遠征旅立ち編-32.レオ流藪漕ぎ
本日は朝に鹿児島県志布志港に到着してドライブで長崎県大村でただいま宿泊しております。
道中は蔵之元港から熊本県天草半島へ三和商船様のフェリーに乗船し、さらに鬼池港から南島原の口之津港まで島鉄フェリー様に乗船しました。
熊本地震で九州道が不通になった時のう回路としてニュースになってましたので、『せっかくのドライブやし九州道で行くより車やないと行けへん天草通るか!』ってなことでこのルートにしました。
天気もよく、景色よかったですよ~!
ボレンって港町で、大きな湾をショートカットできる船に乗る予定だったんだが、船員さん全員食中毒でぶっ倒れてしまって欠航だったので、誰も通らなくなった湾沿いの道を行くことになった。
魔獣もわんさかいるらしい。ということはうちの一家にとっては最高の狩り場ってわけなんだ。
ただ···。
「「「「············」」」」
普段、魔獣を見かけたら我先に!って動いてた子どもたちが、今日は不機嫌でふてくされていた···。船に乗りたかったのに乗れなかったからなんだよなぁ〜。
「おい。もういい加減に機嫌なおせよ。それじゃあ魔獣退治できねえだろうが?」
「だって···」
レグスが何か言おうとしていたが黙ってしまった。これはちょっと怒った方がいいか?と思ってると、ネボラが間に割り込んできた。
「レオ。子どもたちの気持ちもわかってやれ」
「でも···」
「まだ子どもたちは幼い。感情をまだコントロールしづらいのさ。まぁ、そういう私自身も船に乗るのが楽しみだったから、子どもたちの気持ちは痛いほどわかるし、私自身もやる気がないのだ!」
「···人のこと言えねえじゃんかよ」
「人間はそういうものだ。わかってはいても感情がそれを許さない。というか、今まで子どもたちがこういった不機嫌になるということ自体が初めてじゃないか?」
「そう言えばそうかもな。わがまま言うのは···、って!?赤ん坊の時に魔獣退治に連れてけ!ってせがんできてたぞ!?」
「ははは!そういう事もあったな!だが、ある程度のわがままは子どもの特権だ。それに、最近は子どもたちに魔獣退治を任せていたんだ。たまにはレオがメインでやっておいた方が腕が鈍らずに済むぞ?」
「お前もオレを言いくるめようってか···」
「いいではないか?ピンチなら私がサポートに入るぞ。もっとも、必要ないだろうがな」
「はいはい。そんじゃあ今日はオレがやるよ」
というわけで今日はオレが先頭だ。今歩いているのは人が通らなくなって道かどうかもわからなくなっているんだ。藪になってるところをかき分けて進まなくちゃならねえんだな。
気をつけないといけないのは、トゲがある植物があったりしたらケガをする可能性があるって事だ。それに、魔獣が隠れている事もある。だから十分に防具を整えてやるってネボラが言ってたが、オレにはこれがある!
「必殺!鎌風怒涛!!」
魔力剣に風系の魔力を込めて体勢を低くしてから斬撃を地面スレスレで飛ばした!斬れ味バツグンだから、視界から見えなくなる先までオレの足より上についてはすべてを斬り裂いた!
「ブロー」
オレは体の前全体から風魔法で強力な風を吹かせる。そうすると、斬った草が見事に周囲へ飛ばされていって、斬撃の幅の分の道が出来上がった。
「「「「すご〜い!」」」」
「レオは意外と器用な事をするな。これだと速く進めそうだ」
「···おい?なんだよ?『意外と器用』って?」
「レオはどちらかといえばゴリ押しすることが多いからな。器用というイメージがなかったのだよ」
「オレだってこれぐらいできるわ!」
「ははは!悪い悪い!さあ!先に進もうか!」
「まったく···」
でも、あながち間違ってないんだよなぁ〜。龍脈の力も使えるから、魔力がなくなったらすぐに補給ってのも神狼族はできるからな。あんまり多用するわけにはいかないけど。
でも、ネボラが言うと完全にバカにしてるから腹が立つ!···歯向かったら首斬られるけど。
とりあえず進めるだけ進む。道中···、というか道を作りながらなんだけど、魔獣が多く出てきた。エサがまったく来ないところにエサが来たんだ。そりゃもう大歓迎!って事なんだろうな。
だが、スタンピード殲滅ぐらいできるオレたちとしては特に問題ねえんだよ。最初はオレが倒してたんだけど、途中から子どもたちも参加してきたんだ。
···八つ当たりだったけどな。船に乗れなかったのを魔獣に当たってんだよ。
そして2時間ほど進んで日が暮れたから、今日はここまでにした。
「ほら。結界張るから中に入れ〜」
「「「「は〜い」」」」
結界の中でテントを張り、そして夕食の準備を始めた。結界の外では魔獣たちがわんさか詰め寄ってギャーギャー叫んでるが、結界の中は防音されてるのでとても静かなんだ。
ものすごくにらまれてたから、途中から結界を透明から半透明に切り替えた。これなら全く気にならねえな。
オレがどんどん結界魔法をカスタマイズしてると、ネボラは呆れていた。
「結界魔法もこのような事ができるのだな」
「まあな。休みたい時にちゃんと休めないと、命に関わるからな」
「助かるな。しかし、レオは本当に器用だな!」
「ティールほど魔法はうまくねえけど、これぐらいはオレだってできるさ。レグスたちもこれができるようになると、旅が楽になるからな」
「「「「はい!」」」」
この日は魔獣たちに結界の周囲を囲まれた状態で寝たんだ。となると、翌日出発の時にどうするのか?って思うだろ?
その答えがこれだ!
「バリアパージ」
ドーーーーン!!
結界を普通に解除したら消えちまうんだが、消すのではなくて外側に向けて爆発四散させるんだ。当然、結界に群がってた魔獣は全員もれなく吹っ飛んでしまったんだ。
「これもできると楽なんだが、周りに人がいたら巻き添えにしちまうからな。まぁ、魔獣が群がってたら人なんていねえだろうけどな!」
「ははは!レオの魔法芸はすごいな!ティールも奇妙な魔法を使っていたが、レオもなかなかだ」
「おい?オレの魔法を『芸』だなんて言うなよ?『実用的』って言えよ?」
「そうだな。だが、芸というのも実用的なものは素晴らしいし美しいものなのだよ。剣舞などがそうだな」
「聞いた事あるけど、あれって使えるのかよ?」
「ああ。目が回りやすいのさえ克服できれば、相手に対してどのような攻撃が来るか予測しづらいというのがあるぞ」
「ふ〜ん。そういう事もあるんだな」
「さあ!そんな事より行くぞ。今日には湾の反対側の町には着きたいからな」
「へいへい。そんじゃあ行くか!」
今日も昨日と同じ手法だ。ただ、今日は子どもたちが試しにやる!という事でやってもらった。
ただ、フェアは短剣が得意なのでちょっと道幅が細く、ルエルに至っては槍だからさらに道幅が狭くなってしまった。ただ、貫通力はすごかったな。
一番上手だったのはアルだった。斧だから幅広い道が出来上がるんだ。そもそも斧って木を切るのが目的だから、こういった藪漕ぎにも向いてたんだな。
あんまり活躍できなかったフェアは魔獣退治を魔法でやった。貫通力の高いアイスアローとかロックガトリングなどで襲いかかってきた魔獣はあっという間に殲滅されてしまったんだ。
そうして夕方になり、森を抜けて道に出たんだ。
「ふぅ〜。とりあえずこれで反対側に出たな」
「お疲れだったな、みんな。今日はこちらの港町の宿に泊まるか」
「そうだな。結構疲れたわ。そんじゃあ行こうぜ」
本来なら船で2時間ぐらいを2日近く書けてグルっと回ったからな。チョイとひと休みするか!
遠征旅立ち編 完
レオくんならこの程度は軽いものです。無事対岸までたどり着くことができましたね。
遠征編はもともとボルタニア大陸1周を1つの章としてお届けするつもりだったのですが、現時点で73話になってしまってましてまだまだ続いており、現時点で90話超えの可能性もあります。
ちょっと長くなりすぎなので3分割したんですが、もしかしたら4分割の可能性もありましてね。
というわけでクマトリ皇国着くまででいったん分割させていただきました。
明日からは旅立ち編の番外編として5話、ネボラさんの過去のお話をお届けしたいと思います。
先日ふと思いついて書いたらいい出来になりましたのでここでご紹介したいと思います。
では次回予告です。ネボラさんの過去のお話の最初は師匠とどのような出会いだったのか?をお届けいたします。その出会いはなんと!命の危機だったのです!どんな状況だったのでしょうか?
帰りもフェリーの船上から投稿する予定です。瀬戸内航路で電波状況はいい方ですから投稿時間はいつも通り21時過ぎを予定しています。
それではお楽しみに~!




