家族編-3.ティール、お嫁さんを連れてくる!?
「必殺!咬牙!!」
「ギャーーー!!」
「「きゃー!きゃー!」」
「ふぅ〜〜。おい!レグス、フェア!?そんなに暴れるな!落っこちるだろうが!?危ないってわかって···、ねえんだろうな···」
「「きゃー!きゃー!」」
「まったく···。とりあえず今日はこの辺にしておくか。帰るぞ〜」
「「おー!」」
今日も狩りに来ていた。ネボラのおなかもかなり大きくなってきた。出産が近づいているのが目で見えるな。
そんなわけでここ最近はレグスとフェアを連れて魔獣狩りをやってる。赤子2人背負っての魔獣退治も、もうだいぶ慣れてきたな。
最初は国のみんなも兵士たちも、赤子背負いながら魔獣退治なんて驚いていたものだけど、今となっては日常風景になってしまっていたんだ···。慣れって怖いよな···。
この日、門に戻ってくると門の前に団体さんが来ていたんだ。しかもドラゴン族ばっかり···。
どういう状況かまったくわからんので近づいてみると、中心にいたのはおっちゃんとティールだった。何やってんだ?
「お〜〜い!」
「ん?おお!レオ!お疲れだったな!」
「レオ!久しぶり···、って!?レオ!?なんだその格好は!?なんでレグスとフェアを背負ってるのだ!?」
「ん?あぁ〜、ティールはこの状況は知らなかっただろうな。2人連れて魔獣退治やってんだよ」
「···レオは非常識なところがあると俺様はいつも思っていたが、どうやら斜め上を行っていたのだな。幼い赤子連れで魔獣退治など、ドラゴン族でもやらんぞ···」
「オレだってこんなリスキーな事はやりたくねえよ!子どもたちが言うこと聞かないんだよ···」
「「あー!」」
「···レオ?赤子の時からこんなに甘やかしてはいかんぞ?将来、ガマンできないワガママし放題なダメな子になってしまうぞ?」
「ワガママって···。命がけのことに喜んでついていくのがワガママかよ?」
「ううむ···。これぞ『親の心子知らず』というものなのだな···」
「幼すぎて危険予知できてねえだけだ。ところで、このドラゴン族の団体さんはなんだよ?いろんな種族の人たちだけど···。観光か?」
「そんなわけなかろう?みんな、俺様の考えに賛同した仲間たちなのだ!」
「へ?もしかして···、これから一緒に戦ってくれるのか?」
「当たり前だ!俺様が集落をめぐって同志を募ったのだ。そしたら20人も来てくれたのだ!」
「へぇ~!そいつはありがたいな」
ティールは遠征に行ってたんだが、まさか仲間を連れてくるなんてなぁ~。ティールって確か白銀竜の集落から追い出されたって言ってたけども、来てくれた人の中には白銀竜もいた。
ちなみにほかには赤竜、青竜。さらには黒竜や緑竜、そして黄竜までいたんだ!あれ?この大陸って白銀竜と赤竜と青竜しかいないってエレから聞いてたんだけど?
「なあ?この大陸以外のドラゴン族の人って、どうしたんだ?」
「ああ!遠征中にたまたま出会ってなぁ~!腕試しでボルタニア大陸にやってきたそうだ。だから連れてきたのだ!」
「そんな偶然ってあるんだなぁ~。あと、そちらの赤竜の女性は?」
連れてきたドラゴン族の中で気になってたのが、ティールのそばにいた赤竜の女性だ。ずっと離れずにいるんだけど、もしかしてこのチームのリーダーなのか?そう思って聞いたら意外な回答が返ってきた!
「あ~!ははは!こちらは俺様の妻のホーデだ!」
「···はぁ!?つ、妻だってーーー!?」
これはティールには悪いが想定外の回答だった!
「しかも今妊娠してるのだ!来月には俺様はレオと同じくパパになるのだぞ~!」
「マジか!?まさかそこまで進んでたとは···」
顔を赤くして照れながら自慢げにティールは話した。赤竜の奥さん、ホーデさんもちょっと照れ気味だな。顔が赤いのは赤竜だからってわけじゃねえぞ。
「そんなわけで、全員住む場所を確保すべく、フリード将軍に話していたのだ」
「そういうわけか。おっちゃん?場所あるのか?」
「あるにはあるが、提供となると王の決裁が必要でな。レオの時もそうだっただろ?」
「そういえばそうだったな」
「うむ。だから当面はティールの家にと思ったのだが···、そんなに広くないだろ?レオの家にも協力願えないか?」
「うち?ネボラに聞いてみないとなんとも言えんなぁ〜。それにうちはほら?赤ちゃんいるぞ?」
「「あー!あー!」」
「ん?レグス、フェア?いいのかよ?」
「「あー!うー!」」
レグスとフェアは前に乗り出してオレの肩に顔を載せてきた。小さな手でバシバシと頭を叩いてるし···。
とりあえず機嫌悪くないということはいいって事か?
「レオよ。ドラゴン族は普段、集落では家みたいな立派なものは少ないのだ。木陰だけでも十分なんだぞ。だから俺様の家の庭で問題ないぞ」
「いや、ティールの家建てた時にもオレ言っただろ?人族の町に住むなら外で寝るのは見た目が良くねえんだよ。まぁ、しばらくならいいかもしれんが、長期はオレとしても避けたいぞ」
「そうか···。とりあえずここで話してても仕方ないから、うちに来てもらおうか!」
そんなわけでティールが連れてきた20人のドラゴン族の団体を連れて町に入った。
思いっきりびっくりされてるな···。そりゃティールだけでもドラゴン族って事で最初は驚かれてたもんなぁ〜。それがティール含めて21人もいたらもっと驚くよな。
そしてうちに戻ってきた。
「ただいま〜」
「「たー!!」」
「おお!お帰り!なにやら外が騒がしいが、客人か?かなりの強さを感じるぞ」
「見ないで気づくのかよ···?」
「当たり前だろ?相手の強さを感じるのも危機管理の一つだ。まぁ、敵対的ではなさそうであるから普段通りにしてはいるがな」
「そうか。実はティールのヤツが帰ってきたんだが、オレたちと一緒に魔獣退治とかやりたい!ってドラゴン族を20人も連れてきたんだよ」
「ほう?それはなかなかの戦力ではないか?」
「まあな。ちなみにそのうちの1人はティールの嫁さんだとさ」
「ははは!それはティールらしいな!うちと同じじゃないか?」
「同じだったらティールはボコボコにされてるんじゃねえかよ?そんな感じには見えなかったけどな。なんというか···、ベタ惚れみたいだったな」
「ふむ。それもうちと同じだな」
「お前···。そうだったのかよ···?」
「もちろんだ。皆伝奥技を出すほど激しくやり合えたんだぞ?剣士としてのベタ惚れ表現だ」
「オレはさんざん首斬られたけど···?あれが愛情表現なのかよ?」
「ベタ惚れでなかったらレオの頭と胴体が分離してるぞ?ちゃんとつながってるだろ?」
「···お前の愛情表現って、普通じゃねえだろ?」
「むしろ普通の愛情表現をレオは知ってるのか?」
「いや···。どうなんだろう?」
いまいち愛情表現ってのがわからねえんだよなぁ〜。相手が嬉しがる行為って事でいいのか?確かにコイツはオレと試合やって嬉々として斬りかかってきて来てたんだよな。
···うん。オレが相手じゃなかったらコイツはいつまで経っても旦那なんてできずに求婚者たちの死体の山ができてたんだろうなぁ〜。
すべての種類のドラゴン族が登場しました!
このうち、黄竜は初登場です。今後は続編2でも登場させたいですね。
ティールさん、ちゃっかり結婚しちゃってお子さんが誕生間際でした。結構行動力あるんですよ。ドラゴン族チームのリーダーとして今後も活躍しますよ〜!
さて次回予告ですが、いきなり20人もドラゴン族が増えると家がないので6人がレオくんの家に一時的にお世話になることになりました。
ただこの6人、個性豊かなんですよ。しかもティールさんの妹がいましたよ!?どうしているのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




