家族編-2.レオ、子育てを頑張る!
ネイレから遠く離れた山中で雷魔法を使うレックスデラックスという魔獣を倒すことができた。
レグスという赤子を背負っての魔獣退治は想像以上に大変だった···。避けるモーションによってはオレは助かってもレグスにダメージがいく場合があるからだ。
しかし戦闘の最中、レグスがなんと魔法を使ったんだ!強烈な光を放つという、攻撃魔法ではないものの、目をやられて身動きが取れなくなったレックスデラックスをオレは倒すことができたんだ。
「レグス?今魔法使っただろ?」
「ん〜?」
「まだ魔法の訓練をしてねえんだ。あんまり使っちゃダメだぞ?レグスには確かに魔力が今の時点でも強いけど、制御できなかったらレグス自身が危ないんだからな」
「おー!」
「···わかってるのかなぁ〜?ちょっと心配だぞ···。ティールが戻ってきたらちょっと相談してみるか」
さっきのはおそらくレグスの闘争本能から、何も考えずに放ったんだろう。おかげで助かったんだが、やっぱり訓練なしに魔法を使用するのは暴走の危険が高いからな。
このあともオレは魔獣を倒しまくった。
ここの山中は思ってた以上に強力な魔獣が多かった。どうもここには何かありそうだな···。あんまり放置していてもいいことはねえし、今日は夕方前までここで狩ることにしたんだ。
ただ、そうなると···。
「よ〜し。ほら、レグス〜!ご飯だぞ〜!」
「あー!モグモグ···」
ランチタイムにはレグスを下ろして···、ってのができねえんだよ!ネボラのやつ、抱っこひもの結び目をレグスの背中にしてやがったから、ひもをほどいてレグスを下ろすことができねえんだよ···。
だから食事はオレの肩越しでスプーンですくって食べさせてやったんだ。これ、めっちゃやりづらいわ···。
まぁ、食べ物はいいんだよ。問題は水だ。
「うわっ!?おいレグスぅ〜?ちゃんと飲んでくれないとオレの服が濡れちまうだろうが···」
「う〜」
こんなやりとりをしながら苦戦しつつ昼食にした。ただこの直後、オレに最悪な災難が襲いかかってきたんだ!
ジョロジョロ〜〜〜
「···ん?背中が暖かく···?って!?おいレグス!?おしっこしちゃったのかよ!?」
「う〜〜〜」
「うわぁ···。ここまで考えてねえぞ!?」
おしめしてはいるものの、それでもお構いなしにやってしまうのが赤ちゃんというものだってのはわかっちゃいるんだけどな?でも、さすがに今の状況でやられると気持ちがブルーになっちまうわ···。
「···今日はここまでにするか。これ以上はレグスにとってもあんまり良い状況じゃねえしな。レグス?帰るぞ〜」
「おー!」
どうやらレグスは大満足の様子だった。まぁ、満足してくれたんだったらそれでいいか。これでグズられたらオレとしても精神的に参ってしまうわ···。
そして2時間でネイレに戻ってきた。門を通るとおっちゃんが出てきた。
「おお、レオ。兵士から報告は受けていたが、今日は子連れで魔獣退治しに行っていたのか···?」
「ああ。オレとしては非常にやりづらいんだけどな···」
「しかし、レグスくんは大丈夫だったのか?戦闘しながらだと大変だろ?」
「当たり前だろうが···?しゃがんだりしてレグスに直撃食らわせるわけにもいかねえし。まったくネボラも何考えてんだか···」
「まぁ無事なら良かった。あんまり無茶するんじゃないぞ?」
「オレに言うなって!アイツにおっちゃんから言ってくれよ!」
「うっ···、さすがにそれは···」
「なんでためらうんだよ?アイツはもう王様でもなんでもないんだから、気を使わずに堂々と言っていいんだぞ?」
「ううむ···。確かにそうなんだが···」
「···こりゃおっちゃんに頼れそうにないな」
「すまん···。ところでレオ?ちょっと何か気になるニオイがするのだが···?」
「あ〜、それレグスがお漏らししてんだよ···」
「え···?ということは···?」
「これ以上言うなよ?そういうわけだからさっさと帰らせてくれ」
「わ、わかった···」
ふぅ〜。おっちゃんへの応対で少し足止めされちまったな···。そして家に帰ってきたんだ。
「ただいま〜」
「お帰り。レグスも無事なようでよかった」
「おい?レグスの無事を確認するのはいいが、オレへの心配は?大変だったんだぞ?」
「ははは!レオは心配いらんだろう?魔獣程度でやられるわけないのはわかりきってるからな」
「それは信頼してくれてるって事だよな?」
「当たり前だ。レオほど信頼できる人間はいないからな」
「言葉だけだと褒められてる気がするんだが、なんか字面通り受け止められんなぁ〜」
「そう言うな。それじゃあ抱っこひもを外すぞ」
「早く解いてくれよ。レグス、お漏らししちまったからオレの背中も濡れてるんだよ···」
「ん?どうしてひもをほどかなかったんだ?」
「お前が結び目をレグスの背中にしたからだろうが!?」
「おお!?ははは!これは気づかなかったな!それは済まなかった!次はレオのおなか側で結ぶことにしよう!」
「まったく···。レグス、お疲れだったな」
「あー!あー!」
「そんじゃあオレは着替えてくるわ」
「ああ」
こんなかんじで穏やかな毎日···?いや、子育てしながら魔獣退治をやりつつ毎日を過ごしていたんだ。
これ以降は狩りに出かける際はレグスを連れて行くようになったんだ。
するとある日···。
「む〜!む〜!」
「ん?フェア?どうしたんだ?···ま、まさか!?」
「ん〜!ん〜!」
「フェアまで狩りに行きたいのか···?」
「あ〜!あ〜!」
「マジか···」
すると、その様子を見たレグスが急いではいはいしてきてオレの足をつかんだ!
「ちょ!?2人同時はさすがにムリだぞ!?」
フェアにレグスまで狩りに連れていけ!とせがんできてしまい、困惑していると···、
「レオ。こんなこともあろうかと2人縛る方法を編み出しておいたぞ!」
「ちょ!?マジで2人連れて狩りに行ってこい!って言う気かよ!?」
「言う気ではなく言ってるのだ。···よし。これで大丈夫だ。さあ!頑張って行ってこい!」
「コイツ···!」
「「あー!あー!」」
こうしてオレは双子の赤ちゃんを背負いながら魔獣狩りに出かける日々を送ったんだよ···。
そんなオレの姿を見た人たちは···、
『英雄さんの子育てはやっぱりすごいなぁ〜!』
『小さい頃から英才教育をしてるんだな!』
『赤ちゃんなのに魔獣に怯むことなく立ち向かうなんてすごい子ね〜!』
···反論したいんだが、良い評判なら放っておくことにした。
誤解なんだけどなぁ〜。子どもたちが連れて行け!ってせがんで仕方なく連れて行ってるだけなんだけどなぁ〜。
レグスくんを連れての魔獣退治は大変でした。というか、命の危険がある場所に赤ちゃん連れて行くこと自体が非常識過ぎますが、さらにフェアちゃんまで連れてけ!とせがんできました(笑)。
まさに親の苦労、子知らずというところでしょうか?レオくんだから非常識な事も対応できるというのもあるんですけどね。
さて次回予告ですが、レグスくんとフェアちゃんを連れての魔獣退治を終えてネイレに戻ると、門の前にたくさんのドラゴン族がいましたよ!?何があったのでしょうか!?
それではお楽しみに〜!




