武者修行編-8.さあ!本気でかかってこい!!
「はあっ!はあっ!マ、マジかよ···?」
「はあ···、はあ···。強いねぇ〜···」
「ははは!さすがだな!ここまでついてこれるのは素晴らしいぞ!さすが神狼族なだけあるな!」
「ですがまだまだ経験不足ですわ。せっかくの力も技も有効に活かしきれてませんわ」
ホント、とんでもない強さだぜ···。こっちは第1段階のトランス状態だってのに、おれたちの攻撃が効いてないなんて!!
さっそく腕試しすることになったんだ···。
「夕食までまだ時間がありますわ。せっかくですし、今から1戦やりますか?」
「えっ!?アイリさん、いきなりですか?」
「ええ。お二人の目がやる気になってますもの。楽しみになさってたのでしょう?でしたらそのやる気の時にやりあったほうがいいですわ。兄さんもよろしくて?」
「ははは!いいぞ!食後はちと厳しいからな!」
「···フー?いいか?」
「もっちろん!って、モンドくんもやる気マンマンの顔だよ〜?」
「顔に出ちまってたかぁ〜。それじゃあよろしくお願いします!」
「その意気やよし!さっそく訓練場へ行くとしよう」
そうしておれたちは訓練場へやってきた。結構広いんだぜ。
「さてと···、私が結界を張りましたわ。せっかくですし、2対2でやりませんか?」
「はい!いいですよ!」
「うむ!そうそう、二人ともトランス状態でやっても構わんぞ。遠慮せずに来るがいい!」
「えっ···?そ、それは···」
トランス使っていいってカーネさんが言ってるけど大丈夫かよ?そう思ったその時だった!カーネさんが強烈な殺気を放った!!
「ぐっ!?こ、こいつは···!?」
「うひゃ~!?モンドくん!これは本気でやらないとまずそうだよ〜!」
「ははは、わかったようだな?では···、来い!!」
「「よろしくお願いします!!」」
本気でやらないとこっちがやられる!そうカーネさんはおれたちを追い込んできた!
双方身構えた。アイリさんは後方で魔法を使ってるようだ。アイリさんは魔法系、カーネさんは物理系を得意としている。
アイリさんはバフとデバフが得意で、バフで味方陣営の攻撃力と防御力を大幅に底上げし、デバフで相手の動きを抑え込んでしまう戦法だ。
一方のカーネさんは巨大な斧を武器とし、身体強化魔法の倍率が100倍以上という人外の魔法が使える!整調者時代は1万倍まであげれたそうだぜ?
非常にバランスが取れたコンビだ!世界最強レベルの二人が本気を出してくる!だったらおれたちも手を抜く余裕なんてない!
「「はぁあああーーー!!」」
おれとフーはトランスした!神狼族固有能力であるトランスは身体能力を大幅に底上げする!さらにもう一段階トランスすればこの星の魔力である龍脈と魔力を共有して無尽蔵の魔力を使って敵を殲滅できるんだ!
対魔獣用戦闘種族として神様によって創造した神狼族は、この世界で最強の力を操れる!だけど、その力は強大すぎてコントロールが難しい。暴発の危険があるから、よほどのことがない限り使わないけどな!
「「いきます!!」」
「どこからでも来い!!」
まずはフーが先行した!スピードでカーネさんを翻弄し、スキが生じたらおれが一撃加える!それまでの間、おれはアイリさんを狙った!魔力剣を槍モードにして突っ込んでいった!
「槍技!銀杏!」
「うふふ、そう来ると思ってましたわ。でも残念ですわね」
ガキーーーン!!
一気に間合いを詰めて一撃必殺の突きを放つ槍技の銀杏を放ったが、アイリさんの前に張られたバリアでいとも簡単に防がれてしまった!
「クッソ!なんて頑丈なバリアだよ!?トランス状態だってのに!!」
「覚えておくといいですわ。バリアは1点に収束すると、とんでもない強度になるのですわ。まぁほかのところが手薄になりますけどね」
「だったら!槍技!陽光千閃!!」
「ムダですわ」
おれは無数の突きを放つ陽光千閃を放った!しかし、これすら防がれてしまった!!
「マジかよ!?これすら防ぐなんて!!」
「さすがにこれは厳しいですわね。ですが、これもバリア魔法の応用ですわ。バリアに当たった瞬間に小規模の爆発を起こして威力を相殺したのですの。すぐに新たなバリアを張るので一見無傷に見えるのですわ。かなり魔力を消耗しますけどね。では今度は私からいきますわよ!」
そう言ってからアイリさんは腰につけていや大ハンマーを取り出して、おれに振り下ろしてきた!
しかし遅い!おれは軽く避けようとしたら···!?
ガンッ!!
思いっきり当たってしまった!?防御なんてしてなかったから直撃だった!
「うぐぅっ!?な···、なぜ!?」
「うふふ!さあ、なぜでしょうね〜?次もいきますわよ!」
トランス状態のおれは防御力も刃物が通らないほどケタ違いに上がる!だから直撃でもそこまでのダメージにはならないんだ!
でも、だからといって避けたはずの攻撃が直撃したという事実が精神的にくる!···まさか!?幻惑か!?
おれはいったん間合いをとった。接近戦は不利だ!
「あら?意外と冷静ですわね」
「はあっ!はあっ···!クソッ!どうなってんだよ!?」
「うふふ!これは楽しみがいがありますわね!では今度は私からいきますわよ!」
アイリさんが突っ込んできた!避ければまた直撃を食らっちまう!
どうする!?避けたはずの攻撃が当たるということは、目に見えている大ハンマーはフェイクだ。見えてない位置に大ハンマーがあるんだ!
さらに迫ってくるアイリさんが本物でない可能性がある!カウンター仕掛けても当たらない可能性が高い!
···だったらこれっきゃないな!リオじーちゃんの魔法、使わせてもらうぜ!
「うぉおおおーーー!!」
おれは両腕を体に抱きしめるようにして体を縮め、魔力を圧縮した。そして勢いよく両手を広げると同時に圧縮した魔力を解放する!
「リオじーちゃん直伝!パージ!!いっけぇーーー!!」
ドォーーーン!!
「キャッ!?」
「そこだぁーー!!皆伝秘技!無双十文字ぃーーー!!」
圧縮した魔力が周囲に爆風を吹き荒らす!アイリさんにも爆風が直撃して軽い悲鳴を上げた!その悲鳴で場所は特定できた!チャンスはこの瞬間しかない!
おれの最強技である無双十文字をアイリさんに放った!ところが!?
「ぬぅううーーん!!」
ズドーーーン!!
とっさにカーネさんが割り込んできておれの皆伝秘技を受け止めやがった!?
「ははは!今のはいい一撃だったな!だが、忘れてはいないか?この試合は2対2だぞ?目の前の相手だけしてればいいというものではない」
「モンドくん!ごめん!割り込まれちゃった···」
カーネさんはフーがスピードを駆使してかく乱して足止めしつつ攻撃していたんだが、アイリさんがピンチになっていたのを見過ごさなかった!猛スピードでおれとアイリさんの間に割り込んできたんだ···!
「はあっ!はあっ!マ、マジかよ···?」
「はあ···、はあ···。強いねぇ〜···」
「ははは!さすがだな!ここまでついてこれるのは素晴らしいぞ!さすが神狼族なだけあるな!」
「ですがまだまだ経験不足ですわ。せっかくの力も技も有効に活かしきれてませんわ」
上には上がいる···。前回はおれたちが5歳だったから負けたと思ってたんだが、今でも勝てなかった···。『経験不足』ってのがいかに分厚い壁なのかが身にしみてわかった瞬間だった···。
カーネさんとアイリさんのところに泊まれば試合するのは決定事項です(笑)!
久しぶりに試合してみましたが、やはり勝てませんでしたね。単純な強さという点においては間違いなくモンドくんとフーちゃんの方が上ですが、カーネさんたちの経験の方が圧倒的だったので勝てませんでした。
経験というのは一朝一夕で身につくものではありません。困難な状況下でも対処可能な手を瞬時に決断して実行するのに必要ですが、知ってるだけではダメで、やった事がないと動けないんですよ。これは仕事でも同じですね。
さて次回予告ですが、翌日は日中にカーネさんたちが業務で不在なので、せっかくカイジの町に来たのでアキくんの学園へ見学に行くことにします。
しかし、ただ会いに行くだけではつまんない!との事で、潜入してアキくんを驚かせよう!と画策します。果たして成功するのでしょうか?
それではお楽しみに〜!




