第八話 騎士団長、土下座する
第2章スタートです!
ついに騎士団長アークが登場。
そしてレオンの過去も少しずつ明らかになります。
夜明けの道具店。
沈黙。
重い沈黙だった。
店の前には百人近い騎士団。
騎士団長アークは地面に膝をついている。
「師匠」
もう一度言った。
「誰だ?」
レオンは首を傾げた。
アークの顔が死んだ。
「忘れたんですか!?」
「覚えてない」
「そんな!」
絶望である。
ミアは混乱していた。
「えっと……騎士団長ですよね?」
「ああ」
「王国最強の?」
「ああ」
「何で土下座してるんです?」
「師匠だからです」
意味が分からなかった。
ミアは助けを求めるようにグラディオスを見る。
古龍は笑いを堪えている。
「やはりか」
「知ってるんですか!?」
「昔の話だ」
グラディオスは懐かしそうに目を細めた。
「人間の少年が一人いた」
アークが顔を上げる。
「剣の才能だけはあった」
「だけはって何ですか!」
「頭が悪かった」
「否定できません!」
騎士団長が即答した。
レオンは少し考える。
「あー」
何か思い出した。
「毎日泣いてたやつか」
「師匠ぉぉぉぉ!!」
アークが泣いた。
本当に泣いた。
王国最強が。
「思い出してくれた!」
「少しだけ」
「十分です!」
ミアは頭を抱えた。
騎士団長が弟子。
古龍が知り合い。
魔王が居候。
この店おかしい。
絶対おかしい。
その時だった。
アークの顔が真剣になる。
「実は今日はお願いがあって来ました」
「断る」
「まだ言ってません!」
即答だった。
「店あるし」
「国が滅びそうなんです!」
「店大事」
アークは泣きそうだった。
「王都地下の封印が反応しました」
その瞬間。
グラディオスの笑顔が消えた。
ノクスも顔を上げる。
「どの封印だ?」
「第七封印です」
ノクスが固まる。
「おい」
「何だ」
レオンが聞く。
魔王は珍しく嫌そうな顔をした。
「最悪だ」
「強いのか?」
「私より強い」
ミアの顔色が消えた。
魔王より強い。
そんなものが存在するのか。
すると。
遠く離れた王都地下。
巨大な鎖が砕け散る。
そして。
暗闇の中で。
一人の少女が目を開いた。
銀色の髪。
紅い瞳。
そして。
満面の笑み。
「やっと出られた」
少女は呟く。
「師匠に会いに行こう」
その声だけで。
地下神殿が崩壊した。
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第八話 騎士団長、土下座する 完
弟子その1は騎士団長でした。
しかし封印から出てきたのは、さらに厄介な弟子のようです。
次回、「最強の弟子、帰還する」。お楽しみに!




