第十四話 王都、緊急会議
いつも読んでいただきありがとうございます!
今回は王都視点です。
辺境で集まった世界最強達を見て、王国側の胃がどんどん壊れていきます。
そして新たな来訪者も……。
王城。
会議室。
重苦しい空気が漂っていた。
原因は一枚の報告書。
机の上に置かれている。
誰も触れたくない。
見たくない。
信じたくない。
そんな内容だった。
王が口を開く。
「確認する」
誰も返事をしない。
「本当に集まったのか?」
沈黙。
そして。
騎士団長バルハイトが震える声で答えた。
「集まりました」
「全員?」
「全員です」
王が頭を抱えた。
大臣達も頭を抱えた。
宮廷魔導師長も頭を抱えた。
胃痛会議だった。
「古龍グラディオス」
「います」
「魔王ノクス」
「います」
「元魔王ルナ」
「います」
「剣聖アリシア」
「います」
「人類最強ゼロ」
「います」
胃が痛い。
「問題児カイ」
「います」
さらに痛い。
「その他十三弟子」
「全員います」
もう駄目だった。
王が天を仰ぐ。
「何故だ」
「全員が同じ事を言っています」
「何をだ」
バルハイトは報告書を読む。
「師匠に会いに来た」
頭が痛い。
「その師匠は?」
「辺境で道具屋をやっています」
静寂。
誰も納得できなかった。
世界最強達の師匠。
伝説達の育て親。
災厄達の恩人。
その正体が。
道具屋。
「意味が分からん」
王が呟く。
「私も分かりません」
バルハイトも呟く。
その時。
会議室の扉が開いた。
慌てた兵士が飛び込んでくる。
「報告です!!」
「何だ」
「剣聖アリシアが街のゴミ拾いをしています!!」
全員固まる。
「何?」
「道具屋の従業員として働いています!!」
沈黙。
兵士は続ける。
「人類最強ゼロは接客中です!!」
さらに続く。
「魔王ノクスは薪割りをしています!!」
さらに。
「古龍グラディオスは荷物運びをしています!!」
誰も喋れなかった。
世界が壊れていた。
「……帰りたい」
大臣の一人が呟く。
全員同意だった。
その時だった。
王城全体が揺れる。
ゴゴゴゴゴ……
「敵襲か!?」
兵士達が動く。
窓の外を見る。
そして。
全員が固まった。
巨大だった。
空を埋め尽くすほど巨大な黒い影。
王都全域に影が落ちる。
「な……」
「何だあれは……」
宮廷魔導師長の顔色が消える。
「あれは……」
震える声。
「神獣」
会議室が凍り付く。
伝説上の存在。
千年前に姿を消した世界守護獣。
その神獣が。
王都の上空にいた。
そして。
神獣は静かに口を開く。
『師匠はどこだ』
王都がパニックになった。
ついに神獣まで登場しました。
もちろんレオンはまだ何も知りません。
次回は「神獣、就職希望」。
夜明けの道具店に、また従業員が増えます。
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