遠征旅立ち編-7.クリートの国を調べるぞ!
クリートの国に入国したらネボラが以前のクリートではなくなってると言い出した。どうも『外の理の者』が乗っ取ったと見ているようだった。
ただ、今のところはオレたちを殺そうという雰囲気は一切ない。もしそうなら門で襲い掛かられてるだろうし、何より国の中に入れるはずがねえ。
状況がよくわからない中、これから夕食をこの宿で食べることにした。疲れて寝ていた子どもたちも、おなかが空いたのかモゾモゾと起き出したしな。
「いらっしゃいませ!6名様でよろしいですか〜?」
「ああ」
「ではこちらの席をご利用下さい〜」
レストランで案内された席は窓側の席だった。夕日が沈み外はどんどん暗くなっていくが、ポツポツと魔法の明かりがついていった。近くの建物の窓からは明かりが漏れて、その明かりで道は薄暗いものの、そこそこ明るかった。
確かにネイレではここまで明るくはねえなぁ〜。やっぱり『外の理の者』の技術なのかもしれねえな···。
「パパ〜!パパはなににするの〜?」
「···ん?ああ、悪いレグス!考え事しててまだ決めてなかったわ!」
「もうみんなきめたよ〜!パパがきめたらてんいんさんをよんでね〜!」
「おう!どれどれ〜?」
メニューを見ると···、なんと料理の絵まで描かれていたんだ!これは決めやすいな!どこも料理の名前と値段だけで、どういったものかわかんねえ料理が出てきた事もあったからなぁ〜。
···よし!これにすっか!
「すいませ〜ん!」
「は〜い!ご注文どうぞ〜!」
さてここのレストランのメシだが···、ものすごくうまかった!!
「これは···。想像以上においしかった!」
「元王様のお前がうなるほどか···。確かにうまかったな」
「「「「おなかいっぱ〜い!」」」」
子どもたちも大満足のようだ。ちなみにこの料理、ネボラによればクリートのものではないそうだ···。いや、メシは本当にうまかったんだ···。外の理の者(現時点では仮定)のメシも案外いけるんだな···。
これは···。完全にこの国に『外の理の者』たちが馴染んでしまってるのかもな···。
レストランで食べただけでもある程度の事が分かってしまった···。まさか胃袋をつかまれてしまうと、どうしたらいいか迷いが深まるなんて思いもしなかったぜ···。
そして翌日も宿のレストランでうまい朝食をいただきました···。
「では、これから国の中を調査するぞ」
「調査ってどうすんだよ?こっちは子連れだぞ?」
「むしろ子連れの方がこういった事には向いてるぞ」
「···へ?どういうことだよ?」
「レオもそうだろうが、見知らぬ人から声をかけられてみろ?警戒しないか?」
「まあな。武器を隠し持ってるかもしれねえって思ったりもするな」
「だが、子連れだと子どもたちのかわいさにメロメロになって、警戒心が薄れるのだよ」
「メロメロ···。まぁ、うちの子たちは確かにかわいいけどさ···」
「そういう事だ。さあ!行くぞ!」
「「「「いくぞ〜!」」」」
どっちかと言えば子どもたちの方が乗り気だな。というか、何をするかもわかってないと思うんだが···。いいのかよ?
まずは昨日の市場の跡の建物だ。中は多くのお店が入ってたな。市場が丸ごと建物に入ったかんじだな。
朝から市場は通路は広いものの、混雑していた。早朝に採れたての野菜が多いな。肉類もそれなりにあるぞ!
あとは···、屋台街だけどここは店がやってなかった。おそらく昼以降に開店するんだろうな。
とりあえずグルっと回ってみた。そして、ネボラは1軒の店に入った。そこは果物屋だったな。
「やあ!おばさん!久しぶりだな!」
「ん···?やや!?あんたは!?ネボラちゃんかい!?」
「ああ!そうだ!覚えてくれてたんだな!嬉しいぞ!」
「忘れるわけないじゃないか!?今でも覚えてるよ!『採りたてが一番なら、畑で収穫手伝うからそこで食べさせろ!』って言って本当に押しかけてきたんだからね!」
コイツ···。この時はすでに王様だったんだろ?本当に他国でもやりたい放題やってたんだな···。
「ははは!あの時は若かったなぁ〜!」
「何言ってんだい?今でも十分に若いだろ?···ちなみに後ろにいるのは?」
「ああ!子どもたちと旦那だ!」
「あらまあ子だくさんじゃないか!···って、旦那はアンタかい?ちゃんと食べてるのかい···?」
「食べてこれだ。栄養失調じゃねえぞ」
背が低いから栄養失調って思われちまったわ···。まぁ、理由言えねえけどな。エレがこう創っちまったんだからどうしようもねえよ!
「そうそう!おばさん?ここは前は市場だっただろ?来てみたらこんな立派な建物になってたので驚いたぞ」
「ん?あ〜、そうだね。便利になったもんさ。建物の中なら雨の心配がいらないのは店側も客側もありがたい事さ。おかげで売り上げも上がってねぇ〜!」
「いろんなところが新しくなってるのは驚いたぞ。何かあったのか?」
「ネボラちゃんは外国の人だから知らなかったんだね。王が代わったのさ。そして外国から技術屋集団を連れてきてくれたんだよ」
「技術屋集団···?どこの国から?」
「さあね〜。そこまでは知らないけど、この人たちのおかげでどんどん便利になっちまってね〜!こうして景気がいいんだよ」
「へぇ〜。それはいいことじゃないか」
「ああ。技術屋様々さ」
「教えてくれてありがとう。久しぶりに来て、どうしてこんな建物が?と思ってたところだったんだ。そうそう!今日はこの『アッポー』のジュースを人数分いただこうか!瓶詰めも1ケースもらおう!」
「ありがとね!それじゃあ用意するよ」
コイツ、話術がうまいな···。まったく警戒されずに話を聞き出しちまった。
そうしてこのおばちゃんから人数分のジュースを受け取って、オレたちは屋台街の空いてるテーブルに座ってジュースをいただいた。
なぜかオレのジュースは一回り以上大きいのが渡されたんだ···。ネボラは笑ってたが、あのおばちゃんめ!オレは栄養失調じゃねえって言っただろうが!?このサービスは変に気を遣い過ぎだ!
「さて、おばさんからおもしろい情報が聞けたな」
「ああ。王が代わった事、そして外国の技術屋集団ね···」
「ああ。ますます怪しくなってきたな」
「そんで?次はどこに行く?」
「技術屋集団とやらが気になるな···。事務所があるはずだ。ちょっと行ってみるか!」
「行っても門前払いにならねえか?どこにあるか知らんけど」
「それは行ってみてのお楽しみだな!このジュースを飲んだら行くぞ!」
このジュース、ものすごく甘酸っぱくてうまかった。アイツが『採りたてを飲みたい!』ってのが少しわかった気がするな。オレはやらんけど。
子どもたちも飲み終えて、市場内でトイレを済ませてから外に出た。
さすがにあの量は多過ぎたわ···。飲み過ぎた···。
調査はネボラさんが基本行いました。というか、よその国でもやりたい放題していたネボラさんでしたね(笑)!レオくんはあきれてましたがネボラさんの行動力はすごいんですよ。
ちなみにレオくんの身長ですが、ちょっと伸びて140cmです。···実は大人になったアキくんと同じの身長です。ネボラさんが165cmあるから相対的に小さく見えてしまうのでおばちゃんにこう思われてしまったのでしょうね~。
この世界の人々の平均身長は日本の平均よりも少し低い程度です。というのも、魔獣被害のせいで食糧事情があんまりよくないんですね。ですので一般的な人でも155cm程度がほとんどなんですよ。
さて次回予告ですが、話に出た外国から来た技術屋集団に会いに行こう!としますがアポなし突撃は受け入れてくれませんでした。そこでネボラさんはちょっとしたツテを使おうと考えてとある場所へ向かいます。どこへ行くのでしょうか?
それではお楽しみに~!




