第十三話 弟子達、勢揃い
いつも読んでいただきありがとうございます!
ついに十三弟子が勢揃いしました。
しかしレオンは相変わらず誰も覚えていません。
王国の胃痛はまだまだ続きます。
朝。
夜明けの道具店。
「狭い」
レオンは再び同じことを言った。
本日三回目だった。
「増築しましょう」
アリシアが提案する。
「山を一つ消せば土地は作れます」
「やめろ」
即却下。
「地下を掘る?」
ルナが言う。
「やめろ」
「空中都市は?」
ノクス。
「やめろ」
ろくな案がなかった。
その時だった。
店の外から悲鳴が聞こえた。
「きゃあああああ!!」
「またか」
レオンが立ち上がる。
外へ出る。
街中の人々が空を見ていた。
巨大な影。
雲の上。
何かが飛んでいる。
いや。
何かどころではない。
島だった。
「島?」
アークが固まる。
空飛ぶ島だった。
しかも。
どんどん近付いてくる。
「嫌な予感しかしない」
アークが呟く。
予感は当たった。
島が街の外へ着地する。
轟音。
地響き。
そして。
一人の少女が飛び降りてきた。
金髪。
赤い瞳。
見た目は十歳ほど。
しかし。
グラディオスが珍しく顔をしかめた。
「来たか」
少女は周囲を見渡す。
そして。
道具店を発見した。
「師匠ぉぉぉぉぉぉぉ!!」
次の瞬間。
音速だった。
ドォン!!
レオンに抱きつく。
「会いたかったです!!」
「そうか」
「百七十二年ぶりです!!」
「そんなにか」
覚えていない。
少女は涙目だった。
「酷いです!」
「誰だ?」
「やっぱりですかぁぁぁ!!」
慣れていた。
他の弟子達が頷く。
完全にいつもの流れだった。
「名前は?」
「フィアです!」
「そうか」
覚えていなかった。
フィアは膝から崩れ落ちた。
「師匠ぉ……」
可哀想だった。
だが誰も慰めない。
全員経験者だった。
アークが恐る恐る聞く。
「強いのか?」
静寂。
そして。
ノクスが答えた。
「世界を一度壊した」
「は?」
「半分」
「半分でも十分おかしいだろ!!」
アークが叫ぶ。
フィアは照れていた。
「若気の至りです」
「若気で世界半壊するな」
ツッコミが追い付かない。
その時。
空が再び揺れた。
「まだいる」
カイが呟く。
全員が空を見る。
一つ。
二つ。
三つ。
四つ。
五つ。
巨大な魔力反応。
「嘘だろ」
アークの顔色が消える。
次々と降り立つ人影。
男。
女。
老人。
獣人。
天使。
魔族。
全員が。
同じ言葉を口にした。
「師匠」
「師匠」
「師匠」
「師匠」
「師匠」
レオンは頷いた。
「誰だ?」
全員が崩れ落ちた。
絶望だった。
そして。
気付けば。
店の前には弟子達が並んでいた。
総勢十三名。
世界最強達。
伝説達。
災厄達。
歴史に名を残す怪物達。
その全員が。
レオンの前で頭を下げる。
「お帰りなさい、師匠」
レオンは少しだけ考えた。
そして。
「働くか?」
全員が即答した。
「働きます!」
こうして。
世界最強集団は。
全員が道具屋の従業員になった。
アークは遠い目をした。
「この店が世界で一番危険だろ……」
第2章も本格始動です!
次回からは、弟子達が揃ったことで王国や世界側が大混乱していきます。
そしてレオンは今日も配達へ。
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