前編-14.ドッペル
※2026/4/12追記
以下のまえがきは2025/12/28投稿時のものです。
12/28は執筆開始記念日なんですよ!小説家としての誕生日とも言えますね~。
毎日新エピソード連続投稿は途絶えましたが、アキくん以外の新作を書いてますよ~!ただ···、投稿は半年以上先の作品なので、投稿はもう少しお待ち下さいね。
本日で前編完結なので朝に投稿しています。
そして!本日は執筆開始2周年なんですよ!2年前の今日、アキくんの物語が誕生したんですね〜。
読者の皆さまのおかげで2年間毎日投稿続けられました。
来年は···、ちょっと厳しいですが可能な限り続けたいと思っております。引き続き応援いただければ幸いです。
「改めて礼を言おう。幼き勇者よ。モンドとフーと言ったな。ワシの名はポズと言う。ホールは無事ということだが、事情を説明してほしい」
おれはこれまでの状況を説明した。ひょんなことからおれはホールと、フーはトロン皇子と出会って護衛していたということ、今は保護されてるということを伝えた。
そして、ここに来た目的だ。アクセプタ王国を乗っ取った連中の正体と王様の安否確認だな。安否確認は今できたけどな。
「そうか···。ドナー帝国の皇子と一緒とは···。因果なものだな···」
「王様。ここを乗っ取った連中というのはどういったやつらなんですか?」
「それが···、さっぱりわからんのだ···。ただ···、何人か同じ姿をしておったのだ···。ワシと同じ姿の者もいた。今はそやつが王として···、玉座に座っておる···」
「同じ姿をしたやつら···。そいつらがそのまま入れ替わったって事か···。よくホールを逃がせたんだな···」
「ああ。最初に気づいたのがリウムだったのだ。『知ってる人の性格がまったく違う』と気づいて真っ先に報告に来たのだ···。よからぬ予感がしたワシは、リウムにホールと一緒にこの緊急脱出通路を使って逃げるよう指示をしたのだ···。無事でよかった···。しかし、話によると、ダイオが裏切っていたとは···」
「そっちは未然に防いだぜ。となると、そっちにも連中は手を回してるってのは確定だな···」
「王様〜?ここから逃げようか~?」
「···いや、ワシはここに残らねばならん」
「どうして!?」
「ここの王だからだ。今は『元』にさせられてるが、王の逃亡は国の滅亡を意味する。連中に完敗したと言ってるようなものだ。そればかりは王族としての沽券に関わる」
「でも!それで命を落としちまったら!」
「そのためにホールを逃がした···。ワシが死んでも、王族は残れば再興できるでな」
「···最初から死ぬつもりだったんだな?」
「そう簡単に死ぬ気はないぞ?ただ···、正直疲れた···。最近は食事がほとんどなくなった···。手をかけずに餓死させるつもりだったのだろうな···」
「ひどい!」
「ゲスなやり方だぜ!」
「まぁ、フーさんの食べ物でだいぶ元気になれたよ···。ありがとう」
「どういたしまして〜。···モンドくん。城の中を調べよっか!」
「おう!ついでに正体も暴いてやるぜ!」
「···どうやってここまでたどり着いたのかはわからんが、やめておきなさい。と言っても聞かんのだろうな?」
「もち!フーたちは潜入に慣れてるし、それなりに強いよ〜!」
「心配すんなって!···もうちょっとだけ辛抱してくれ。必ず、助けに来る!次に来た時は···、ホールもいるだろうよ!」
「···若人よ。決して無理はするな。逃げるのは恥ではない。ちゃんと自身の力量を理解して、状況判断が適切だったと思うのだ」
「「はいっ!」」
「気をつけてな···」
牢屋にいた王様に話が聞けた。たくさんの情報が得られたけど、同じ姿をした人たちって···、どういった連中なんだろうか?
ちなみに王様には保存食をフーが渡していた。小さい飴サイズのものだ。食べるとしばらくは食べなくても大丈夫ってなものらしいぞ。ちなみに現在研究中の品らしい。研究の際にできたものは、ヨウさんに食べさせてるらしい。···実験台にされてんのかよ?
地下牢から地上に上がった。もちろん錠前がかかっていたが、フーがあっさりと解錠したな。
見張りはいなかった。侵入者なんていないって思い込んでるんだろうなぁ〜。カギかけただけで安心なんて思うなよ?
さてと···。中はいたって普通だったな···。入れ替わっただけだから、不審者って思われてねえんだろうなぁ〜。
とりあえず、まずは一番奥へ行くことにした。結構広いけど、一番奥に悪がいるってのは定番って『ひーろー活動』やってるアトラも言ってたしな!
道中は使用人と思われる人だけすれ違った。兵士たちはそんなに多くないようだな。戦争に行かされてるのかもしれねえけどな。
宮殿の最上階にやって来た。大きな扉だぜ···。どうやらここが玉座とか謁見の間ってとこだな。
扉を少し開いてみたが、中には誰もいなかった。って事は別の場所か?
どうも宮殿にはいないようだった。宮殿のほかの場所って言ったら···、離れみたいな建物がちらっと見えたので、そっちか···?
おれたちはそっちに向かってみた。宮殿からは屋根しかない開放的な廊下でつながっていた。廊下の両側は見事な庭園になってたな。
そして離れの建屋にたどり着いた。···なんか嫌な雰囲気がプンプンするぞ?
「(フー。どうやらここだな)」
「(そだね。慎重に行くよ)」
おれたちは中に入った。
入ってすぐは2階分の吹き抜けのホールだった。見通しが良すぎて隠れるには不向きだな···。
ホールの左右に廊下があった。まずは向かって左側に行くことにした。全部調べるんだけどな!
左側は寝室のようだった。今は夕方前だからベッドメイキングも終わっててきれいな状態だったぜ。
お次は右だ。すると、こっちは大浴場や食堂などのホールだった。
すると、フーが厨房へ向かって行って、すぐに戻ってきた。
「(フー?何してんだよ?)」
「(何食べてるのか調査〜)」
「(そんなの後でいいだろ?)」
「(大事だよ。作ってる量がハンパなく多かった。おそらくここにいる連中も、魔導兵に近い存在かも)」
「(なるほどな···。そういう情報も大事か)」
「(あと、レシピが貼ってたからいただいちゃった〜!)」
「(そっちが本命じゃねえかよ!?)」
フーはちゃっかりしてたわ···。まぁ、家が飲食店だとレシピは気になるんだろうけどさ。
気を取り直して、次は2階だ。ここは執務室っぽいな。ということは···?
ビンゴ!いたな。なんか偉そうなやつだ。
扉越しだとすぐに見つかっちまうから、おれたちはいったん離れて近くの部屋に入り、そこから天井裏に入った。点検口が必ずあるからな。
そして天井裏から執務室に入った。途中に隔壁があったが、そんなものはフーが音もなくくり抜いてしまったぜ!
そして執務室には2人の男女がいた。一方はさっき地下牢にいた王様にそっくりだぜ···。なにか話してるな···。
「戦況はどうだ?」
「もうすぐ陥落といったところね。思ってた以上に手こずっててねぇ〜。思うように進まないわ」
「この世界の住人たちも中々やるようだ。一筋縄ではいかんか」
「少々ナメてたというのもあるわね。魔導兵の投入がもっと早かったら、戦況は良かったかも?」
「いや、そういう問題ではないだろう。おそらく投入しても、大して差はなかろう。直接手を下せないのが腹立たしい。結界などと余計なものを張りおって!」
フーの予想通りだったか···。こいつら、エーレタニアの住人じゃなかったな。となると異世界からの侵略者···?でも、ファイアーウォールってのが張られてて、こういった連中は弾かれるはず···。
何か裏があるのか···?
「まぁ、時間の問題でしょう。こちらは力のない道具を持ち込んで遊んでるだけ···。『ドッペル』が性能を発揮するのは持ち込んだ後とは、誰も気づかないでしょうし」
『ドッペル』···?異世界の魔道具か?一体何なんだよ···?
セミダクター大陸動乱前編 完
犯人は異世界人でした。
ドッペルという名の魔道具を用いてアクセプタ王国乗っ取りを行なったようです。
後編ではこのドッペルをどのように対処するかが焦点になります。後編はエピローグ含めて26話と、ちょっと長めのお話になります。ご期待ください!
このあとネタバレ集を投稿し、次回からは『年末年始すぺしゃる2』、(投稿当時の)正月から6日までは『投稿2周年記念SS集』を投稿します!
後編は7日からの投稿ですので、しばらくお待ち下さい。




