武者修行編-12.リオじーちゃんに魔法勝負!!
「よーし!時間は5分間だー!全力で来ーい!」
「よし!やってやるぜーー!」
「フーも〜!」
リオじーちゃんの魔法の授業に飛び入り参加したおれたちは、授業が終わる最後の5分間にリオじーちゃんと試合することになった。
ルールは簡単だ。攻撃は魔法のみ!以上!
「そんじゃあいくぜ!凍れる世界!」
先制はおれだ。まずはとっておきの氷系最強魔法だ!こいつは周囲を凍てつかせて、動ける者を凍えさせて身動きを鈍らせる魔法だ!耐えられなかったら体丸ごと凍らせて砕け散らせる。吐く息が白くなっていく!
「おー!いきなり大魔法だなー!」
「リオじーちゃん相手に手なんて抜けねえからな!そんな事したら、あっという間にやられちまうしな!」
さらに追加効果を発動させる!おれのこの凍てつく空間の中では氷系魔法は使い放題だ!溜めなしで撃ちまくってやる!
「うおおおーー!?激しいぞー!!」
「まだまだまだぁーーー!!」
空間の中では無数の氷の矢がリオじーちゃんに襲いかかる!しかしリオじーちゃんは魔法のバリアで完全防御していた!
「やるなー!カークの氷系魔法より手強いぞー!」
「そう言って余裕こいてるのも今のうちだぜ?」
「なんだってー?うおっ!?」
おれは氷の矢をとある1点に集中させた!いくら魔法のバリアでおれの氷の矢を防御したとしても、ほんのわずかにダメージが蓄積されていくはずだ。修復が間に合わない速度でダメージを与えれば、いつかは壊れるってもんだ!
パリーーン!!
リオじーちゃんの魔法のバリアが破壊できた!これでリオじーちゃんにダメージを与えられる!そう思ってたんだけど···、
「やるなー!だけど、魔法のバリアを破って勝ったと思ったら大間違いだぞー」
そう言うリオじーちゃんは、今度は全身に炎をまとっていた!オレの氷の矢はその炎の前にすべて消滅させられてしまったんだ!
「マジかよ!?その魔法は見たことねえぞ!?」
「『バーニングボディ』って魔法だなー。体に炎をまとわせて、水と氷と炎系の魔法は無効化できてしまうんだぞー。しかも、炎をまとった状態で攻撃もできるぞー!こういう風になー!!」
今度はリオじーちゃんがおれに攻撃してきた!全身に炎をまとっているので、おれの凍れる世界まで無効化して襲い掛かってきた!
その時だ!おれの前にフーが立ちふさがった!
「そうはさせないよ~!ジェットブロ~!」
フーは両手を前に突き出して、強烈な風をリオじーちゃんに向けて放った!これって高速飛行魔法のジェットエンジンを応用したんだな!
「そう来たかー!ならこっちもお返しするぞー!」
リオじーちゃんも同じくジェットエンジンでフーが放った風に対抗する!ここでフーがおれに顔を向けてこう言った!
「モンドくん!今こそあれをやるよ~!」
「あれ···?おっ!そうだな!いくぜーーー!パワーを氷に!」
「え~っと···、あっ!いいですとも~!」
「「せーの!合体魔法!アイスペタルダンシング・輪舞!!」」
フーが放つジェットエンジンの爆風に、おれが細かい氷の刃を無数に作り出して一緒に放つアイスペタルダンシング・輪舞!元はリオじーちゃんの孫で、おれたちと友だちのカークやルメの最強魔法である『アイスペタルダンシング』を、おれとフーの合体魔法として編み出したとっておきの魔法だ!
「なにーー!?こなくそーーーー!!」
「うおおおおーーー!!」「やああああーーー!!」
双方の大魔法が運動場の中心で大激突する!どちらも勢いは衰えず、均衡を保っていた!ということは、どちらかが力尽きたその瞬間に勝負がつく!
負けられない!おれとフーの力は最強とまでは言わないけど、それでもリオじーちゃんを上回りたいんだ!
しかし!?
「ははは!さすがだなー!そんじゃあ遊びはここまでにするぞー」
リオじーちゃんが苦しそうな顔をしていて魔法を放っていたのに、急に笑顔になった!?まさか、演技だったのか!?
すると、お互いに放っていた魔法が急に上空へ押し上げられてしまった!おれたちは何もしていないのに勝手に魔法の向きが変わっただと!?
そうして魔法が上空で消滅し、おれたちは疲れ切ったところでリオじーちゃんが次の魔法を放とうとしていた!
しかも···、両手を組んで体の前に突き出している!?あれはまさか···!?リオじーちゃんがアキじーちゃんと考えて編み出した最強魔法の『ドラゴンキャノン』だ!
「よくやったぞー!だけど、余裕なく大魔法を使ってしまうと、しばらく無防備になるぞー。そこをこうやって突かれると痛い目を見るからなー」
「「···参りました」」
勝ち目がなくなってしまった···。あとちょっとで押し切れる!と思って全力で魔法を放ってしまったけど、それはリオじーちゃんのワナだったんだ···。
おれとフーは同時に降参をしたんだ。すると、リオじーちゃんはドラゴンキャノンをキャンセルした。
「いやー、しかし前回よりも威力が上がってたぞー。これは次に会ったらトランスなしでも勝てないかもなー」
「リオじーちゃん、強すぎるぜ···」
「リオじーじってどうしてそんなに強いの~?」
「そりゃー、整調者として大魔王と死闘をやったからなー。あの時は本当に命がけだったから、その経験の差だなー」
「命がけの戦いの経験···」
「さすがにフーたちにはないね~」
「ウェーバー大陸の戦いはそこまでじゃなかったもんな」
「そだね~」
「あのなー、二人とも命がけの戦いなんてロクな目に遭わんぞー。死んでしまったら終わりだからなー」
「わかってるよ、リオじーちゃん!」
「フーも!」
こうしてリオじーちゃんとの試合は負けてしまった。しかし、事態は思わぬ方向に進んでいたんだ!
「すっげーーー!!」
「魔法って合体できるの!?」
「魔法であそこまでできるなんて···」
「ぼくたちもできるのかな!?」
「魔法の可能性を見たわ!!」
「ちっちゃくてかわいいのにすごい魔法が使えるのね!」
「ねえねえ!あの魔法はなにをイメージしてたの!?教えて!」
そうだった···。これってリオじーちゃんの魔法の授業だったんだよ。試合が始まった時から頭から抜け去ってたんだよなぁ~。
こうして授業終了の鐘が鳴った後も、おれたちは学生さんたちから質問攻めに遭っちまって逃げ出すことができなくなったんだよ···。
学校では実習もあったりはするんですが、そこまで多くはありません。
どっちかといえば『知識詰め込み』が日本ではメインです。皆さまも学生時代に思われたと思いますが、『こんなの知ってどこで使うねん?』って事ありましたよね?
どこで使うかはその人の未来の人生のどこかなんですが、使わない人生もあります。ですが、知った知識がどういったところでどうやって使われてるか?を知ると、『へぇ~!そんなとこで使うんやなぁ~』って納得することが多いです。
要はどう使うか?ってところなんですね。ですので今回のモンドくんとフーちゃんの魔法合戦は『授業で教わったことと教わってないことを見て可能性を知ってもらう』ためにリオくんがやったんですね~!
この世界の魔法は人それぞれのオリジナル魔法を使える人が多くいません。本編でもお伝えしましたが、『生活魔法』と詠唱がいる『一般魔法』、そして本作でバンバン飛び交う『創作魔法』の3種類がこの世界にあります。
リオくんは簡単な創作魔法の作り方を教えていますので、こういったトンデモ魔法は学生たちにとっていい見本になったと思いますよ。
さて次回予告ですが、続いてはアピアさんの武術の授業に飛び入り参加しますよ~!
モンドくんが剣術の型を見せていると、とあることを『ピコーン!』と閃いてしまいました!何を閃いたんでしょうか?
それではお楽しみに~!




