降臨編-24.ネイレでの過ごし方
本日も温泉県別府にある鉄輪温泉で温泉缶詰執筆をしております。
名物の温泉蒸気による蒸し料理いただきました!宿泊した宿では食堂ないので、近くのスーパーで食材を好きに買って釜に入れるだけ!
食材によっては時間がちょっとかかりますが、なかなか面白い調理方法ですよね〜。
「いや、それには及ばない。私はレオの家で泊まるとしよう!」
···はぁ!?コイツ!何考えてんだよ!?うちで泊まるだって!?冗談じゃねえぞ!?
「おい!?勝手にオレの家に泊まるなんて決めんなよ!?」
「そ、そうです!一国の王が平民の家に泊まるだなんて!」
「何がおかしい?私こそ、事前に知らせずにここに押しかけてきてるのだぞ?しかも王として正式な訪問ではなく、あくまで個人として訪問したのだ。それに、これから部屋を用意するのも手を煩わせてしまうではないか?だったらレオの家で泊まった方が準備の手間が省けて楽であろう?」
「その程度の手間など些細なことです!それにそんな事をされれば我が国の沽券に関わります!城にお泊り下さい!」
「そうだぜ!うちに来んなよ!」
「将軍。確かにお主の言う通りであるし、気持ちもわかる。だが、これは私の希望だ。そのようにさせてもらいたい。何も城に泊まると困るという意味ではないので、そこは安心してほしい」
「ううむ···。わかりました。対応についてはすぐに王と話して検討いたします。その間、レオの家で少々お待ちください」
「おっちゃん!?裏切ったな!?」
「うるさい!···レオ、すまんが頼んだぞ。王と対応を検討して結果が出たらすぐに連絡するからな」
「オレに拒否権ねえのかよ···」
「しばらくの間だけだ!頼むっ!」
「···あーーー!仕方ねえな!おっちゃん、恨むぜ···」
「ははは!レオ!観念するがいい!」
コイツ···。最初からオレの家に来る気マンマンだったってわけか。
そしてコイツに押し切られてしまったおっちゃんだった。まぁ他国の王様と将軍じゃあ、さすがのおっちゃんでもうまく言いくるめられないか···。その犠牲となるのがオレってのが腹が立つ!
門を通り抜けて、オレとネボラはオレの家に向かって歩き出した。
「ふむ···。ここは以前よりも少し荒れてるな」
「そうなのか?オレが来た時よりかはだいぶマシになってるんだけどな」
「5年前はもう少しマシだったな。レオが来た時はもっとひどかったのか?」
「ああ。魔獣が壁を破って城門まで入ってたんだよ。ここら辺も被害を受けてたな」
「そうか···。レオが言っていた防衛力が弱いというのも、こうして見ると確かにと思うな」
「だからこそ、オレが顕現したのがこの国の近くだったってのもあるんだろうな」
「そうかもしれんな」
ネボラが見る視点は、やはりオレとは違っていた。コイツはやはり王様なんだろうな。町の状況からこのネイレの戦力とかを分析したようだった。もっとも、オレはこことテーパーしかまだ行ったことがないから、ほかの国や町がどういったものかは知らないんだけどな。
そう言えばコイツはテーパー周辺で修行しているって最初に言ってたな。ということは、ほかの国や町の状況も知ってるのだろうか?
「なあ?ほかの国や町の状況って知ってるのか?」
「多少はな。これでも王だ。周辺事情についても知っておかないと、国防の観点から非常にまずいのでな」
「へぇ~。で?ここ最近だとどうなんだ?」
「あまり好ましい状況ではないのは確かだ。テーパーよりさらに北にあるクリートの国が危機的状況になったというウワサは聞いているな」
「そうか···。助けに行かねえとな」
「待て。気持ちはわかるが、早まるんじゃない」
「なんで!?」
「落ち着け。危機的状況になったというウワサだ。信憑性がうすい。事実かもしれんが、ガセの可能性もある。うちに救援要請は来てないからな」
「だからって···」
「いいか?レオの目的から考えれば確かに行こうと考えるのは当然だろう。しかし、それで今いるところを危険にさらしてしまう可能性もあるのだぞ?」
「ぐっ···」
「そもそも、レオはなぜ私に会いに来たのだ?」
「それは···、おっちゃんが教えてもらえって言ってきたから···」
「そうだ。つまりフリード将軍としては、『この国はレオに頼り切らずに自分たちの力で護り抜く』という決意をしているのだよ。そうでないと、いつまでもレオはこの国の外へ出てほかの人を守ることができなくなってしまうと考えているのさ」
「え···?おっちゃんが、そこまで···?」
「ああ。立派な御仁だよ。前に言っただろ?『自分の身は自分で守るということをしなくなるとレオに頼り切る』と。フリード将軍も私と同じことを危惧していたのだよ」
「そうだったのか···」
「そういう考えに至っているということは、レオの言った通りフリード将軍とこの国の兵士たちはレオの真の仲間であるのは間違いなさそうだな。これで私も安心だよ」
「なんで安心するんだよ?お前にとって他国の事情だろ?」
「確かにそうだが、真の味方は多いに越したことはない。我が国にとっても、『魔獣相手に戦闘中に後方から攻撃をされることはない』というだけでも、ものすごく助かるのだよ」
「そんなこと、おっちゃんはしないぞ!?」
「将軍はそう考えても、国はそう考えないことがあるのさ。今の王だとそれはないだろうが、王が変わったら?自衛以上の戦力になれば誰しも欲が出てくるものだ。我が国が攻撃されないという保証はどこにもないのだよ」
「···そこまで疑心暗鬼になるのかよ?」
「これが王としての仕事さ。表立って握手をして友好関係を結んでいるように見せかけて、握手をしてない反対側の手にはナイフを隠して握っていると思わないといけないのだよ。これが···、『国を護る』ということさ。まぁ、今は魔獣相手に手いっぱいだからそんな野心は抱けるような状況ではないが、魔獣がいなくなった未来では気を付けるべきことだろうな」
「そんな世の中なんてイヤだな···」
「確かにな···。現実は残酷だ」
そんな話を聞いてしまうと、オレが守ろうとしている人たちもいずれそうしてしまうのだろうか···?
···ヤメだヤメ!この考えにハマってしまうと、オレの決意が鈍ってしまう!
そんな事を考えてると、オレの家に到着したんだ。
「ほう?なかなかな家だな。手作り感満載な家ね」
「オレが自分で建てたからな」
「なるほど。ではさっそくお邪魔するとしようか」
「本当に邪魔なんだけどな···。ちょっと待て。カギを開ける」
「カギ?そんなものはなさそうだが?」
「魔法で家全体を覆う見えない結界を張ってるんだよ」
「ほう?魔法とはそんな使い方もできるのだな?」
「なにも戦闘だけに使うもんじゃねえよ。それに言わなかったが、オレが使ってたテントにもかけてるぞ。···よし、これで入れるぞ」
扉を開けると、久々の自宅に戻ってきた~!って気がするな!久々にのんびり···、ってしたいところなんだけど、コイツがいるからのんびりできそうにないぞ。
「うむ。一般の家にしては粗末ではあるが、レオの性格が形になって見えるようでなかなかおもしろいな!」
「お前···、これを見てどうしてそんなものが見えるんだよ?ってか、粗末だなんて、普通に失礼な事言うよな?」
「ははは!すまんすまん。では当面、ここで世話になるぞ」
「ちょっと待て!城に部屋用意するって話だっただろうが!?」
「いや、あの様子だと私の好きにさせようという考えだと思うぞ」
「···マジで?」
「それに気づかないレオも、相当鈍感だなぁ~!ははは!」
いや、笑い事じゃないんだけど?せっかく帰ってきたってのにずっとコイツが一緒にいるのかよ···?
レオくんの家でくつろいでしまったネボラさんでした。もう完全に同棲ですね(笑)!まぁ、このあとネボラさんもレオくんと結婚してここに住むんですけどね。
となると、『女王様なのになんでネイレにいるの?』って疑問に思いますよね?これもちゃんとした理由がこのあと明らかになりますので伏線ってことにして下さい。
ここでネボラさんが言ったお話は、実際に外交とかに限らず仕事でも同じです。対等な関係と言いながら金を払う側ともらう側では明らかに立場が違ってますね。ですので純粋にいいと思ってもそれがのちのちワナだったなんてのもあり得てしまうんですよ。
ネボラさんも言う通り、現実も残酷です。
さて次回予告ですが、完全にくつろぎモードのネボラさんの様子をお届けします。フリード将軍からレオくんにネボラさん接待の方針が伝えられて愕然としてしまいますよ~!
それではお楽しみに〜!




