降臨編-18.レオ、ボコボコにされる···!?
コイツには普通にやり合えば勝てない!
オレは今、ネボラと試合をしている。と言っても、向こうから強引にやりだしたんだけどな···。
そして今、オレの構えから次にどういった攻撃をしてくるのかが完全に読まれてしまったんだ!
確かにオレは今、剣を右肩に載っけてる。そして無防備を装っていて近づいたら横薙ぎするつもりだったんだ!
それを···、構えと腕の位置、そして剣の位置と向きで言い当てて来たがったんだ!瞬時に見破られてしまった以上、これ以降どんな攻撃をしようとしても、オレの体の動きだけで次の攻撃が全部読まれちまうんだよ!
ということは、攻撃は当たらねえし対処もされやすいんだよ!どうすりゃいいんだよ!?
「どうした?姿勢が崩れてきてるわ?言い当てられて動揺しているな?目でわかるわ。私を見定めてはいるが、攻撃する覚悟が鈍っている···」
「···くそっ!」
「だが、いまだに勝機を見いだそうとしているな?その根性と闘志はなかなかね。この時点でほとんどの連中は攻撃を諦めてしまうわ」
「···これが理に至った剣聖様の実力かよ?」
「理に至った者すべてがこうではないだろう。もっとも、ほかに至った者を見たこともないし、それに私自身は至ってるとは思ってもいないし、まだまだ上があると思っているけどな。私にとっても今はただの通過点に過ぎないのさ。さあどうする?このまま何もせずにいるか?何も得れんぞ?」
確かにネボラの言う通りだ。このまま構えてるだけじゃ、何も得れない!
そう思ってオレから仕掛けようとすると···!?
「ではヒントをやるわ。私はレオの構えや体の動きで攻撃を言い当ててやったでしょ?これの意味をよく考えてみなさい。ここには私とレオ以外、誰もいないわよ」
ヒント···?バカにされてるようで腹が立つが、それ自体がワナの可能性もある。
だけど、そんなヒントをなぜ今出したんだ···?オレの通常攻撃はすべて見切られてるようなものだぞ?
···そういう事か!?コイツはかなりイカれてるわ···。
そう。ネボラの狙いは、オレの『トランスの力を見たい!』って事だな···。
通常攻撃が通じないなら、それを超えた攻撃ならいいというわけだ!
「おっ?どうやら気づいたようだな?」
「···ああ。本当にいいんだな?」
「ああ。その方が、私にとってもいい経験となるのよ」
「わかったぜ···。そんじゃあよ〜く見ておけよ!はぁああああーーー!!」
そして、オレはトランス状態になった!顔に紋様が浮かび上がった!この状態をエーレタニアの人間に見せるのは初めてだ。
「ほう!?それは『変身』とやらか?ドラゴン族以外でできる種族は初めて見たな」
「こうなっちまったら手加減できねえぜ?」
「手加減など不要!さあ!全力でかかってこい!」
「ああ!お望み通りにしてやるぜ!」
オレは剣を右肩に載せたまま、一瞬で間合いを詰めて思いっきり剣を袈裟斬りで振り下ろした!
しかし!振り下ろした先にネボラはいなかった!
「なるほど。全能力が大幅に上がっているわね」
「んなっ!?避けただと!?」
「何を呆けている?今の一撃だけではないのだろう?もっと撃ち込んでこい!」
「言われるまでもねえよ!!」
その後もオレは攻撃を続けた!しかし、ギリギリのところで躱されてしまうんだよ!こっちはトランスして身体能力が大幅に上がってるってのに!
「ふむ···。確かに強いな。私を十分に超えている」
「はあっ!はあっ!」
「だが、レオの本気はその程度か?今のままでは、まだ私には勝てないぞ?」
「···これ以上はいくらお前でも見せられねえんだよ」
「ほら、やっぱりあるではないか?いいからそれを見せてみろ。誰もここにはいないから、周りの目を気にする必要はないぞ?」
「見せられねえって言ってんだろ!?」
「···興ざめね。失望したわ。なら、その力を出さざるを得ないようにするわ」
「なに!?」
次の瞬間!ネボラが間合いを瞬時に詰めてきた!狙ってきたのは···、足だった!!
「秘剣、水切り」
ネボラの木剣が瞬時にオレの足のくるぶしに当ててきて、そのまま振り抜かれてしまい、オレはダメージはないものの体勢を崩してしまった!
しかもくるぶしに当てた時に『バシーーン!』と叩くのじゃなくて、軽く当ててから一気に力を入れて振り抜いたんだ!思いっきり当てたんだったらトランスしてる今なら弾き返すのに!コイツ、トランスでオレの防御も強化されてるって気づいてたんだ!
オレは思いっきり倒れてしまった!すぐに立ち上がろうとしていると、ネボラはさっき剣を振り抜いた回転を利用して、次はオレのみぞおちに剣を当ててから一気に振り上げた!
「秘剣、昇曲導付」
「ぐわっ!?」
オレは倒れた状態から一気に上空へ舞い上げられた!そして、そのまま落下してしまったんだ···。
「どうだ?力では確かに私を上回ってるが、それだけだ。このような事もできるぞ?」
「ぐっ···、信じられねえ···」
「信じられなくともこれが真実だ。さあ、まだあるんだろ?早く見せないと···、次は骨1本折らせてもらおうかな?どこが折られたいか希望はあるか?」
「···いいぜ。後悔するなよ?ここから見せる力は···、本当にパワーがありすぎて制御できねえ時があるからな!」
「そうこなくてはな!さあ!見せるがいいわ!」
「どうなっても知らんからな!うぉおおおーーー!!」
そして、オレは『真のトランス』になった!全身に紋様が浮かび上がって、ほのかに光りだした!オレの目も金色に輝き出す!
「···素晴らしいな。いや、美しい力とでも言うべきか?だが···、かなり荒々しいな」
「こうなっちまったら死んでも知らねえからな!」
「ああ。殺す気でかかってこい。私も久しぶりに全力を出せる相手に出会えて嬉しいぞ!」
「いくぜーーー!!」
人を超えた、星の力!これを本気で使った事はこの前のギャロップ以来だな!しかも今回の相手はエーレタニアの人間!守るべき力ではあるがこうなった以上、止められねえぜ!
オレは猛スピードで剣を振るった!しかし!?ネボラはオレの剣を弾いたり受け止めたりするのではなく、オレの剣にたまにちょこんと軽く当てる事しかやってこなかった!そんな事をされて、オレの剣はすべて明後日の方向にずらされてしまったんだ!
信じられねえ!!このスピードとパワーでも、コイツを仕留めきれねえなんて!!
なら剣はやめだ!大規模殲滅魔法で消し去ってやる!この真のトランス状態なら、溜めなしで撃てるからな!
そしてオレが剣を放り投げて魔法を撃つ体制をとった瞬間!ネボラが一気にまた間合いを詰めてきた!
「勝てないと悟ってなりふり構わない状況はわかるが、剣の勝負に魔法を持ち込むのは無粋だな?秘剣、脇寄せ」
そう言ってネボラはオレの右ひじ部分を下からすくい上げてきた!そしてオレが放った魔法は···、城から斜め上に吹っ飛んで行ってしまった···。
「その様子だと、完全に力に呑まれて精神まで振り回されてるな?確かに言う通り制御ができてないし、このままだと暴走して自爆の恐れもありそうだな···。では、私の皆伝奥技で今回は幕を閉じるとしようか。久々に全力が出せて想像以上に楽しかったわ!···皆伝奥技、細波」
そうネボラが言った瞬間!オレは全身をくまなく木剣で突かれてしまったんだ!
本来なら真のトランス状態だと物理攻撃もほぼ無効化できるはずなのにダメージが···。これが···、理に至った···、剣聖の···、技···。
オレはその場で倒れてしまい、気を失ってしまったんだ···。
ネボラさん、強すぎ!!
星の力まで使えるレオくんの真のトランス状態でもまったく歯が立ちませんでした···。
力では間違いなく世界最強のレオくんなんですが···、ネボラさんは向かってくる力の方向をちょっとだけずらす事で攻撃を回避していたわけです。
もちろん、レオくんは本気でどうしても剣の振り方は大振りになってしまうので、思いっきりスキができるんですね。強すぎる攻撃は逆にクールタイムが発生したりしてスキが大きくなるのが真理です。
ちなみにレオくんにはネボラさんの皆伝奥技以外はダメージをまったく受けていません。ですが、体勢を崩したりはやろうと思えばできてしまうんです。このあたりは次回にネボラさんがタネ明かしをしてくれますよ〜!
詳しくはネタバレ集にて解説しますが、ネボラさんの技名は花火の用語を多用しています。きれいだけど火薬使ってますので、美しくも激しい!をイメージしてみました。季節的にもいいですよね〜!
ネボラさんはレオくんの奥さんにこのあとなるのですが、キャラ設定の際に考えたのは『レオくんとともに戦える事』と『レオくんを止めることができる人』という条件でした。こうしないとネボラさんの出番がなくなってしまうのと、レオくんが暴走した時に止めれる人がいないとマズいからです。
世界最強の力をどう止めるの?の答えが今回と次回のお話です。作者的にもいい感じになったなぁ〜と思ってますが、皆さまはいかがでしょうか?
では次回予告です。
レオくんが目覚めると、今回のお話の振り返りをしますよ〜。どうして無敵状態のレオくんにダメージが入ってしまったのか?が明らかに!
それではお楽しみに〜!




