武者修行編-17.レイスで請ける依頼は?
アイム島へ船旅が楽しめると思ったら廃止になっちまってたぜ···。せっかく港町に来てるのになぁ〜。
そう思ってるとフーがこんな提案をしてきた。
「モンドくん!だったらもうフーたちも飛んでいこっか!」
「···あ〜、そうすっか。高速飛行魔法使っちまうと旅してる感覚なくなっちまうけどな」
「でもでも〜!高速飛行魔法の訓練にもなるよ〜!船旅できないなら飛んで行っちゃえ〜!」
「ま、そうすっか。ホテルはあと2泊分払ってるから、それまで依頼請けるか」
「さんせー!」
というわけで冒険者ギルドにやって来た。もうピークは過ぎてるようなので、中はガラガラだし依頼の紙もほとんどなかった。
さてと···、何かいい依頼はあるか···?
・海上にいる怪物をなんとかしてくれ!
・旦那の浮気相手を討伐しな!魔獣相手してるんだからできるだろ!?
・家の片付けを手伝ってくれ!ゴミだらけで住める空間がないんだ!
・大人気とウワサの飲食店『ハンティング・アイ』のメシが食いたい!宅配してくれ!
・街道に住み着いた凶悪魔獣退治。警戒中なので迂回してる状況だが、迂回路にも出るようになったんだ!
···魔獣関係はまだしも、ほかはろくでもないなぁ〜。
「うちのお店から宅配って、フツーの冒険者さんじゃ腐っちゃうね〜。青竜高速特急便使って出前ってムリだね〜!」
「エイテ帝国までフーの店の評判あるとはなぁ〜。食いに行くほうがまだマシだよな」
「そだね〜。フーは浮気相手の討伐にしようかな〜?」
「冗談やめろ。フーがやると暗殺術で簡単にやっちまうだろうが?」
「えへへ~、やらないよ〜!で、どうする〜?」
「海上の怪物ね···。海の魔獣相手ってのも面白そうだな」
「街道の魔獣も良さそうだね〜。今日は街道行こっか!」
「そうだな!夕方までには戻れるだろ。海は船出してもらうだろうから準備に時間かかりそうだもんな。明日の朝イチでいいんじゃね?」
「いいね〜!そうしよっか〜!」
おれは2つ依頼の紙をはがして受付に持っていった。
「すいません。これお願いできます?」
「あら?昨日の満点の子ね〜!うちでも仕事やってくれるのね?どれどれ〜?」
受付のお姉さんは昨日の人だった。おれが渡した依頼の紙を確認すると···?
「···あなたたち、悪いことは言わないからこの2つはやめときなさい」
「え?どうしてです?」
「まず街道の魔獣よ。想定外のレア魔獣が住み着いちゃって、死者も出てるわ」
「どんな魔獣ですか?」
「スナイプウルフよ。木の上から土魔法で石を作って狙撃してくるのよ。しかも急所に1発で仕留められてるわ」
「へぇ~!」
「おもしろそ〜!」
「ちょっと!?話聞いてた!?遊びじゃないのよ!?」
「わかってるって!狙撃ならばーちゃんに教わった!」
「モンドくんよりもフーが得意だね〜!」
「···ハルさんのお孫さんだったわね?本当に大丈夫?」
「ああ!」
「今回はフーがやっちゃうね〜」
「···わかったわ。あともう一つの海上の怪物はね?こっちはハルさんでも太刀打ちできなかったのよ」
「ばーちゃんでも!?」
「ほぇええ〜〜!?」
「だから誰も請けられないわ。かれこれ50年以上棲み着いてるけど、被害はそれほど多くないから急ぎじゃないのよ」
「いいぜ!燃えるなぁ〜!」
「ばーばを超えるいい機会〜!」
「···これも請けるのね?ただし、船は出せないわ。貸すことはできるけどね」
「それで構わねえぜ!」
ばーちゃんでも太刀打ちできなかった怪物か!これはおれたちでやるっきゃないぜ!
さて、今日は街道に出るっていうスナイプモンキーって魔獣を討伐するぞ〜!街道にやってくると看板が出ており、『この先凶悪魔獣出没のためキケン!迂回路はここを左へ』って書いてあった。
「ここから先だな···。行くか!」
「お〜!」
看板の奥へ入っていく。そしてすぐに···!?
「伏せっ!!」
フーが指示してきた!すぐに伏せると、おれの頭上を猛スピードで石が飛んでいった!
伏せてすぐに腕を使って起き上がり、近くの木の裏へ隠れた!フーが気づかなかったらヤバかったな···。代わり身で受けるけどさ。
「(モンドくん。フーが出る)」
「(了解!気をつけろよ!)」
「(もち!)」
フーはおれにだけ聞こえる通信魔法で伝えてきた!じーちゃんに教えてもらった『てれぱしー?』ってやつらしいぜ?
これ教えてもらってできた時にじーちゃんは『エーレタニアの人たちって人類の革新後なのかなぁ〜?』ってボヤいてたけどな。意味わかんねえけどな。
そしてフーは隠れていた木から無防備に出た!どこから狙ってくるかを確認するためだな。そして···、
パァーーーン!!
フーの頭が撃ち抜かれた!!撃ってきたのは真正面からだ!
フーの代わり身がドサッと倒れた次の瞬間!
パンッ!パンッ!
軽い2発の銃声が聞こえた。フーの魔法剣から魔力の弾丸を撃った音だ!
「(外した!)」
「(マジかよ!?フーで外したのかよ!?)」
「(いや、ほかの魔獣を盾にした!)」
「(魔獣同士でそんな卑劣な事すんのかよ!?)」
「(だいじょぶ!今度は逃さない!)」
フーはステルスモードになり、姿を消した。
そして森の奥にどんどん入っていった!おれもステルスモードになってフーの後方から追いかける。
···いた!木の上を凄まじい跳躍力で飛び回り、その時に落ちる葉っぱで姿を隠しながら移動していた!おれが倒したことのある魔獣である『マント・ヒヒ』も同じように動くぞ。
フーはステルスモードのまま、周囲の気配を感じ取ろうと集中していた。この間、完全に無防備だが、代わり身で受けることはできるから問題ない。
そして···、
「···そこっ!!」
フーは振り返って魔力剣から弾丸を2発撃ち込んだ!
「ギャッ!?」
命中だ!フー後ろにある木の上からドサッっと落ちてきた。全身緑色と茶色の毛皮をしたオオカミだった。
「これで終わり!!」
フーが魔力剣でのど元を切り裂いた!結構難敵だったなぁ〜。
「フー、お疲れ」
「強かったよ〜!思ってた以上に疲れた〜!」
「だろうな。ただの魔獣にしちゃ、ここまで厄介なのがいるとはなぁ〜」
「だよね〜。さて、無限収納ポシェットに入れて〜、モンドくん!帰···、そこっ!!」
フーが話してる途中で、フーはおれの右肩に魔力剣を向けて魔力の弾をおれの後ろへ向けて撃った!
「ギャッ!?」
「もう1体いやがったか!?こいつはおれがやる!」
あぁ〜、これっておれが初めて魔獣狩った時と一緒じゃんかよ···。
あの時もパパから『一番気をつけないといけないのは、敵を倒した瞬間だ。どうしても気が緩むからな』って言われたんだよなぁ〜。
「フー、ありがとな。助かったぜ」
「いいよいいよ〜!今はモンドくんと一緒に狩りをやってるんだしね〜」
「おう!次はおれがフーを助けるぜ!」
パパが言ってた武者修行···。思ってた以上に奥が深そうだぜ···。
冒険者ギルドには変わった依頼がありますが、ちょっと『これどうなん?』って依頼もあったりします。
ギルドの依頼は出したからといっても請けるかは冒険者次第ですし、請けるまで時間もかかります。緊急性が高いと金額は高くなりますけどね。これはどのファンタジー系でも同じですね。需要と供給の関係が出ます。
今回は強敵の魔獣でしたね。いろんな魔獣がいますから、その時々に応じて対応を変えないとやられちゃいます。基本的にモンドくんとフーちゃんはスペックが高いのでそう簡単にはやられませんけどね。
さて次回予告ですが、高難易度の依頼を終えてギルドに戻って報告を終えると、モンドくんとフーちゃんはギルド併設の酒場で食事にします。すると、大荒れのパーティーがやって来てモンドくんが座ってる席を譲れ!と言いがかりをつけられてしまいました。
モンドくんはどういう対応をするのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




