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『元SSS級暗殺者の道具屋生活。依頼ついでに冒険者をしていたら、なぜか伝説になっていました』  作者: ねむい人
第1章『辺境の道具屋編』

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第三話 廃鉱山の怪物

第三話です。


今回は廃鉱山へ向かいます。

 北の廃鉱山。


 かつて鉄鉱石の採掘で栄えた場所だ。


 しかし十年前。


 事故によって閉鎖。


 今では魔物の住処になっている。


「この辺か」


 レオンは荷車を引きながら山道を歩いていた。


 目的は配達。


 ついでにオーガ退治。


 順番としては配達が先である。


 普通は逆だが、レオンにとってはどうでもよかった。


「いたな」


 前方。


 三体のオーガが岩陰にいた。


 身長三メートルを超える巨体。


 鉄棍棒を持つ怪物。


 普通の冒険者なら逃げる相手だ。


 だが。


「邪魔だ」


 レオンが通り過ぎる。


 次の瞬間。


 ズドンッ。


 三体が倒れた。


 何が起きたか分からないまま絶命していた。


「終わり」


 歩き出す。


 本当にそれだけだった。


 数分後。


 配達先の小屋へ到着する。


「頼まれてた薬草だ」


「ああ、助かるよ」


 老人が笑顔で受け取る。


「最近は魔物が増えて困っててな」


「そうか」


「オーガも出たらしい」


「いたな」


「怖いもんだ」


「もういない」


「そうか」


 老人は気付かなかった。


 その会話の間に討伐が終わっていることを。


 配達を終えたレオンは帰路につく。


 だが。


 途中で足を止めた。


「……ん?」


 違和感。


 ほんのわずかな魔力。


 しかし異常に濃い。


 鉱山の奥。


 地中から漏れている。


「何だ?」


 レオンは進路を変えた。


 少しだけ確認する。


 それだけのつもりだった。


 鉱山内部。


 真っ暗な坑道。


 普通の人間なら数歩で進めなくなる。


 だがレオンは平然と歩く。


 やがて。


 巨大な空洞へ辿り着いた。


 そして見た。


 鎖。


 魔法陣。


 崩れた祭壇。


 その中央。


 巨大な黒い繭。


「封印か」


 レオンは呟く。


 かなり古い。


 少なくとも数百年前。


 その時だった。


 パキッ。


 嫌な音が響く。


「ん?」


 繭に亀裂。


 さらに。


 バキバキバキッ!!


 鎖が弾け飛んだ。


 空洞全体が揺れる。


 次の瞬間。


 巨大な目が開いた。


 赤い瞳。


 竜の瞳だった。


『……人間』


 低い声が響く。


 大地が震える。


『我を目覚めさせたか』


「いや」


『……』


「たまたま来ただけだ」


 沈黙。


 竜も困惑しているようだった。


『我は災厄龍グラディオス』


「そうか」


『世界を滅ぼした古龍だ』


「へぇ」


『……』


 反応が薄い。


 古龍は初めてだった。


 普通なら恐怖で震える。


 悲鳴を上げる。


 逃げ出す。


 しかし目の前の男は違った。


『貴様……我が怖くないのか』


「別に」


『なぜだ』


「もっと強いの見たことあるし」


『は?』


 古龍が固まった。


 見たことがある。


 というか。


 レオンが暗殺者時代に倒した魔物の中には、古龍級が何体もいた。


 本人は覚えていないが。


『貴様……何者だ』


「道具屋」


『違うだろう!!』


 空洞に叫びが響いた。


 しかし。


 レオンは首を傾げるだけだった。


 その時。


 崩れた封印が完全に消える。


 古龍の魔力が溢れ出した。


 町へ向かえば数万人が死ぬ。


『まずは近くの町から滅ぼそう』


「困るな」


『何?』


「常連がいる」


『……』


「店もある」


『……』


「だから」


 レオンは腰の短剣を抜いた。


 たった一本。


 古びた短剣。


 しかし。


 その瞬間。


 古龍の表情が変わった。


『な、なぜそれを……』


 震える声。


 恐怖。


 明らかな恐怖だった。


「知ってるのか?」


『その短剣は……』


 数百年前。


 古龍を狩った伝説の暗殺者。


 その象徴。


『夜鴉の死神』


 そう呼ばれた怪物の武器。


 そして。


 古龍は気付く。


 目の前の男が。


 その本人だということに。


 顔から血の気が引いた。


第四話 古龍、土下座する


へ続く。

読んでいただきありがとうございます!


次回、災厄龍グラディオスは人生最大の後悔をします。お楽しみに。

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