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『元SSS級暗殺者の道具屋生活。依頼ついでに冒険者をしていたら、なぜか伝説になっていました』  作者: ねむい人
第1章『辺境の道具屋編』

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第四話 古龍、土下座する

いつも読んでいただきありがとうございます!

ついに古龍登場です。

災厄龍グラディオスは震えていた。


 あり得ない。


 あり得ない。


 あり得ない。


 目の前の男。


 ただの人間にしか見えない。


 しかし。


 絶対に見間違えるはずがなかった。


『夜鴉の死神』


 その名は今でも古龍達の間で語り継がれている。


 災厄。


 怪物。


 天敵。


 様々な呼ばれ方をした。


 だが共通していることがある。


 誰も勝てなかった。


 誰一人として。


『ま、待て……』


 グラディオスが後退る。


 古龍が。


 世界を滅ぼした存在が。


 怯えていた。


「どうした?」


 レオンは不思議そうだった。


『なぜ生きている!?』


「何が?」


『何がじゃない!!』


 絶叫。


『お前は数百年前の存在だろうが!!』


「そんな歳じゃないぞ」


『嘘をつけぇぇぇ!!』


 空洞が揺れた。


 レオンは少し考える。


「人違いじゃないか?」


『その短剣を持っていて!?』


「親父の形見だ」


『余計に怖いわ!!』


 グラディオスは頭を抱えた。


 終わった。


 完全に終わった。


 封印から復活したと思ったら。


 目の前に天敵がいた。


 運が悪すぎる。


 そんなレベルではない。


「で?」


 レオンが聞く。


「暴れるのか?」


『…………』


「暴れるなら止める」


『…………』


「店があるからな」


『理由が小さい!!』


 思わずツッコんでしまう。


 しかし。


 レオンは真面目だった。


「町が無くなると客が困る」


『客のために古龍を狩る気か!?』


「まあ」


『まあじゃない!!』


 グラディオスは理解した。


 この男。


 本気で言っている。


 そして。


 本気で自分を倒せる。


 だから。


 災厄龍グラディオスは決断した。


 生存を最優先する。


 古龍としての誇り?


 知らん。


 命の方が大事だ。


 次の瞬間。


 巨大な身体が地面へ伏せた。


 ズドォォォン!!


 地面が揺れる。


 そして。


『申し訳ありませんでした!!』


 土下座だった。


「ん?」


『町は滅ぼしません!!』


「そうか」


『人も食べません!!』


「偉いな」


『帰ります!!』


「帰る場所あるのか?」


『ありません!!』


「そうか」


 レオンは困った。


 しばらく考え。


「じゃあ店の裏使うか?」


『……は?』


「空いてるぞ」


 グラディオスの思考が停止した。


 数百年ぶりの復活。


 そして十分後。


 まさかの就職先が決まった。


⸻


 同時刻。


 王都。


 冒険者ギルド本部。


 一枚の緊急報告書が届けられる。


「北の廃鉱山で超高濃度魔力反応?」


 ギルド長が眉をひそめた。


「まさか……封印か?」


 嫌な予感がした。


 非常に嫌な予感だった。


 しかし。


 彼らはまだ知らない。


 世界を滅ぼせる古龍が。


 数時間後には。


 道具屋の裏庭で草むしりをしていることを。


⸻


第五話 古龍、就職する


へ続く。

次回、災厄龍がまさかの就職。

レオンの日常はさらにおかしな方向へ進んでいきます。ブックマークや評価で応援していただけると励みになります!

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