武者修行編-20.アイム島へひとっ飛びだぜ!
『···そ。···大変だったね』
「ああ···。まさか同じ神狼族で、あんな怪物がいたなんてなぁ〜」
「最期にありがとうって言ってたよ」
『···よくやったね。···その人も喜んでるよ』
レイスの沖にいた怪物を倒したおれたちは、ホテルに戻って状況をばーちゃんに伝えた。
すまほを使えばどんなに遠くにいる相手でもこうやって話をすることができるんだ。本当に便利な神器だな!じーちゃんが元いた世界の道具らしいけど、じーちゃんの世界って便利な道具が多かったんだな!
今日は真のトランス状態で戦ったので疲労困憊だった。港まで飛んで帰るまではトランス状態を維持したままだったので魔力切れの心配はなかったが、めっちゃ疲れたんだよ···。
だから報告は明日だ!ホテルは今日の宿泊まで予約していて良かったぜ···。ばーちゃんに報告を終えた後、ちょっと早い夕食をいただいて部屋に戻ったら、おれもフーもそのまま寝ちまったんだよ···。
そして翌日···、ホテルをチェックアウトして冒険者ギルドに向かって怪物を倒した報告をした。
「···マジで?」
「マジで。これが討伐した怪物の部位だ。どこの部位かわかんねえけどな」
「···確かに海の魔獣とも違うわね」
「まぁ、報酬はどうでもいいぜ。とりあえず報告な」
「わかったわ。報酬は···、口座って作ってるのかしら?」
「一応はな」
「ちょっと金額が大きくなりそうなのよね。だからここで渡せないかもしれないからね」
「まぁ、いいけどな。おれたち、これから別の場所へ行くつもりだし」
「ならなおさらね。移転手続きしておくわ。また来てちょうだいね!」
「おう!その時は頼むぜ!」
どうも長年依頼が出っぱなしの状態だったようで、どんどん金額が上積みされていたらしい。
でも、おれらが倒したって証明を持っていっても、それが本当に怪物のものか判断つかないらしい。
そりゃそうだよなぁ〜。会ったらほぼ確実に死んじまう相手だったんだから、本当かなんてわかんねえもんな。
というわけで、依頼達成かどうかはちょっと時間がかかるらしい。別にお金はそこそこ稼いで多少の余裕はあるからな。
そしておれたちはこの町を去ることを伝えた。すると···、
「もう行っちまうのかよ!?」
「え〜!もっといてよ〜!かわいいんだから〜!」
「元気でな!次また来てくれたら(厄介な)すっごい依頼を残しておくからな!」
ほかの冒険者たちからお別れのあいさつがあった。···いや、あいさつじゃねえんじゃね?
最後のやつなんか、厄介事をおれたちに押し付ける気マンマンだろ!?自分らでやれよ!?マジメにやってるのがバカ見るのはゴメンだぜ!?
さて、そんなやり取りを終えておれたちはギルドを出た。
「ふぅ〜。とりあえずここはもういいな」
「そだね〜。また来るかもしれないけどね〜」
「そんじゃあ、アイム島に行ってみるか!」
「お〜!」
アイム島へは高速飛行魔法で飛んでいく。結構音が大きいので、おれたちは昨日に引き続き港の一番端っこにやって来た。そして高速飛行魔法を展開して大空へ飛び立った。
アイム島までは2時間ちょっとで到着したぜ。じーちゃんの話だと船で3日って言ってたから、高速飛行魔法だと本当にあっという間に着いてしまうなぁ〜。
じーちゃんの話やクオンたちから聞いた話によると、アイム島は『りぞーと地』ってところらしい。意味はよくわからんけどな。
年中海が温かいので海水浴にもってこいらしい。そもそもおれも泳いだことはあんまりないんだ。じーちゃんとウェーバー大陸を旅した時に湖で泳いだぐらいか?
確か水着着たんだよなぁ〜。買ってもらったけど、もう小さすぎて着れないけどな。
···今思えば、女性用の水着って結構露出が多かったような気がするぞ?
でもばーちゃんが着てた紺色の『すくみず?』ってじーちゃんが言ってた水着はそこまでじゃなかったけど、じーちゃんはものすごく反応してたな?あれってどういう事だったんだろうか?よくわかんねえなぁ〜。
島を上空から見たら、ドーナツっていう食べ物とよく似た形をしていた。島の中央にも湖があるんだ。面白い形してるなぁ〜。
そして島の一角はものすごく大きな建物が建っていた。確か···、物流倉庫だったっけ?青竜高速特急便で運ぶ荷物を一時的に保管するための場所って聞いてるぞ。
そのすぐ横にそこそこ長い道が2本整備されていて、そこから青竜たちが降り立ったり飛び立ったりしていた。これってじーちゃんの元の世界であった『空港』ってやつか?
『フー!あそこに降りようぜ!』
『お〜!』
2本の道は、どうやら離陸と着陸用に別れてるっぽいな。邪魔しちゃ悪いから、おれたちは着陸で使われてる道へ同じ向きで着陸した。そしてすぐに道から出た。
「ふぅ〜。これって降りるのも飛び立つのも気を遣わずに楽でいいな〜!」
「そだね〜!いっぱい飛んでいったり降り立ったりするんだったら、こういう道があったら便利だよね〜」
フーとこの道の感想を言い合いながら道から離れようとすると、一人の青竜がこっちに向かってきた。なんだか慌ててるけど···?
「キ、キミたち!今降り立ったよね!?」
「へ···?ええ。降りるのに便利だったので使わせていただきましたけど···?」
「なんでドラゴン族じゃない人族が飛べるのさ!?」
「え?高速飛行魔法の事ですか?青竜の皆さんが使ってる魔法を使っただけですけど?」
「なんで使えるのさ!?」
「なんでって、この魔法を開発したのがおれたちのじーちゃんだからですけど···」
「そうなのかい?ということは王子の知り合いなんですな?」
「王子···?」
「青竜の集落の長で、青竜の高速特急便の社長だよ」
「あ〜、ケンおじさんですね?いるんだったらあいさつさせてもらいたいですね」
「おじ···。社長は昨日から一家総出でクオン嬢ちゃんの迷子捜索に出てるから、いつ帰ってくるかわからないよ?」
「···え?迷子捜索?」
そうだった。クオンは確か極度の方向オンチだったんだよ。だからケンおじさんはよくクオンを捜索しに飛んでるって言ってたなぁ〜。
「モンドくん。フーたちも手伝う〜?」
「手伝いたいのは山々だけど、どこ探してるのか知らんからどうにもできんぞ?」
「あ〜、そだね〜」
「しゃあねえ。島の観光して時間潰しておこうぜ。戻ってきたらあいさつしたらいいんじゃね?」
「うん!」
「観光しに来たのかい?だったらこの先に海水浴場やレストランが立ち並んでるところがあるぞ」
「ありがとうございます!行ってきますね!」
というわけで、あいさつはまだできないので先に観光することにしたんだけど···。
モンドくんとフーちゃんは飛行機のジェットエンジンを模した高速飛行魔法が使えるので、あっという間に海を飛び越えてアイム島へ向かいました。実際に使えるならこういう魔法があると便利ですが、使える人が多くなると航空事故が増えそうですよね〜。管制官なんて概念ないですから、空港も管制官なんていません。みんな好き勝手に離陸着陸できるのは、ほぼ青竜だけという少数だからですね。
高速飛行魔法が使えるという事は短時間で長距離飛んじゃってるんです。ですので、クオンちゃんが迷子になると捜索範囲が果てしなく広がります(笑)!
クオンちゃんにキッズスマホを持たせてたら、ケンくんのスマホで迷子捜索機能を使って探せるんですけどねぇ〜。見つけても追いつくのが大変ですけどね。
さて次回予告ですが、ケンくん一家が不在だったので、とりあえず観光するか!ってことでビーチに来ましたが···、誰もいません。
どうも魔獣が出没してるらしいので、モンドくんとフーちゃんで退治する事にします。
しかし!服着たまま海には入れないので水着を買うのですが···、どんな水着を着たのでしょうか!?
それではお楽しみに〜!




