武者修行編-14.モンド、『仲間』とは何か?を考える
リオじーちゃんとアピアさんの授業が終わった。
アピアさんと一緒に職員室に戻ると、アキじーちゃんとリオじーちゃんがいた。
「おっ?お帰り。モンドくん、フーちゃん」
「お疲れだったなー!」
「戻ったぜ、じーちゃん!リオじーちゃん!」
「ただいま〜!家じゃないけどね〜」
「どうだった?授業に出てみて···。って、リオの授業で本気出したって聞いたけど?」
「出したけど負けちまったぜ···」
「フーもくやし〜!」
「ま、まぁ学園の授業で本気出すってのもちょっと危ないんだけどなぁ〜」
「そこは心配ないぞー。オレがきっちり結界張ってるからなー」
「それでも心配なんだけど···。アピアさんはいかがでしたか?」
「もうすごかったわ···。モンドくんなんて皆伝秘技なんて必殺技を閃いちゃったし···」
「えっ!?皆伝秘技だって!?モンドくん、本当に!?」
「おうっ!氷魔法と併用する剣技なんだぜ〜!」
「すごいなぁ〜。フユが聞いたらびっくりするだろうなぁ〜」
「びっくりするって!そんで慌てて皆伝秘技をすぐに編み出しちまうんだよなぁ〜、パパって」
「あはは···。フユもすごいからね。さて、このあとは領主邸に戻るかい?」
「そうだな···。そろそろ戻ってきてる頃かな?」
「かもね〜」
「よし。じゃあ、ボクもカーネさんとアイリさんにあいさつしてから帰るよ。リオも行くでしょ?」
「えーー?行かなきゃダメかー?」
「せっかくだし、行こうよ。ボクと一緒なら転移魔法で帰れるよ」
「むーー、絶対にからかわれるからなぁー」
「あはは···。それは仕方ないよ」
「オレとしては仕方なくないんだけどなー」
リオじーちゃんはカーネさんとアイリさんに会うのが嫌らしい。確かに前回一緒に行った時も結構イジられてたな。
この日はじーちゃんもリオじーちゃんも5限という最後の授業がなかったそうなので、一緒に領主邸に行くことにした。じーちゃんたちはあいさつしたらすぐに帰るそうだ。家でばーちゃんが待ってるからだってさ。
そして領主邸に戻ると、今日もカーネさんが後ろから声をかけてきた。
「おっ?アキじゃないか。それにリオも!」
「ご無沙汰してます。カーネさん」
「おー、相変わらずそうだなー」
「ははは!いや、さすがに年取ってきたからな!若かりし頃ほどではなくなってきてなぁ〜。長寿のドラゴン族がうらやましいぞ」
「あんま長生きしてもいいことないけどなー」
「ところでどうしたのだ?モンドくんとフーちゃんは昨日から滞在しておるが?」
「いえ、孫がお世話になってるのでごあいさつをと思って」
「オレはアキと帰れば転移だから楽できるからだぞー」
「ちょっとリオ!」
「本当の事だぞー」
「ははは!リオは相変わらずだな!アキも気にしないでいいのに律儀だな!ここで立ち話もなんだ。中で少し話そうか!」
「ええ。おじゃまします」
屋敷に入り、応接間で話をしていたらアイリさんもやって来たよ。
「アキさん。ご無沙汰でしたわね」
「ご無沙汰してます、アイリさん。孫がお世話になってます」
「いえいえ、さらに腕を上げてるようですわね。もう少しで太刀打ちできなくなるでしょうね」
「そこまでですか···?モンドくん、フーちゃん?」
「冗談きついぜ!昨日は余裕でやられちまったぞ!?」
「フーも悔しかった〜!」
「ははは!それは昨日も言ったが経験の差だ。しかし、その差も埋まりつつある。太刀打ちできなくなるのは本当だぞ?もう少し先だがな」
「なるほど。やっぱり神狼族ですからね」
「ですわね。今は冒険者をされてるとのことで。お孫さんの活躍に期待していますわ」
「そう言っていただけると嬉しいですよ。それじゃあお暇させていただきますね」
「ええ。そうそう、せっかくですから、夕食をお持ち帰りされるといいですわ」
「やったー!今日は家事しなくていいぞー!」
「ちょっとリオ!」
「ははは!やはりリオはまだまだ料理がダメなのだな!もう2度と食べたくないけどな!」
「なんだとー!?」
「リオ!ダメだって!カーネさんは本当の事言ってるんだから!」
「アキが何気なくひどいこと言ったー!?」
「ははは···」
じーちゃんたちは賑やかだなぁ〜。見てると面白いよ。
···そうか。これが『仲間』なんだな。
気さくに話しかけて文句を言っても冗談と受け取って笑ってやり過ごす。もちろん、信頼関係があってのことだ。なければそれはただの暴言だろうからな。
じーちゃんが旅をして、自然とできた仲間かぁ〜!おれたちにもそんな出会いがこのあと待ってるんだろうな。
そう、じーちゃんたちのやりとりを見てておれは考えたんだ。
「それじゃあモンドくん、フーちゃん!冒険者のお仕事頑張ってね。ムリは禁物だよ」
「わかってるって!」
「フーも頑張るよ〜!」
じーちゃんはリオじーちゃんを連れて転移魔法で家に帰った。まだおれもフーも転移魔法使えないんだよなぁ〜。すまほを使ってやると楽にできるらしいけどな。まだまだすまほの扱いに慣れてないからなぁ〜。
ちなみに今日もカーネさんとアイリさんと試合したぜ!今日はおれはカーネさんと、フーはアイリさんとやったんだが結果は···、
「マジかよ!?カーネさん強すぎるぜ!?」
「フーの攻撃手段封じられた〜!」
「ははは!あともう少しだぞ?」
「多くの攻撃手段を持っておかないと、こうなってしまいますわね〜。でも、あと一歩と言ったところですわね」
やっぱり手も足も出ないんだなぁ〜。あの手この手とやるんだが、真正面から跳ね返されるしかわされるし···。
本当に経験って大事なんだなぁ〜。『こう来たらこう返す!』ってのが事前に分かってないとできない予測不能な動きをするんだよ。
こうして稽古をつけてもらったり、じーちゃんの学園を見学したりして、充実した3日を終えて、おれたちは行商人の護衛の仕事に戻る。
「カーネさん!アイリさん!お世話になりました!」
「ありがとうございました〜!」
「ははは!また遊びに来るといいぞ。今度は両親も連れて来なさい」
「次に会えるのを楽しみにしてますわ」
出発の日の朝にあいさつを終えて、おれたちは領主邸を後にした。
町の出口の門の前には行商人たちの馬車が最終チェックをしていた。おれたちは行商人の長のところへ向かった。
「おっ?やって来たな」
「はい!お待たせしました!」
「いつでも行けるよ〜!」
「そうか。そんじゃあ荷馬車の上で待機しといてくれ。準備でき次第、出発するからな」
「はいっ!」
「は〜い!」
行商人一行はカイジの町を出発して、引続きエイテ帝国に向けて進み始めた。
友だち、仲間···。これが意外と難しい···。
作者は超人見知り激しいので、数多くはおりません···。数少ない友人や悪友とは連絡取り合ったり会ったりはしますけどね。ホントたま〜に会う程度ってぐらいの頻度です。
ですので、モンドくんと同じくうらやましいなぁ〜!って思うことがありますね。本作を通じて知り合った方もいらっしゃいますので、この先に広がるかもしれませんね。
さて次回予告ですが、カイジの町を出発したモンドくんとフーちゃんはついに行商人たちの目的地であるエイテ帝国の首都レイスに到着して護衛業務を終えました。
そしてギルドへ報告に行くと、冒険者ランキングなるものがある事を知ります。どんなランキングなのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




