遠征旅立ち編番外編-1.ネボラの過去 その1
本日は商船三井さんふらわあ様の『さんふらわあむらさき』に別府観光港から愛車乗っけて乗船しています。九州旅行する時はレンタカーもいいけど愛車乗っけるのもいいですよ~!ちょっとお高いですけど、高速代とガソリン代、船内で1泊の宿泊代を考えたらこんなものでしょうね。
ちなみに明日は仕事なので通勤でもあります(笑)。いつもと同じですね~!
本日から突然思いついて書いてしまったネボラさんの過去のお話を5話お届けいたしますよ~!
「うわっ!?」
「そこまで!ネボラの勝ちだな。すごいな···。現役の騎士に勝ってしまうとは···」
「ありがとうございました」
私はネボラ。孤児だ。
私は今、この孤児院の庭で剣術の稽古をしていて、先ほどは練習試合をやっていたのだ。
相手は現役の騎士。対して私は今7歳だ。当然体格も違うし力も違う。
なのに勝ってしまった。
「ネボラ?まだ兵士の応募条件には年齢が達してないが、兵士になってみないか?大活躍できるぞ〜!」
「···考えとく」
「そうか。まぁ、まだ3年もあるからな。このまま行けば将軍を倒してしまうかもなぁ〜!さすがに王様には勝てんだろうけど」
「王様···。強さに興味ない」
「そうか···。それだけの才能があるのになぁ〜」
孤児院には毎週騎士たちがやって来て武術を教えてくれていた。この軍事国家テーパーには『弱者保護義務制度』なる制度があるのだ。
これは国に認められた騎士などに課される義務で、強さに応じてこうして私たちに武術を教えたり何か犯罪などに巻き込まれたりした際に助けてくれるというものだ。
軍事国家なんて物騒な名前がついてはいるが、『強さは守るためのものだ』という国の方針のおかげで国内はいたって平和だった。
この国の騎士は強い。騎士とは兵士の上位職で厳しい試験をくぐり抜けたエリートだ。そりゃそうだ。騎士になれば国の外や国を襲う魔獣に最前線で立ち向かわなければならない。兵士ももちろん戦うが。
命の危険がある以上、相応の実力は必要だ。そして命をかける危険があるからこそ収入などが非常にいいのだ。
こうやって孤児院でも武術を教えてるのだ。軍事国家というだけあってこういった教育は充実している。おかげで騎士の練度はすさまじく、犠牲者というのは他国に比べても非常に少ないようだ。
「さて!今日の稽古はここまでだ!武術の基本は体力だから、時間ある時に走り込んだりしておくようにな!それじゃあな〜!」
騎士2人は引き揚げた。さて···、それじゃあ私は狩りに行くとするか。
「ネボラ〜?きょうもかりにいくの〜?」
「ああ、ウィル。何が狩れるかは分からんがな」
「うん!たのしみにしてるね〜!」
私は孤児院を出て近くにある外壁の裏門に向かった。門には知り合いの老兵が座って番をしていた。
「おや?ネボラちゃんか。今日も狩りに行くのかい?」
「ああ。大物狙ってみる」
「気をつけるんじゃぞ。まぁ、騎士を倒してしまえるネボラちゃんには心配いらんかったかな?」
「そんなことないわ。どんなに強くてもやられる時はやられるから。気をつけるわ」
「ああ。···相変わらず達観してるよなぁ〜。すごい子じゃ。どんな大人になるのかが楽しみじゃなぁ〜」
本来なら子どもが壁の外に出るのは許可されない。だが、私は特例だった。
というのも、『孤児院に騎士すら倒してしまう女の子がいる』という話が出回ってるからだ。どうも私は騎士や兵士の中では有名らしい。
だから『騎士倒せる実力なら狩りの間だけ外に出ても大丈夫だろう』という事でこうして外に出てもいい事になった。孤児院の院長先生は猛反対したけれど、最後は諦めてくれた。
森の中に入る。ここは私の狩場だ。そして···、私の『師匠』との稽古の場でもあった。
そしていつも稽古をしている場所に来た。すると、私の頭の中に声が聞こえてくるのだ。
『こんにちは。さて、今日も始めましょうか?』
「ええ、師匠」
『頭の中で声が聞こえる』。この言葉は誰も信じてくれなかった。それはそうだろう。師匠は『多くの人に向けて話そうとしたが、聞こえるのはあなただけのようだ』と言っていた。私以外に聞こえなければ信じようとは思わないだろう。
師匠の声が聞こえたのは···、3歳ぐらいだったか?少なくとも私の記憶にある最も古い記憶だからな。
だが···、この記憶は一生忘れることはないだろう···。そう、自分が死にかけた記憶はな。
どうしてそういう状況になったのか、今となっては記憶がないのだが、私は···、誘拐犯に襲われたのだった。
『へっへっへ!見られたからにはもうここには帰れねえぞ!』
『おい?どうする気だ?』
『決まってんだろ!?オレのおもちゃになってもらうんだよ!』
『あ···、あ···』
『おぉ~?泣かねえなぁ〜!ガキのクセに肝が据わってやがる。こういうガキを調教してやるのがいいんだよなぁ〜!』
今思えば下衆な輩だったな。私は恐怖で動くことも泣くこともできなかったのだ。
誘拐犯が私にゆっくりと近づいてきた。目は普通じゃなかったな···。私は殺されてしまうんだ···。そう思ったその時だった。
時が···、止まった。
『もしもし?誰か聞こえますか?』
「···え?」
『···おや?この思念波をキャッチした人がいましたね。やってみるものでしたね〜!声を聞く限り幼い子供のようですが、お名前をお聞かせ願えますか?』
「···ネボラ。ねえ?いまめのまえでわるいひとがうごかないんだけど···」
『ネボラさんですね?実はゆっくりとお話がしたかったので、この思念波を受信した人だけ時間を止めてます。そんなに長く止めれませんから』
「じかんを···、とめる···」
『はい。ええっと···?あぁ~、なるほど。あなたの目を通して状況は把握しました。とてもいいタイミングだったようですね』
「え···?どういうこと?」
『目の前の不届き者、あなたならやっつけられますよ?やってみませんか?』
「···やっつける?」
『ええ。この思念波を受信できるということは、あなたには何かしらの武術の才能があるのでしょう。しかもとびっきりの』
「さいのう···?」
『まぁ、やってみなくてはわかりませんね。あなたの右に棒があるのが見えますか?』
「···うん。あれだね」
『はい。ではそれを持ってみましょうか』
「···うん。これでいい?」
『ええ。まだ身体強化魔法が使えませんから両手で持ちましょう。あなたは右利きですか?』
「わからない」
『なるほど···。両刀使いですか。ではよく使う方の手は上の方を握りましょう』
「こう?」
『ええ。いいですね〜。では···、私が言うように棒を振ってみましょう。ここからは時間が動き始めますが、しばらくゆっくりにしておきます。心の準備はいいですか?』
「···うん」
『では···、始めましょうか。敵は右腕をあなたに伸ばしてきています。その腕を左に弾くように棒を右から左へ振りましょう』
男が動き出した!私は言われた通り棒を右から左に振って男の右腕を弾いた!!
「ぐわっ!?」
『お見事!その振った勢いのままぐるっと一周回りましょうか。そして次は男のひざの裏を叩きましょう』
「うん!えいっ!!」
私は言われた通り棒を振った勢いのまま、その場で1回転した。そしてその勢いで今度は男のひざの裏を叩いた!最初の一撃で男の体は当てられた棒の勢いで背中を向いていたんだ。
「ぎゃっ!?」
ひざを反対側から叩かれてひざが曲がり、男はその場に倒れ込んでしまった!
『いいですね〜!ではトドメに男の顔を思いっきり蹴っ飛ばしましょうか!それでその男は終わりです』
「うんっ!えい!!」
バキッ!!
思いっきり男の顔を蹴ってやった!ちょっと足が痛かったな···。
そして男は気絶してしまったんだ。
「ひ···!?ひぃーーーー!!」
もう1人の男は私が男を倒してしまったのを見て逃げ出してしまったんだ···。
ネボラさんと師匠であるエマさんの出会いはこんな危機的状況でした。
これ書いてて気づいたんですけど、思いっきりリモートですよね(笑)。会議ならまだしも、武術を教えるのにリモートって現実的なんですかね?やっぱり実際に面と向かってやらないといけないと思うんですけどね。将来的には3Dリモートなんてのもできる世の中になるのかもしれませんが。もしくはロボットをFPSで操作するリモート?そんな世の中になるのかもしれませんね。
ネボラさん、結構上位の強さである騎士にも7歳の時点で勝ててしまえる実力がありました。もうこの時点で才能が開花してましたね。そしてエマさん仕込みの鍛え方してますからね。そりゃもう強いんですよ~!
さて次回予告ですが、ネボラさんが闘技大会に出るまでの経緯をお伝えいたします。軍事国家テーパーでは年に1回闘技大会が開催され、優勝者には王様と戦うことになり、そこで勝つと王様になるというシステムがあります。ほかにも兵士の上位職である騎士の試験を受験できる資格も得れるんです。ネボラさんはどんな心境で挑むのでしょうか?
それではお楽しみに~!




