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『元SSS級暗殺者の道具屋生活。依頼ついでに冒険者をしていたら、なぜか伝説になっていました』  作者: ねむい人
第1章『辺境の道具屋編』

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第七話 魔王、就職希望

いつも読んでいただきありがとうございます!


第1章もいよいよラストです。


レオンの平穏な道具屋生活は、古龍と魔王が加入した時点で既に怪しくなっていますが……。


最後にもうひと波乱あります。


それではお楽しみください!

森からの帰り道。


 空気が重かった。


 原因は一人。


 魔王ノクスである。


「……」


 無言。


「……」


 レオンも無言。


「……」


 ミアも無言。


 そして。


「何で付いてくるんだ?」


 レオンが聞いた。


「行く場所がない」


 即答だった。


「魔王城は?」


「勇者に壊された」


「そうか」


「配下は?」


「全滅した」


「そうか」


「財宝は?」


「勇者が持っていった」


「そうか」


 ノクスは泣きそうだった。


 数百年前。


 世界最強を誇った魔王軍。


 その全てが無くなっている。


 帰る場所もない。


 頼れる部下もいない。


 復活して数十分でホームレスになった。


「……働く」


「ん?」


「働かせてください」


 魔王が頭を下げた。


 ミアは頭を抱えた。


 何なんだこの世界。


 古龍が掃除係。


 魔王が就職希望。


 意味が分からない。


「店なら忙しくないぞ」


「それでもいい」


「給料少ないぞ」


「それでもいい」


「休みもそんなにないぞ」


「それでもいい」


 必死だった。


 レオンは少し考えた。


「じゃあ好きにしろ」


「本当か!?」


 ノクスの顔が明るくなる。


 数百年ぶりの希望だった。


⸻


 その日の夕方。


 夜明けの道具店。


「レオンさん!」


「ん?」


 ミアが慌てて飛び込んできた。


 顔色が悪い。


「大変です!」


「何だ」


「王都から騎士団が来てます!」


「へぇ」


「へぇじゃないです!」


 店の外。


 大量の馬車。


 騎士。


 魔導士。


 旗には王国紋章。


 百人近い部隊だった。


 店の前で停止している。


「何かあったのか?」


 レオンが首を傾げる。


 その時。


 一人の男が前へ出た。


 銀色の鎧。


 鋭い目。


 王国騎士団長。


 アーク・ヴァルディア。


 国内最強と呼ばれる男だった。


 そして。


 彼は店を見る。


 古龍を見る。


 魔王を見る。


 レオンを見る。


 数秒。


 沈黙。


 次の瞬間。


 騎士団長は。


 地面へ膝をついた。


「ようやく見つけました」


 震える声。


「師匠」


 店の空気が止まった。


 レオンは首を傾げる。


「誰だ?」


 騎士団長の顔が固まる。


 古龍が吹き出す。


 魔王が腹を抱える。


 そして。


 王国最強の騎士は。


 静かに絶望した。


⸻


 その頃。


 王都地下。


 誰も知らない最深部。


 巨大な封印扉が揺れる。


 ゴゴゴゴゴ……


 鎖が軋む。


 封印が砕け始める。


 そして。


 闇の中から笑い声が響いた。


『やっと出られる』


『待っていてください』


『師匠』


 赤い瞳が開く。


 その瞬間。


 世界中の封印が反応した。


⸻


 第1章 辺境の道具屋編 完


 第2章 弟子達、集結する へ続く。

第1章『辺境の道具屋編』完結です!


ここまで読んでいただきありがとうございました!


古龍が就職し、魔王も就職し、最後は謎の騎士団長まで登場しました。


次章『弟子達、集結する』では、レオンの過去や規格外の弟子達が続々登場予定です。


少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります!


それではまた次回!

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