武者修行編-10.じーちゃんに学園を案内してもらう
「なっ!?モ、モンドくんにフーちゃん!?ど、どうしてここに!?」
「やった〜!どっきり大せいこ〜!」
「じーちゃん、大丈夫か?思いっきりびっくりしてこけたけど···」
カイジの町で日中の時間潰しでじーちゃんの学園に潜入し、見事にどっきりを仕掛けて成功したおれたち。
じーちゃんはおれたちを見て驚いてのけぞってしまったぞ···。驚き過ぎでしょ···?
「ちょうど行商人の護衛でこの町に来たから、カーネさんとアイリさんにあいさつして泊めてもらってんだ。日中は稽古できないからじーちゃんの仕事を見に来たんだ」
「そうだったのかぁ〜。いつの間に入ってたの?···あ、そうか。ハルの暗殺技で隠密行動してたんだね?」
「そのとーりでーす!」
「そっか。で?どうだった?ボクの授業は?」
「ちんぷんかんぷんだったぜ···」
「フーはちょっとわかったかも〜?」
「ははは!さすがに数学の基礎ができてないと電気工学は難しすぎるからなぁ〜」
そんな話を壇上でしてると、周りに学生が集まり出してきた!
「アキ先生!この子たちって?」
「さっきからじーじとかじーちゃんって呼ばれてますけど、まさか···?」
「あはは。この子たちはボクの孫なんだよ。男の子がモンドくんで、女の子がフーちゃんだよ」
「「こんにちは!」」
じーちゃんが紹介したので、おれたちはあいさつした。すると···!?
「「「「···グハッ!?か、かわいい!!」」」」
特に女子がのけぞったぞ···?どういう事だよ?それにかわいいって···。カッコいい!って言われたいんだけどなぁ〜。
「アキ先生!その若さで孫いるんすか!?」
「かわいい〜!ねえ先生!お持ち帰りしていいです!?」
「ちょ!?ちょっとキミたち!ダメだよ!孫たちは冒険者の仕事で寄っただけなんだからさ!」
「こんなに幼いのにもう冒険者って事は成人してるの!?すごーい!」
「ってことは強いんだな!?すげえなぁ〜!」
いろいろ質問攻めにされたぞ···?どうすりゃいいんだ···?
そう思ってるとじーちゃんが助け舟を出してくれた。
「ほらほら!もう少ししたら次の授業が始まるよ!行きなさい!」
「「「「···は~い」」」」
渋々退散してくれたよ···。助かったぁ〜!
「やれやれ···。さてと、日中って事は夕方までここにいるってこと?」
「「うん!!」」
「そうか···。どうしようかなぁ〜?じゃあ次の時間は授業ないから、学園内を案内するよ」
「ありがと〜!じーじ!」
「ははは!本来ならこういう場所で勉強する年ごろなんだけど、2人ともフユとナツと同じようにあっという間に学習しちゃったからなぁ〜。とりあえず職員室に行こうか。荷物置いておきたいし」
「「は〜い!」」
じーちゃんに連れられておれたちは職員室にやってきた。そしたらここでも···、
「あら、アキ先生。この子たちは?」
「アピアさん、この子はボクの孫なんですよ」
「え〜!?この子たちがそうなの!?かわいいじゃない!」
「あの〜、おれたち成人して冒険者やってるんで、かわいいはちょっと···」
「あら!?冒険者やってるの!?すごいわね〜。やっぱりフユくんとナツちゃんのお子さんだから、さぞかし強いんでしょうね」
「おねーさんはフユにーちゃんとママを知ってるの〜?」
「ええ。来た時は大人気だったわね〜。あなたたちもたぶん同様に大人気間違いなしね!」
「あはは···、さっき教室でそうなったけどな」
「やっぱりね〜。それでこのあとはどうするの?」
「ボク昼まで空いてるので、案内しますよ。昼からは···、リオの授業に飛び入り参加した方が面白いかな?」
「いいんじゃない?魔法も使えるならいい刺激になるわよ!じゃあそのあとはお姉さんの武術の授業に出てみる?」
「おれたち、学生じゃないんですけどいいんですか?」
「いいわよ〜!特別ゲストね!」
「「じゃあ、お願いします!」」
今日の予定が決まった。今から昼食後までじーちゃんが学園の案内、昼からはリオじーちゃんの授業に飛び入り参加、その後にアピアと呼ばれたお姉さんの授業に飛び入り参加ということになった。
「それじゃあ案内するね!」
じーちゃんのあとについておれたちは学園の中を歩きまわった。
さっきの建物が本校舎らしく、職員室や教室、実験室が入ってるんだって。
そして別の建物として音楽堂、体育館、学生が住む寮、運動場、プール、観客席がついた運動場は今はリオじーちゃんの魔法の授業で使われるそうだ。
「すっげーなー!学園って勉強以外にもいろいろあるんだな!」
「そうだよ。なにも勉強だけをやるのが学校じゃないんだ。こうして体も魔力も動かし、時には趣味を見つけて人生を豊かにしたり、友達をいっぱい作るって事も大事なんだよ」
「友達···。おれ、いねえなぁ〜」
「フーも···。お店のお手伝いが楽しいからね〜」
「ははは!まぁ、人との縁なんてのは思いがけない場所にあったりするから、慌てなくてもいいんじゃない?ボクも友達はいないしね。どっちかと言えば仲間が多いかなぁ〜?」
「仲間?」
「そうだよ、モンドくん。リオと一緒にいろんな場所へ旅をして、そこで知り合った人たちだね。ハルもそうだったし」
「そうなんだなぁ〜!」
「フーたちもむしゃしゅぎょーしてたら仲間に会えるかもね〜!」
「そうかもな!」
「よ〜し!じゃあちょうどお昼前だね。早めに食堂行って先に食べちゃおうか?授業終わったら激しく混雑するからね!」
「「は〜〜い!!」」
そして食堂にやってきた。ものすごく広いぞ!?
一番奥に厨房があるみたいだ。その手前に鉄の皿にものすごい量の料理が乗っていた!
「まずは入口のカウンターでお金払ってこのお皿とスープのカップをもらうんだ。このお皿に乗る分だけ取り放題だからね。おかわりするんだったらもう1回カウンター行ってお金払わないといけないよ」
「取り放題!?すっげー!!」
「ははは!モンドくん?ちゃんと考えて盛りつけしないと、たくさん食べれないぞ?」
「おうっ!」
「じゃあ入ろうか!今日は3人分ね〜」
「あらまあかわいい子じゃないかい!?アキ先生の親戚の子かい?」
「いえ、孫ですよ。近くまで来たそうなんで、案内してるんですよ」
「···えーー!?アキ先生にこんなかわいいお孫さんがいたのーー!?」
「ええ、まぁね」
「アキ先生!うちの子なんてどうだい!?同い年ぐらいなんだけどさ!」
「いや、うちの孫は今冒険者業務やってるから···」
「そう言わずに!会うだけでいいから!」
「悪いけどまた次の機会にして〜〜!」
じーちゃんがお金払おうとしたらおばちゃんに捕まっちまった···。このおばちゃんのお子さんと付き合えって事か?ちょっとなぁ〜。
なんとか追求をかわして、おれたちは料理コーナーに入れた!たくさんの料理が並んでるので、どれにするか迷っちまうぜ〜!
「よし!決めた!これいただくぜ〜!」
「フーも〜!このやり方、うちでできないかなぁ〜?」
たぶんできると思うけど、おそらく料理提供が追いつかないんじゃね···?ただでさえ殺人的混雑してんだから···。
本来であればモンドくんとフーちゃんは学校でお勉強の年頃ではあるんですけど、アキくんがちゃんと教えてくれてるので、この世界である初等学校のレベルを遥かに上回った学力があるんです。
この世界では学校は実は義務なんですが、ある程度以上の学力があれば試験を受けたら免除です。
というのも、これも実力主義な面と、教育にかかるお金が税金なので、全員受けさせれる余裕がないというのもあるんです。
ですので、『義務だけどいつでも学校に入れて一定水準を越えたら卒業』なんですね。この制度、実は前作のコウくんが制定したとなってます。もしかするとこのお話を書くかもしれませんね。
ちなみにこの学園に通っている生徒は義務ではなくて自費でさらに勉強しているエリートたちです。大学相当ですね。高度な知識を持っていれば難度が高い仕事に就けて高給取りになれますから。これは現代でも一緒···、ではなくなりつつありますけどね。
さて次回予告ですが、昼食を食べているとお寝坊したリオくんが慌てて食堂に入ってきました!そしてここでモンドくんとフーちゃんがリオくんの授業に特別参加が決まりますよ〜。
それではお楽しみに〜!




