家族編-8.家族総出で魔獣狩り!?その2
「「ごちそーさまでしたー!!」」
「よし。そんじゃあ食ってすぐ動くとしんどいから、少し横にゴロンと寝とけ」
家族総出で今日は魔獣狩りにやって来た。ここはネイレからかなり離れた山だ。ここまでレグスとフェアは全速力で走りきったんだ。
まだ3歳とは言え、こんなに体力があるとは思ってなかったんだよなぁ〜。そして体力の回復も速い。幼くても、もう戦士としての基礎的なものが出来上がってるとはなぁ〜。
今、レグスとフェアはお昼寝タイムだ。背負っていたアルとルエルも背中から下ろしてレグスとフェアの横で一緒に寝ている。
「レオ。この子たちは身体的、魔法的な成長が著しく速いぞ」
「そうみたいだな。オレ自身がびっくりしてるぜ」
「これも神狼族としての特徴なのだな?」
「オレに聞かれてもなぁ〜。オレ、赤ちゃんスタートじゃねえし。でも、オレの能力にかなり近づいてるのは間違いねえな」
「そうか···。あまりにも成長が速すぎるというのも危ういのだが、そのあたりはなんとかしてみせるさ」
「危ういって?」
「簡単に言えば精神面だな。体は幼い子どもではあるが、パワーもスピードも人族の大人を軽く超えている。大人を超える力を持ってはいるが、精神面は幼児のままだ。このままだと、支配欲に歯止めが効かなくなるだろうな」
「力で支配したくなるってか?」
「ああ。『力で言うことを聞かせる』。手っ取り早いだろ?だからこそ精神面を鍛えて確固たる倫理観を持たさねばならん。そうでなければ力に溺れて、いずれは破滅してしまうだろうな」
「人類を救うために創られた神狼族が、人族に牙を剥くってか···。それはシャレにならねえな」
「あくまで可能性だ。もちろん、この子たちにはそうならないようにはするが、可能性がある以上、私たちがこの世を去った後の未来にそういう事が起こるやもしれんがな。だからこそ、ここからは精神面を鍛えようと私は考えてるよ」
「そのあたりはオレじゃあどうしようもねえな」
「そうだろうな。こっちは任せておけ。ティールもドラゴン族流の教育を子どもたちに始めると言ってたぞ。それにレグスとフェアにも参加してもらうことで話はついてる」
「ドラゴン族も同様の事があるってことか」
「ああ。だからこそ幼少期に徹底した教育をするのが当たり前らしいからな」
「そんじゃあティールにはオレからもお願いしておくわ」
···今こうやってアキたちにこの話をしてるが、この時のネボラの予想は最悪な事に当たってしまったんだよな。500年近く先でな···。
もし、今のオレのようにアイツも生きてたら···、どう思うんだろうなぁ〜?多分、思いっきり首を木剣で斬っただろうなぁ〜。オレみたいに寸止めじゃなくてな。
「「う···、う〜ん···」」
「レグス、フェア。起きたか?」
「「う···、うん···」」
「よし!それじゃあもう少ししたら出発するわよ」
「「は〜い」」
1時間ぐらいお昼寝を終えてしばらくすると、レグスとフェアはちゃんと目覚めたようだ。体調も万全のようだな!
「よし!それじゃあレオ。ここからは任せるぞ」
「ああ。任せておけ!」
時刻は午後1時過ぎ。今日はいい天気で太陽はかなり高い位置にあって、影がかなり小さい状況だ。
基本的にオレの狩りは相手から攻撃を仕掛けてきての反撃だ。本来の狩りというのはこちらから先制が取れるように身を隠したりして相手のスキを突くものだ。
しかし、魔獣は人を見かけたらすぐに攻撃を仕掛けてくる。こちらがよほど上手に隠れてないとすぐに発見されてしまうんだ。
そのためにオレが注意するのは視界外からの不意打ちだ。それさえ防げればあとは襲いかかってくる順番に倒していくのみ!
ちなみに今回は正面以外はネボラが警戒しているので心配ない。レグスとフェアを襲いかかろうものならオレとネボラから攻撃を受けるぜ!
そうして山中の森の中に入ったとたんに襲撃された!
「シャァーーー!!」
巨大なヘビだ!真正面から突然姿を出して口からなにかの液を飛ばしてきた!
「おっと!ブロー!」
オレは風魔法で飛んできた液を押し返してやった!地面に液が落ちると、触れた草が溶け始めたんだ!
「おうおう!オレを溶かそうってか?甘いぜ!ロックランス!これでも噛んでな!!」
土魔法で作り上げた槍を、オレはヘビの口めがけてぶん投げた!ヘビはその槍を噛み砕こうとした!しかし!
ガキンッ!!ズドッ!!
「ーーーーー!?」
オレの作ったロックランスが、そんなヤワな口で噛み砕けるわけねえだろうが?結局はヘビの口で止めきれずにそのまま貫通した。驚きの声を上げようとしても口の中にはロックランスがあるので声出ねえけどな。
「「パパ!かっこい〜〜!!」」
「見事な魔法だ。あれはビッグ・ボススネークだったな。簡単に人を丸飲みできる凶悪な魔獣だ。普通なら軍隊で多大な犠牲を払って倒せる魔獣だ。レグス、フェア。お前たちもああいった普通の人じゃ倒せない魔獣を、これから狩る事になるんだ。今のうちにパパの戦い方をよく見ておくんだ」
「たおせるかなぁ〜?」
「やったことないからね」
「ははは!まぁ、いきなりあれの相手はムリだ。小型の魔獣から始めていけばすぐにできるようになるぞ。それじゃあレオ!次に行こうか!」
「おう。しかし···、前からもそうだったけどここの山、凶悪な魔獣が多すぎるぞ···」
「短期間ならまだしも、継続的とはなにかあると見ていいだろうな」
「だな。ティールたちも調べてくれちゃいるんだが、しっぽがつかめないみたいだぞ」
「原因がつかめればいいのだがな···」
以前からレックスデラックスとか強力で凶悪な魔獣が出没してるんだ。何かあるのは間違いないんだけど···。
「パパ?あっちからなにかいやなかんじがするよ」
「···え?レグス?なんだって?」
「だから、あっちからいやなかんじがしてるんだ。いってみない?」
「あたしもなにかかんじるよ。いやなかんじがするね」
レグスとフェアは何かを感じ取ってると言った。オレもネボラも何も違和感を感じてはいなかったんだ···。
「レオ。2人がこう言ってるんだ。調べてみないか?」
「そうだな。でないとレグスもフェアも納得しないだろうからな。ただ···、レグス、フェア。嫌な感じって事は、かなり危険だぞ。オレもママも可能な限りお前たちを守るが、間に合わない時は自分の身は自分で守れ。それなら連れて行く」
「うん!ぼく、がんばる!」
「あたしも!」
「ったく···。おい、ネボラ」
「言われるまでもないさ。さっそく向かうとするか!」
「ああ」
そうしてオレたちはレグスとフェアの2人の道案内で山をどんどん登っていった。もちろん、道中の魔獣はオレが狩っていった。
今日はかなりの量の肉が手に入ったので、帰ったらバーベキュー大会になるのは確実だ。これはティールたちドラゴン族の狩りでも同様だ。
「パパ!ここ!」
レグスが大声出した!どうやら原因が近くにあるようだった。
茂みを抜けた先へ先行していたレグスとフェアに追いつくと···!
「こ、これは···!?」
間違いねえな···。そこには大量の黒魔力が渦を巻いて存在していたんだ···。
ネボラさんが危惧していたことがかなり先の未来で現実になってしまいました。
ネボラさんは武術の『理』に至ってますのでもちろん武術をきっちりと教え込みますが、どちらかといえば『精神面を鍛える』ことも重要視しています。
というのも、やはり人の力の制御というものは精神であるからです。このあたり、現実社会ではおざなりにされていると実感しますね。どうしても効果が見えにくいというところがあるからだと思います。学力とか仕事の実績とかは数字とかで表れるので評価しやすいというのもあるのでしょうね。
ちゃんとした倫理観というものを持たせるには子どもの時が一番だと思います。大人というのはこれまでの人生での経験からどんどん上積みしていくものですので、子どもの時というのはこの基礎だと考えています。ですので子どもの時にちゃんと教育できていたか?子どもがどういった考え方をするのか?をはぐくむといいのかなぁ~?と思っていますね。作者にお子さんはいませんけど(笑)。
さて次回予告ですが、レグスくんとフェアちゃんが見つけた特殊な黒魔力。レオくんは消滅を狙いたいところですが、大量の魔獣が出現しました!レオくんとネボラさんで倒していきますが、一部がレグスくんとフェアちゃんに向かってしまいます!倒すことはできるのでしょうか!?
それではお楽しみに~!




