栄えてる国だと豊かだよなぁ〜。
ただ、この豊かさがまやかしって可能性が高いんだ。外の理の者が仕組んでいるかもしれねえからな。
だけど、服には罪はねえからな。利用するだけ利用するか!
「うわ〜!この服かっこいい〜!」
「この色、あたし好き〜!」
「おっ!?この服って丈夫そうだな〜!」
「この服、すべすべして気持ちいいなぁ〜!おれはこれにしようっと!」
子どもたちは思いっきり服選びを楽しんでいた。レグスはデザインを、フェアは色、アルは丈夫さ、ルエルは肌触り重視で選んでいるようだった。
その様子を店員さんは微笑ましく見ていたな。ここの店のスゲえところは、ズボンに獣人用のしっぽ穴がちゃんとついているってところだ。
「ズボンをはく時にしっぽ穴のところにあるボタンを外して、そしてはいたらしっぽの上でボタンを留めるのよ〜。こうすることでしっぽの付け根でもズボンがズレないようにしている最新デザインなのよ〜!」
「ちなみに脱ぐ時はしっぽを垂れさせてからそのまま脱げばいいわ!便利でしょ〜!?」
いや、確かに便利だわ!今までは降臨した時に着ていた服以外は、はいていたズボンはしっぽ穴がなかったから無理やり開けてたんだよ。
はく時は途中まではいてからしっぽをズボンの穴に通してからはいてたんだ。穴の位置が悪いとしっぽが痛くなっちまうから、結構穴を開ける時は気をつけたものだったな。
いくつか失敗しちまって当て布で補修したけど···。
しかし、獣人のしっぽ対応の服があるとは思わなかったなぁ〜。普通の人族の服にしっぽ穴を開けるのが常識だからな。でないと、しっぽ穴の服をしっぽのない人族が着ちゃうと丸見えになっちまうしな。
というわけで、オレも買うことにした。子どもたちと一緒に選んでいると···、
「そこの一番大きいお兄ちゃんはちょっと大きいからこっちのコーナーにあるわよ〜!」
「···あ、どうも。ちなみにオレは子どもたちの父親です」
「···え!?ご、ごめんなさい!失礼しました!」
···ま、いいけどな。背が低いから一番上の兄って思われちまったぞ。子どもたちよりも背が15センチ高いぐらいだからな。
ってかさっきネボラがオレを指さして『旦那』って言ってただろうが!?冗談だって思われてたのかよ···?
オレのサイズの服のコーナーにも獣人用の服がいろいろあったな。これは買っておくことにしよう。
そして上着のコーナーを見ると···、なんだこりゃ?
「すいません。これって···?」
「ああ〜!お父さん、なかなかいいものを見つけましたね〜!こちらは大人気の『着ぐるみフード付きパーカー』ですね!」
「···は?着ぐるみ?」
そう。オレが今手に取った服は、ただの上着に頭がすっぽり入る袋っぽいものがついており、さらにその袋っぽい部分に目と鼻、そして犬耳っぽいのがついてたんだよ···。これが着ぐるみ···?
「ええ!人族でも簡単にかっこいい獣人みたいに見えるということで、今皇国で流行し始めてるんですよ〜。せっかくですからお父さんも試着してみますか?」
「え?···これを?」
ちょっとこれは恥ずかしいんだけど···。そう思ってたら···!?
「パパ!着てみて〜!」
レグスがそう言ってしまったんだ···。まぁ仕方ねえか。着るだけならな。
そう思って着てみると···?
···意外と着心地がいいぞ。それにこの袋みたいなもの···、フードって言ってたな。これ被ってると頭があったかいから寒いときなんかはいいかもな。
ただ、被ってると耳と頭の上の丸っこい狼耳が隠れちまうから、周囲の音が聞き取りづらくなっちまうな···。町中はよくても狩りにはちょっと使いづらいか···。
そう思っていると!?
「パパ!かわいい〜〜!!」
「それ!あたしも欲しい〜!」
「かわいいパパなんて初めて見たぜ!」
「パパ!それ買っちゃおう〜!」
「···へ?かわいい?」
子どもたちには大人気な服のようだった。ちなみに振り返るとそこには大きな姿見があったんだが···。
ちょっとこれはないわ〜!やっぱり子ども用の服だろうが!?
そして脱ごうとしたその時!?
「あははは!レオ!その格好!お似合いじゃないか!?」
「何言ってやがんだよ!?これは戦闘向きじゃねえから買わねえぞ!」
「レオこそ何を言ってる?私は普段着を買うと言ったのだぞ?部屋着にはちょうどいいじゃないか?」
「こんな恥ずかしい服を着ろと!?」
「ああ。ちなみに店主?これと似たデザインの服はあるか?」
「はい!ありますよ〜!ペアルックですね〜!」
「ははは!夫婦揃ってこういうかわいい服を着るというのもいいな!店主!子どもも気に入ってるようだから全員分を2着ずつ仕立ててくれ!」
「ありがとうございます〜!ぜひ一家で来てそのまま町中を歩いて流行を拡げて下さいね〜!」
結局この服屋で1時間以上滞在して一人当たり10着も買い込んでしまったんだ···。
お会計の台には載せきれないほどの服が山積みになっちまったけど、全部オレの無限収納リュックに仕舞い込んだら···、
「お客さん!?とんでもないもの持ってるのね!?マジックバックかい!?」
「ん?ああ、これはもらいもんだ。悪いが金積まれてもやれねえからな(神器だしうちの一家以外だと使えねえけどな)」
「そ、そうですか···。残念ですけど、たくさんお買い上げありがとうございました!」
こうして服屋での買い物は終了した。とんでもねえ服まで売ってるとは思ってなかったが、オレ以外はみんな満足顔だったな。
「思っていた以上に文明レベルが高いな。しかもかなりニッチな需要まで取り込もうとしている商魂たくましさは理解できたぞ」
「オレとしてはあんな服は着たくないけどな···」
「いいじゃないか。こうして一家全員着ぐるみフードパーカーを着ていれば、仲良し家族と思われて警戒心が薄れるぞ!」
そう、今オレたちは全員さっきの着ぐるみパーカーを着て歩いてるんだよ···。人族が獣人の格好したいだけの服なのに、獣人のオレたち(ネボラ除く)が着たって意味ねえだろうが···。
ただ、周囲の目は微笑ましいものだった。ある意味警戒されずに済んでるのか···?
女性の方だと服を選ぶのってめっちゃ時間かかりますよね~!
作者が最近服を買うのは、作者が温泉ソムリエという資格を知ったきっかけとなった声優さんがナレーションをやっている某ファッションセンターさんなのですが、商品が多いので男でも結構時間かかりますね~。
そしていい服を見つけてもサイズ違いだった···orz、というのもよくありますね(笑)。ちなみにサイズはMかLですよ。
ネタバレ集でもご紹介いたしますが、今回登場した着ぐるみフードパーカーはこの服屋さんで扱っていた昔の某アニメのコラボ商品で、現在も作者は部屋着で使っています。ちょっとこれで外を歩くというのはおっさんだとまずいと思いますのでね(笑)。
さて次回予告ですが、大量の服を買い込んで着ぐるみパーカー着用状態で宿に戻ってきたレオくん一家ですが、部屋に入ると予想通り何かを仕掛けられていました!何があったのでしょうか?
それではお楽しみに~!




