遠征旅立ち編番外編-5.ネボラの過去 その5
本日も商船三井さんふらわあ様の『さんふらわあむらさき』に乗船しております。
今月3回目(笑)!だってその日に乗船して帰ると基本運賃が半額で新幹線で帰るより安いんですもん···。
本日は別府温泉に入ってきました!まぁ作者は別府温泉の名人ですからね(笑)。スタンプラリー2周目はのんびり回る事にしています。
ちなみに明日は仕事です(笑)。
『お見事でしたね』
「師匠は人が悪い···。相手が魔剣本体だったなんて、知っていたのでしょう?」
『ええ。あれはこの世界にあってはいけないもの···。初めて王を見た時に気づきましてね。私の目的の一つがネボラのおかげで叶いましたよ』
「あれは一体何だったのだ?」
『禁断の魔法で作られた魔剣···。とある魔法使いが永遠の命を得ようとして数多の試行錯誤の末に至った狂気ですね。魔剣に自らの魂を宿らせて、持ち主の魂を乗っ取って自分の魂として上書きする···。そして持ち主が死んでしまえば次の持ち主を乗っ取る···。なんとも悪趣味な魔剣ですよ』
「···師匠がくれたこの魔剣は?」
『私はそんな悪趣味は···、まぁ別の意味の悪趣味はありますが外道な事はしませんよ』
「だろうな」
『もしかして···、試しましたか?』
「いいや。私は師匠を信用してるさ」
『まぁいいでしょう。あの王はどうやら他の人にはこの秘密を知られてなかったのでしょう。もうあの男は死んでいます。ちょっと騒ぎになるかもしれませんが、今やあなたはこの国の王になりましたからいくらでもやりようはあるでしょう』
「やれやれ···。最初の王としての仕事は前王の国葬とは···」
こうして闘技大会は国王との試合で私が勝利し、前王がその場で死亡が確認されたという異例づくしで幕を下ろした···。魔剣が言った通り事故扱いとなったが、言った本人がこうなってしまうとは皮肉なものだ。
この日は孤児院に帰宅することができた。明日からは城住まいが始まる。
「ネボラ!いや···、もう今は国王となってしまわれたのですね···。なんだか身近にいたあなたが遠い存在になってしまったようで···」
「院長先生。今まで本当にお世話になった。ありがとうございました。今後は国として孤児院への援助は惜しまないつもりだ。それに···、こっそり帰ってくるかもな!」
「無理してはいけませんよ···?できることを確実にやっていけばいいのですから」
「ああ。そう心がけておくさ」
そして孤児院には近所の人たちや世話をしてくれた騎士たちも集まって大騒ぎになってしまい、まるでお祭りのような雰囲気に包まれてしまった。
「ネボラちゃんが本当に国王になっちまうなんて···。いや!もうちゃん付けはダメだな!今後はネボラ王に忠誠を誓う騎士になったんだ!···頑張れよ!」
「ありがとう。おかげさまで本当に国王になってしまうとは思わなかったよ。そうだ!よければ親衛隊になるか?」
「···え?えーーーー!?」
「なんだ?王のスカウトを断るのか?」
「ネボラちゃん···。ありがたいがさすがにそれは他の騎士に対して失礼だぞ。実力でなるってのはどうだ!?」
「ははは!確かにそうだな!楽しみにしてるぞ!」
こうして親しい人たちとの最後の夜を過ごしたんだ。ちなみにこの時の騎士はこのあとちゃんと親衛隊に合格して、私の最側近として働いてくれた。滅亡後はネイレで活躍してくれているな。
そして翌日、王城に向かった。そしてそのまま国葬に臨んだ。
前王は15年にもわたり、この国を治めてきた。特に大きな戦乱などはなかったが、反乱分子が出てきてしまうなどの治安面に不安が残る結果となった。
これはその後の調査で判明したのだが、どうもこの国の歴代の王はあの魔剣を手にしていたようだった。そして建国のきっかけも『立派な剣を所持していた者に人々が安心を求めて集まった』ということだったらしい。
今となっては魔剣はなくなって真実はわからない。だが、あの魔剣は悪趣味な目的で作られてしまったが、その後は正反対に穏やかだった。
これが仮初めの永遠の命を手にした魔法使いの目的だったのか成り行きだったのか···?
まぁ、もうそれは過去の事だ。今は私が王となったのだ。いいものは残し、悪いものは正す。
より良い未来を作るため、地道にやっていくことにしよう。
国葬を終えて、私は城の壁の上に立った。
見下ろすと、城の前の公園には大勢の国民が見えた。これから私は···。この人々の笑顔を守れるようにならねばならないな。
そして、これからこの国民たちの前で所信表明を行うのだ。
『このたび、国王に就任したネボラだ!まだ弱冠10歳と成人したての若輩者であるのは間違いない!
私には知らないことが多すぎる。そしてできることも···。だが、王として最大の目的はわかっているつもりだ!
それは···、全国民が安心して暮らせる国にするということだ!
しかし!先ほど言った通り、私は知らないことが多すぎる。それに私1人だけの力で達成するのは不可能だ!
だからこそ!皆の力と知恵を貸してほしい!
そして軍事国家テーパーは今後も国民を守るべく、さらに強くならねばならない!それは侵略するための力では決してない!この国を守るためのものだ!
力に善悪はない!それを振るう者の心構えと使い方で善にも悪にもなるということを皆に知っていただきたい!
さあ!ともに行こう!輝かしい未来へ!!』
「「「「うおーーーー!!」」」」
私は城に戻った。まずはこの城を把握せねばならんな。
そして玉座に座ってみた。···ふかふかであるのは違いないが、座り心地はそこまで良くなかったな。まぁ、雰囲気が悪いからだろう。まだ体は子どもに近かったから足が地面に届いていないというのもあるがな。
ここから1年は大忙しだった。剣を振るう間はあまりなかったな。
···いや、振るう時はあったな!暗殺者を返り討ちにした時だな!師匠が言った通りそこそこの頻度で襲撃はあったのだ。
本来なら親衛隊が相手するものなのだが、『ストレス解消の相手をしてもらうから』と、今思えばかなり無理な願いを親衛隊にしたものだったな。
まぁ、返り討ちにした暗殺者たちを見て安心したのか、それ以降は好きにさせてくれたよ。
そして国の仕組みを整え、少しずつ私の手を離れ出していき、私の時間は増えていった。
そして···、私は剣術の理に至ったのだった···。
『もう私が教えれることはなくなりましたよ。これまでよく頑張りましたね』
「師匠···。本当にありがとう。師匠がいなかったら、私は生きていなかっただろうな」
『そんな事はないでしょう。さて、もう私はあなたに声をかけることはなくなります。これでお別れですね』
「師匠···」
『もしかしたら、どこかで会うかもしれませんね。理に至ったと言ってもそれはただの基準の一つに過ぎません。武術は底なし沼です。これからも精進して下さいね』
「···ああ!」
『ふふふ···。それではさようなら。今後のあなたの人生が輝かしい事を祈りますよ···』
これ以降、二度と師匠の声は聞こえなくなってしまった···。
そして7年···。王となって10年間、軍事国家テーパーを治めることができた。そして···、最後の王に···。
だが、私はできる限りの事をしてきた。それは···、生き残った国民からもそう言われた。
そして···、剣術を極めたおかげで私は最高の夫に出会うことができ、そしてかわいくてとても強い子どもたちに恵まれたんだ···。
「「「「ママ!」」」」
「ああ。さて、今日は···」
他の人からすれば特異な人生を歩んできたものだ···。愛すべき家族とともに、この悲しみが渦巻く世界でこれからも幸せに暮らせれるよう、できることを地道にやっていくとしよう!
ネボラの過去 完
全5話で約1.5万字ぐらいですので短編として出してもよかったぐらいのボリュームでしたね。
10万字超えの小説ばっかり書いてるので短編ってそんな短く話終わらんのやけど?って思ってましたがこういうのもありかもしれないですね。
いかがだったでしょうか?ネボラさんが国王を倒すところは、実は最初はもっと単純に一撃で倒す予定だったのですが、書いてるうちに『そんなにあっさりじゃ困るな』ってネボラさんからツッコミが入ってしまい、ネボラさんが言う通りに書いたらこんな展開になっちゃいました。これも想定外なんですが、思っていた以上にいい展開になりましたね。
本作ではキャラが勝手に物語を変えてしまうことがよくありまして、そのたびに書き終えてから恐怖を感じるんですけど、そういうお話は何度も読み返してもいいお話なんですよね~。毎話そうなったらすごいんでしょうけど。
明日はネタバレ集と旅立ち編で新規登場したキャラを、またもチャットGPTで描いてもらいましたのでご紹介させていただきます。
併せて現在制作中の電子書籍版の表紙イラストも描いてもらいました!これがまたものすごくいい出来なのでこちらも公開いたします!
それではお楽しみに~!




