降臨編-13.ライバル出現?
「よしっ!これでいいんだな!?これでここに住む人たちは安心して暮らせるんだな!?」
『ああ!よくやったぞ、レオ!ケガしてないか?』
「大丈夫!おれは回復魔法だって使えるんだ!この程度なら平気さ!さあ!次はどこの魔獣を倒したらいいんだ!?」
『ははは!そうがっつくな!毎日毎日大変だろ?自分のペースでやればいいからな!』
「そっか!じゃあオレのペースでやらせてもらうぜ!急ぎなら呼んでくれよな!」
『ああ!ありがとな!また連絡する』
魔獣退治をやって集落の危機を救うことができた。たまに神から直接オーダーが来るんでな。オレとしては魔獣退治できて嬉しいってのもあるな。
「ふぅ~。ま、こんなもんかな。もう大丈夫だぞ」
「あ、ありがとうございました!この集落を救ってくれて···」
「いいって事よ!そうそう、ちょっと大変だろうけど、倒した魔獣は今のうちに解体しておくと、しばらくは肉に困らないと思うぞ。そんじゃあな〜!」
神との交信を終えて、オレは集落の人にもう大丈夫!って声をかけた。
今日は住んでいるネイレの国の周辺にやって来た。ネイレ周辺はだいぶ駆除がだいたい完了したんでな。おっちゃんらも頑張ってくれてるから、オレはだんだん範囲を広げて討伐に励んでるんだ。
そんな生活をしていると、オレもこのあたりじゃ結構な有名人になりつつあった。『金髪の獣人の少年がとんでもなく強くて助けられた』ってな。
オレとしては神からのオーダーをこなしてるのに過ぎねえんだけど、やっぱ命を救われた!ってのは普通の感謝以上のようだ。
中にはオレを神だ!って言う人まで現れた。···神じゃねえんだけどなぁ〜。神に創られて派遣された代行者なだけなんだよなぁ〜。もちろん、本当のことは言えんけどな。おっちゃんたちにはバレちまったけども···。
言うなれば『神の遣い』ってのが妥当か?まぁ、どう呼ばれようが悪意がなければ好きにすりゃいいけどな!
オレは救った集落からさらに北へ向かった。ネイレの国はどうもこの大陸の南端にあるみたいだな。だから北へ向かえば魔獣がいるって事だ。簡単な事だな!
主に街道に沿って進む。もちろん、遭遇した魔獣は全員倒しておいたぜ!
そうして進むこと10日。道中にあった集落で襲撃を受けていたところは手助けして魔獣を殲滅した。中には全滅して廃墟となったところもあったな···。こればっかりはどうしようもねえ···。
そして次の集落あたりでいったんネイレへ戻ろうか?と思ってたところ、魔獣に襲撃されている国を発見した。
そこそこ大きな国のようだ。町を囲む外壁を魔獣は越えられずに、門や壁をひたすら攻撃している状況だった。
もちろん、人間側も黙っちゃいない。壁の上から弓矢や魔法、ものすごい長い槍で突いたりもしていた。
かなり善戦しているようだ。これだったらオレの手助けは必要なさそうだな。
こういった状況で手助けは悪手だ。オレはこの国から離れることにした。
さていったん帰るか!帰り道はさっきまで通った道ではない道で帰ることにした。地図があったらグルっと周るかんじかな?
そして帰り道でオレは運命的な出会いをしたんだ···。
道中の木の上で仮眠して翌日の日の出を迎えた。
そして道を歩いていると、魔獣と戦っている人がいたんだ!
助けに入ろうと駆け寄ったんだが···、そいつには手助けは必要なかったんだ。見た目は···、女だな。短い銀髪で服装はオレと似て軽装だ。そんな装備で大丈夫か?って思ったけど···、
「ふっ!はっ!」
鮮やかで見事な剣技だった。魔獣の動きに合わせて剣を振り、あっさりと仕留めていったんだ。邪魔しちゃまずいだろうから、オレは道端の木に隠れて様子を見ることにした。
こいつは···、今まで会った中では最強だな。こんな人間が地上にいるとは思わなかったぜ···。
そうしているうちに魔獣は倒されたようだ。20体ぐらいを相手したのに息が切れてなかったんだ。
「ふぅ···。おい?そこでずっと見ていたのはわかってるわ。出てきたらどう?」
オレの気配まで察知してやがったか···。こりゃとんでもないなぁ〜。とりあえず隠れてた木から出て姿を現した。
「さすがだな〜!いつから気づいてたんだ?」
「最初からだが?」
「へぇ〜。あんた、やるようだな?」
「まだまだだ。世の中、上には上がいる。···お前のように」
「···そこまで気づくのか?」
「ああ。尋常じゃない気配がしてるぞ?まるで『自分は神のような力を持ってる』とでも言いたげな気配だな」
「なっ···!?」
こいつ···、何者だ?そんな気配をオレはしてないはずだぞ!?
「その驚き様···、本当か?カマかけてみただけなのだが?」
「うぐっ!?···テメエこそ何者だ?」
「まずは自分から名乗ったらどうだ?それが剣士にとって最低限の礼儀では?私はネボラ。この周辺で修行している剣士よ」
「···レオだ。魔獣退治でネイレからグルっと回ってる最中だ」
「ほう?たった1人でこんなところまで来れるとは、なかなかだな?」
「そりゃどうも」
「せっかくだ。ここで会ったのも何かの縁だろう。どうだ?私と手合わせしてみないか?」
「···本気かよ?さっき魔獣相手に大立ち回りした直後だろ?」
「本気さ。さあ、試してあげるわ!!」
「ちょ!?いきなりかよ!?」
おいおい!?イキナリ斬り掛かって来たぞ!?しかも真剣じゃねえかよ!?
オレは慌てて魔力剣を展開した!
ガキン!!
「ほう?変わった武器だな?これは思ってた以上に楽しめそうだ!」
「狂ってやがる!!見知らぬ相手にいきなり真剣で斬りかかるなんてよぉ!」
「でないとレオの実力が測れんだろ?まだまだ私を楽しませてくれ!」
「お断りだ!!」
オレは全力で逃げようとした!しかし!?オレのスピードについてこれるだと!?
「逃げるな!心配するな!ある程度実力がわかればやめるわ!」
「いきなり斬りかかってくるヤツの言う事なんか信用できねえよ!?」
「それは失礼したな!だが、真実だよ!」
そこからオレは何度も斬りかかられた!鋭い剣筋だから、避けきれん!なんとか魔力剣で弾くので精一杯だよ!
そう思ってたら、ネボラから斬りかからなくなった。···気が済んだのか?
「ふむ···。おおよそだが、レオの実力はわかった···」
「知ってどうすんだよ···?」
「レオ?まだ実力を隠してるだろ?私の予想では···、今さっきのは本気の1割にも満たないな」
「············」
こいつ···、本当にオレの実力を測ってたのかよ?言い当てられてぐうの音も出なかった。
「実力もなかなかのものだ。だが···、剣についてはダメダメだな。今さっきのように、力任せに剣を振るうばかりでは多勢に襲われた時にどうにもならない」
「んなっ!?」
「その反応だと、これまでゴリ押しで魔獣とやり合ってたということだな?そして、それを通せる力がある」
「············」
「気に入った!」
「···は?」
こいつ···?何言ってんの?
「剣について知りたかったら、私を頼るといい」
「はぁ?」
「いずれ、その時が来るだろう。もし私に用事があるなら、ここから北にあるテーパーに来たらいいわ。門兵に『ネボラはどこだ?』と聞けば答えてくれるだろう」
「そんな時が来るのかよ?」
「ああ。それも···、かなり直近だと思うぞ?それではまた会おう!レオ!」
「···行っちまった。なんなんだよ···?あの女は···?」
これが、ネボラとの初めての出会いだったな~。そして、この後にネボラが言った通りにオレはテーパーの町に行く事になるんだよ···。
冒頭のエレくんとの会話は最初の番外編での『神様の憂鬱』第8話であったシーンですね!
レオくんの物語はこれまでアキくんの物語で登場した断片的な過去のエピソードの詳細なんですね。
そしてついに登場しましたネボラさん!
このあとレオくんの師匠として、そして妻として大活躍する方ですね。まぁ出会いからしてとんでもない状況でしたね!いきなり斬りかかってきたんですよ。しかも真剣で!
破天荒な方ですが、本作では非常に重要な役割を担っています。そしてものすごくキャラが立って作者もお気に入りなんですよね~。作者の脳内で再生する某大御所声優さん(17歳)の力もあるのでしょうけどね(オイオイ!)。
さて次回予告ですが、ネイレに戻ったレオくんはフリード将軍からネボラさんが剣聖だと聞いてびっくりします!そして夕食をまた誘われて酒場へ行くと、将軍から1つ頼まれたいことがあると言われます。何をレオくんに頼むのでしょうか?
それではお楽しみに~!




