降臨編-2.レオ、エーレタニアに降臨する!
『名前は何かな?』
「名前···?そんなの知らないぜ。キミがつけてくれよ?」
『そうか···。まぁ、創ったばっかりだからなぁ~。じゃあ、オレの名前の『レオ』ってのはどうだ?リカオンをモチーフにしてるのにライオンの名前っぽいけど』
「『れお』ね···。うん、いいんじゃないか?じゃあ、おれはレオって名乗ることにするぜ!」
オレが目覚めた時、最初のやりとりはこれだったな。目の前にはフツーのおじさんがいて、そこでいろんな話をしたんだ。このおじさんがこの世界の神様で、オレを創ったってのはわかってはいたな。
この時のオレは今と似たような格好の少年だった。年は···、エレに創られたからわかんなかったな。まぁ、そこまで重要なことじゃねえしな。ぶっちゃけ『産まれたての0歳』ではあったな!
そしてエレとの話が終わってエーレタニアに顕現したのは、さっき行った場所だな。特に何もない河原にポツンと現れたようだったな。
オレは神に創られた。って事は創られた目的がある。
そう、魔獣退治と異世界から侵略してきた連中を追い返すことだ。この世界の神に代わって。
まぁ口で言うのは簡単だが、実際にはうまくいかんだろうなぁ〜。もちろん、やれるだけのことはするし、それなりの力を与えてもらっちゃいるけどな。
まずは神器だ。ちっこい棒はオレ魔力を吸って武器になる。『魔力剣』ってとこか?
そして『無限収納リュック』。いくらでも入るらしいな。ただし、生きてるのはダメらしい。
使い方は知っていた。まぁ、神がそのあたりはきっちりしてたんだろうな。
そして、魔力。こいつはかなり多いようだな。って、比較する相手がいないからどれぐらいかまでがよくわからんけどな。
さらには『トランス』という、神狼族固有の変身能力もあるんだ。こいつは一時的に身体能力を大幅に上昇させることができるんだ。身体強化魔法の倍率をはるかに超える強さだな。
そして···、究極の能力が『真のトランス』だ!こいつはこの星の生命力でもある魔力の『龍脈』に自分の魔力をリンクすることで、無尽蔵に近い魔力を得て魔法が使い放題になるっていうものだ!あとでアキに聞いたら『ちーと』っていうらしいぞ。すごいって意味みたいだな。
さて、そんじゃあ行くとするか!って、どこに行ったらいいかはわかんねえけどな。そうそう、服はちょっと丈夫なくらいの服だ。一応ちょっとした戦闘には耐えられる程度ってとこか?まぁ、攻撃を受けなきゃいいだけだけどな!
とりあえず適当に歩いていると···、さっそくお出ましのようだな!!
「グァアアアーーー!!」
遠くから見えるぐらいの結構大きな2足歩行する魔獣だな!ちょうどこっちに向かって来ていた!そんじゃあこいつがオレにやられる魔獣の第1号だな!!
まずは剣を出す。魔力剣に魔力を込めると、黄色に光る部分が出てきた!こいつは魔力を込めるほど切れ味が増すって代物だ。そんじゃあ試し斬り!いくぜーーー!!
「うぉおおおーーーー!!」
ザシュッ!!
「ギャアアアアーーーー!?」
まずは片足をぶった切ってやった!走ってきていた大型魔獣はバランスを崩して倒れこんでしまった!倒れた衝撃で周囲には砂埃が舞い散った!
視界が悪くなったので、魔獣はオレの居場所がわからんようになったみたいだ。あとは痛みのせいか?思いっきりジタバタしてやがったな!
とりあえず魔力剣の切れ味はわかった。次は体術だな!とりあえずパンチとキックを食らわせてやった!!
ドゴォッ!ドゴォッ!!
「グギャッ!?ウグググ···」
何度か攻撃を加えると、魔獣は動かなくなった。ま、こんなもんか!とりあえずオレの力ってのはある程度は把握できたな。まだトランスと魔法を試してねえけどな。
倒した魔獣は解体した。解体の仕方なんて知らねえけど、こんなかんじかな?ってぐらいの気楽さでやるとうまいこといったな!教えてもらってないけど、やればなんとかなるもんだな。腹も減ってきたし、こいつの肉をいただくとするか!
近くに落ちている石を集めてちょっとしたコンロを作り、魔力剣で突き刺してから火で焼いた。肉の焼ける香りが食欲をそそるぜ~!
「そんじゃあいっただっきま~す!···うん!うめぇ~~!これが食事ってやつなんだな!」
そう、なにもかもが新鮮だ。創られたばかりだし、すべてが初体験だ!最初の魔獣が食えるヤツで良かったぜ!
さすがに全部は食いきれねえから、焼いた肉と生肉は無限収納リュックに入れておいた。入れておけば永久保存できるからな。何かあった時に食料があるってのはありがたいしな。
最初の魔獣を倒したあと、オレはあてもなく歩き出した。ここがどこだか知らんしな。
森は避けた。森の中はかなり多くの魔獣の気配がしているからな。こんなところに人なんて住んでねえだろ?
夕方前、遠くの方に建物が見えてきたんだ。どうやら人が住んでるようだな。夕飯前だから至る所から煙も上がってるしな。
ただこの煙、近づいて気付いたんだが、夕飯を作るためのものじゃなかったんだ!町の門が見えてくると、状況がわかったんだ!魔獣が襲撃してたんだ!
「···ホント、魔獣が多いなぁ〜。まぁ、だからこそオレが創られたってわけか。そんじゃあ···、全部ぶっ倒す!!」
オレは走った!身体強化魔法を初めて使ってみたんだが、流れる景色が速い!あっという間に門にたどり着いたぜ!
門では激しい戦闘があったようだ。多くの魔獣と兵士が倒れていた。門は壊れて開きっぱなしなので、魔獣が中に入り込んでるんだろう。
「そんじゃあ、大掃除でも始めるか!」
もちろん視界に入った魔獣は残らず倒していく!人が襲われてたらそっちが最優先だ。って、さっそく見つけちまったぜ!サクッと倒して倒れている人に回復魔法をかけてやったぞ。
「う···、うう···」
「ほれ!回復魔法かけてやったぞ!」
「···え?痛みが···、ないし···、体が動くぞ?」
「立てるな?見たところ逃げ遅れたっぽいが、どこに避難所があるんだ?」
「こ、こっちだ···。それと、ありがとう···」
「礼は別にいい。いつ襲撃が?」
「ひ、昼過ぎだ···。町中に入ったのはもうちょっと後だが···」
「なるほどな···。だったら先に避難所に行って、そこで潰した方が良さそうだな!おい!案内してくれ!最短経路でな!道中の魔獣は全部オレがぶっ潰すから!」
「あ、ああ!」
そして避難所にたどり着くと、そこでも大きな戦闘をやっていた!
「なんとしても死守するんだ!!」
「おおーーー!!」
避難所の前には多くの傷ついた兵士たちが魔獣に立ち向かっていた!
あ〜、もはや気力だけってかんじだな。完全に魔獣たちに囲まれてるし、さっき号令かけたヤツの足元にも倒れてるヤツがいる。突破されるのは時間の問題だったな。
「よし!おっちゃん!オレの後ろについてきな!一番安全だからな!」
「あ、ああ!」
「うぉおおおーー!どけどけどけーー!!」
オレは初めて実際にトランス状態になった!ははは!こいつはすげえな!力があふれてくるぜ!
そしてオレは無造作に魔獣へ突っ込んだ!するとどんどん魔獣が跳ね飛ばされていったぜ!
あっという間に魔獣の囲みを突破し、オレとおっちゃんはさっき号令をかけたおっちゃんのところへたどり着いた。
「な!?なんだお前は!?」
「あいさつは後だぜ!助っ人が欲しいだろ?こいつらは···、オレに全部任せな!」
「な!?なにをバカな事を!?」
「バカじゃねえ!いいから黙って見ておけって!」
「ちょ!?ま、待て!!」
「そんな状況じゃねえだろ!?まぁ見てろって!」
オレは魔力剣を展開した!トランス状態だから威力はさらに上がってるぜ!
そしてさらに魔力を込めて剣を伸ばしていく!そして···!
「くたばりやがれーー!どぉりゃあーーーー!!」
横に一閃!!
ズバッ!!
真正面にいた魔獣たちはオレの一撃で横に真っ二つになった!
「な···!?なん···、だと···!?」
「おい!呆けてる場合じゃねえだろうが!それとも、疲れ切ってもう動けねえか!?だったらこいつらは全部いただくぜ〜!」
避難所を襲ってた魔獣はこの後すぐに全部倒したぜ。ま、これぐらいは楽勝だな!
レオくん創造の理由は番外編1の『神様の憂鬱』エピソードで登場していましたね!レオくんの物語はここから始まりました。
生まれたばかりなのにさっそく魔獣退治を始めました!基礎的な知識とかは創造時にナビくんがエレくんの知識の一部をインストールしてくれていたので、即戦力として動けたんですね。あとは神狼族としての戦闘センスなんです。
さて次回予告ですが、襲われていた国を襲撃した魔獣を全滅させたレオくんは、この国の兵士から『ここに住まないか?』という提案があり、1箇所に留まりたくないというレオくんでしたが説得されて土地をもらってしまいます。レオくんの拠点が決まるエピソードですね。
それではお楽しみに〜!




