降臨編-15.ネボラに教え方を教えてもらってきてくれ!
「実はな?レオにワシの部下を鍛えてもらえないか?と考えておってな」
遠征から帰ってきたらおっちゃんに宴会に誘われた。その席上でこんな話が出たんだよ。
「鍛える?なんでオレが?」
「レオは強いだろ?」
「···それだけ?」
「そうだ」
「あのな···。オレが強いのは神が力を与えてくれてるからだ。だからオレの勘で戦ってるようなもんだ」
「そうなのか?」
「ああ。だから教えれることがないし、どうやって教えたらいいかもわからん」
「そうなのか···。レオにも苦手なものがあるのだな···」
「当たり前だろ?人には向き不向きってのがあるんだ。おっちゃんもわかるだろ?」
「まあな···」
「だからオレが教えるのはムリだ!それこそ、あのネボラって剣聖様に教えてもらったらいいじゃん?」
「ううむ···。それはぜひやりたいのだが、国が違うのでなぁ〜。テーパーとしては確実に反対するだろうな」
「なんでだよ?」
「教えてネイレが戦力強化したら、テーパーに襲いかかるかもしれんと考えるだろうからな」
「はぁ···?なんだそれ?こんだけ魔獣被害多いのに他国と戦争なんて···」
「それが政治というものだ。まぁ、ワシはそういうドロドロしたものが好まんから、こうして門の責任者として将軍やっとるがな」
「···もしかして、おっちゃんが将軍なのに門にいるのって?」
「ははは!まあ概ねレオが思った通りだな!体を動かしてる方が性に合ってたのでな!」
「はぁ···。というわけで諦めてくれ」
「わかった!じゃあレオはネボラ様に教え方を教えてもらってきてくれ!」
「はぁ!?何が『というわけで』だよ!?話聞いてたか!?」
「もちろんだ」
「だったらなぜ!?」
「レオこそ話聞いてないな?」
「···どういうことだよ?」
「ワシはちゃんと話したぞ?『ぜひやりたいが国が違う』とな」
「言ってたけど、それがどうしてそんな話になんのさ?」
「ワシが剣聖ネボラ様に教えを乞うと政治が絡む。しかしレオは自宅はあるものの、この国の国民でもないし、単独だから政治力が働かないのだよ。だからレオに行ってもらおう!ということだな」
「めんどくせー!そんな理由かよ!?」
「そう言うな。これが政治というものであり、回り回って国民を守ることにつながるのだ」
「だからって、オレがおっちゃんに付き合う義務はないぞ?」
「確かに、レオには拠点としてこの国を利用してもらうというのが最初の話であるな。十分承知しておるさ。だが···、せっかく剣聖ネボラ様に認めてもらえたのだから、これは使ったほうがいい。何より、レオがさらに強くなってくれると我が国も助かるし、レオの目的もかないやすくなるのではないかな?」
···つまり、オレが強くなるとオレが得するだけでなくおっちゃんらも強くなれるって事か?なんか言いくるめられたようだけど、オレにとってもデメリットばかりじゃなさそうだ。
まさか本当にネボラが言った、『かなり直近だと思うぞ?』の言葉通りになっちまったぞ···。あいつ、もしかして未来を知る能力とかがあるんじゃね?神から力を与えてもらってるオレでもそんな芸当はできっこねえぞ?
この日はおっちゃんとこんなやり取りをしながら、食事とお酒をいただいた。なかなかおいしかったな〜!これからここで食事ってのもありかな?今度はおっちゃんたちに絡まれずに1人で食べてみたいな。
そしていい気分で家に戻り、すぐに寝てしまった。今日は疲れてたってのもあったし、その状態でたらふく食べたから、ベッドに横になったとたんに睡魔に襲われたんだ···。
翌日は1日のんびり過ごした。体は万全だが、知らない疲れがあったりするかもしれんので、念のためゆっくり過ごすことにしたんだ。
そして翌日···。
「そんじゃあおっちゃん、しばらく留守にするぞ」
「ああ!レオのおかげで魔獣はほとんど見かけなくなったから大丈夫だぞ。一昨日にも言ったが、道中気をつけてな」
「わかってるって!」
こうしてオレはまた北へ向かった。目的地はテーパーの国だ。
3日で着いた。まぁ、道中の魔獣は大半倒していたからな。救った集落も無事のようだった。再建中ってのは遠くから見て分かったので今回は寄らなかった。寄ったら絶対に『今日は泊まっていってくれ!』って言われて足止めされるからな。再建中にそれは負担になるだろ?
そうしてオレはテーパーの国にやって来た。
今日は魔獣の襲撃はなかった。あれだけ多くの魔獣の襲撃されたってのになぁ〜。軍事力がすごいというおっちゃんの言葉も納得だぜ。
さてと···、確か門兵に『ネボラはどこだ?』って聞けばいいんだったな。これ、いなかったらどうしようか···?それは後で考えるか!
そして、オレは門に近づいた。
「こんにちは。どちらから来たんだい?」
「よお!オレはネイレからやって来たんだ」
「へぇ〜!結構遠いところからよく1人でここまで来れたね?ここはテーパーという国なんだけど、どういった用件だい?休憩かな?」
「いや、ちょいと知り合いがここにいるって聞いてな。『ネボラはどこだ?』」
「···え?剣聖様が知り合いだって?」
「ああ。ちょっとあってな」
「そうか···。剣聖様は戻ってきてるね。とりあえず身分証を先に確認させてもらえるかな?手続きさせてもらうよ」
「ああ。これだぜ」
「···ふむふむ。提示ありがとう。剣聖様はちょっとここから遠い場所だから、迎えを呼ぶよ。少し待っててもらえるかな?部屋も用意するよ」
「そこまでしてくれなくてもいいんだけど···?まぁいいか!頼むぜ!」
そうして受付してくれた兵士とは別の兵士が部屋に案内してくれたんだ。
ところが案内された部屋というのが···?
「着いた。ここでゆっくりしてくれ」
「···へ?ここで···?」
着いた場所は···、兵士の屋内練習場だった···。ここでゆっくりって···?
そう思ってたら!?
「ほう?こいつが剣聖様を害そうとする輩か?まだガキじゃないか?」
別の扉が開いて、たくさんの人たちが入ってきたぞ!?
「へ···?ちょ!?それどういう意味だよ!?」
「剣聖様に会おうという連中はほとんど暗殺しようとする連中だからな!ここで···、死んでもらおうか!!」
「げっ!?マジかよ!?」
···これ、もしかしてネボラにハメられた?
あの野郎!次会った時は覚えてろよ!!
読んでいただいて気づいたかと思われますが、フリード将軍は非常に交渉上手ですね!レオくんにもメリットがあるから!ということでレオくんを納得させてしまいました。
まぁ、レオくんにとってもいいことがありますので、両者得というわけです。
そしてネボラさんが言った通り、すぐに会うことになりましたね。先を見通すというのも剣術の達人だからというのもあるんですよ。
さて次回予告ですが、ネボラさんが言った通りに門で言ったら屋内練習場で兵士たちに襲いかかられてしまいました!しかし、レオくんの戦闘力はすさまじいのであっさりとはねのけてしまいます。
そして認めさせるとネボラさんがいるところまで馬車で送ってもらえることになりましたが、その行き先は···?
それではお楽しみに〜!




