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一気飲みはいけません

 …まわりから聞こえる歓声。

 肩にはピンクの衣服をきた女の子が担がれている。

 …何故かスカートは大胆にめくりあげられ中身が丸見えだ。

 俺の近くには男が二人倒れており…さっぱり訳がわからない。

 ロンデリカさんを見てみると…なんだか胸元を押さえちょっとお冠のようだ。


 俺が担ぎあげてる女の子はなんだかぐったりしている。

 そのままではかわいそうだったのだろう、ミームが女の子のスカートを戻してくれた。

 と同時に「シジはあんなことをしたかったの?」となんだか微妙そうな顔で言われた。

 さっぱりわからないのでロンデリカの姐さんにちょっと気を失っている時のことを聞こうと思った瞬間「うっ!!」…猛烈な吐き気が襲ってきた。


 露天に用意されてあったバケツに一通り戻すと何があったのかを姐さんに聞きに行く。

 姐さんは呆れながらも教えてくれた。


 あの後姐さんを見やった俺は「胸揉んでもいいですか?」と発言。

 返事を待たずに金属製のプレートに覆われた胸に突撃した俺は「ああ、この硬さ、冷たさ、触り心地…さすが姐さんだ」なぞとのたまい姐さんにふっとばされたらしい。

 で、運の悪いことに吹っ飛んだ俺のところに倒れている男二人から逃げていた女の子が衝突。

 そのまますっ転んでスカートの中に俺の頭が入り込んでしまったとか。

 その後俺は頭をおおっていたスカートをぺろーんとめくり上げると唐突に女の子の尻を揉みしだき始めたらしい。…ちょっと俺何やってんの!!


 そこにやってきた男二人。

 「その女を渡せ。痛い目には会いたくないだろ…う?」というセリフを戸惑いながら…お尻をもみ続ける俺に向って言ったらしい。

 それに対して俺は「こんなもみ心地のいいおしり!渡せるわけがないだろう!!」と言って女の子を肩に担いで二人をボコボコにしたらしい。


 えー…うん。何を言っていいのかわからない。

 とりあえずまだ目を覚まさない女の子には心のなかでごめんと謝っておこう。

 一気飲み。ダメ!絶対!

 当然ながら姐さんには貸し1を取り消された。

 貸しが増えなかった分を喜ぶべきかからかいのネタが増えたことを悲しむべきか…


 とりあえず女の子を背中に背負い、目的のものを手に入れることのできた姐さんと俺の家に向かうことにする。

 時々背負い直すと、ちょうど手がおしりの位置にあたって…女の子のおしりを揉んだらしいということを思い出し…ちょっと顔が赤くなる。


 ミームはロンデリカさんに「どうしてシジ様はあんなことをしたのですか?」と聞いていたので「変なことは教えないでくださいね」と釘を指しておく。

 「過保護だねぇ」と苦笑いをする姐さんは「男だからしょうがない」とごまかしてくれた。

 …あれ?コレごまかされてるの?そのままの意味のような気がするよ!


 家につき女の子をベッドに寝かすとロンデリカさんに頼まれていた保存食を一般の保存食と同等の値段で譲り渡す。

 普通なら5倍ほどのお金をもらうところだが女の子のおしりを揉んだだなんてことを言いふらしてもらわないための賄賂のようなものだ。

 もっとも目撃者は結構いたので時間の問題かも知れないが。


 ロンデリカさんは用事を済ませると帰っていった。

 半ば冗談のように「同意もなしに手をだすんじゃないよ」とからかいながら。

 「ミームにそういうことをちゃんと教えるいい機会じゃないか?」とも言っていた。

 ミームにはまだ早いみたいなことを言ったら呆れられたが。


 夕食前に覗くと女の子はまだ目を覚まさない。

 ロンデリカさんによれば俺は結構大げさに動きまわってて女の子を振り回したらしいのでそのせいだろうとのことだ。

 ベッドで眠る女の子に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


 「さあ!私のおしりを存分に揉んでください!」というミームをどうにかやり過ごしながら夕食を済ませ、女の子の様子を見に部屋に入る。

 この部屋にしかベッドがないのでどこで寝るかなーと考えながら座るところがないのでとりあえずベッドに腰を掛ける。すると、女の子が「うーん」と声を上げながら目を覚ました。

 俺と目を合わすとびっくりして布団ごと跳ね起きる。


 女の子はベットの上で俺から距離を取るように後退りしながら「ここは何処?」と聞いてきた。なので「俺の家だよ」と答える。

 すると女の子はさらにビクンと震えると「わ、私に何をするつもり!」と涙目で威嚇してきた。

 「なにもしないよ」と答えてもその目から怯えの色が消えることはない。


 あっれーとよく考えてみる。


 自分の尻を揉みしだいた男に気絶させられ男の家に運び込まれベッドで向かい合ってます。

 さてこれから何をされるのでしょうか?


 やべー!言い訳できねー!!

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