表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル無しゴトーさんは最弱のはずです!~勇者召喚に巻き込まれたモブサラリーマンの異世界冒険記~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
31/48

第31話 王宮での拝謁

 王都到着から三日後。


 ランス・ファイスに姿を変えているユキタカとイリスはミスリル冒険者ダフネ・サンセッドの推薦という事で、この国の第一王子に拝謁する事になった。


 どうやら、勇者一行の世話役として、このステファン第一王子が担当しているらしい。


 ユキタカが王都にいた時は、個々に担当が付いていたはずだ。


 噂通りなら、勇者一行のわがままに対応できる者が王族しかおらず、変わったのかもしれない。


 もしくは、ステファン第一王子は確か、年齢が二十一歳で独身だから、お嫁候補として、聖女と賢者である女子高校生二人を狙っている可能性もある。


 ランス・ファイスは、そこまで予想すると、頭を下げたまま相手の出方を待った。


「面を上げよ」


 ステファン第一王子が、口を開いた。


 ダフネ・サンセッドがまず頭を上げ、あとに続いてランス・ファイスとイリスがゆっくり頭を上げる。


「ダフネ・サンセッドよ、しばらくぶりだな。僕は君が勇者一行の護衛に相応しいと思っているのだが、その二人が君の推薦していた者達か?」


「はい、王子殿下。この二人はかなりの強さを持つ者達です。とはいえ、当人達も承諾したわけではないので、お話をして頂けたら幸いです」


「なんだ、そうなのか? ──とても名誉な役職なのに、不満だと?」


 ステファン第一王子は、軽く驚いた様子で、ランス・ファイスとイリスに視線を向けた。


「恐れながら、仲間であるイリストラーナ・ファルオーネ・シュタインランサー(言えた!)は、トールデイン王国の民ですから、王家直々の王都召喚に対し、断る術がございませんでした。今日はお断りする為に訪れましたので、ご理解頂けたら幸いです」


 ランス・ファイスはイリスに代わり、はっきりと断った。


「第一王子の僕を前に、はっきり言うではないか。だが、慌てるな。こちらも、強引に選ぶつもりはない。なにしろ勇者一行の護衛は強いだけでなく、勇者殿達と気が合わないといけない。そして、教育係としての威厳もないとな。イリス何某の方は、名前からして元貴族といったところか? 見た目も美しいし、その点は合格だな」


 ステファン第一王子は、女好きという噂通り、イリスに注目した。


 ランス・ファイスは眼中にないようだ。


「王子殿下、この者達が新たな護衛役候補ですか?」


 そこに、勇者一行、高校生四人組が、室内に入ってきた。


 王子に対して挨拶も無しなのだから、以前よりも、王宮での扱いが良くなっているらしい。


「おお、来たか、シオン達。以前、君に勝ったダフネの紹介だから、強さは保証できるらしいぞ? そうであろう、ダフネ・サンセッド」


「……はい」


 ダフネ・サンセッドは、王家にもランス・ファイス達にも怒りを買わないように無駄口を叩かないようにしているようだった。


「今日はやけに大人しいな、ダフネ・サンセッド。今の僕は、あの時とは違うぞ?」


 勇者スキルの持ち主である鷹宮野たかみやのシオンは、前回ダフネに負けている事を根に持っているのか、声を落としてライバル心をむき出しにしていた。


(以前は、まだ、謙虚な姿勢を持つ若者だと思っていたが、環境と自分の成長に酔って慢心しているみたいだな)


 ランス・ファイスは、鷹宮野シオンの変化に、内心でちょっと落胆した。


「俺も今回、ダフネが戻ってくると聞いて、楽しみにしていたんだがな。──ダフネ、あとで勝負しろよ。もし、俺が勝ったら、専属護衛になってもらうぞ」


 聖騎士スキルの持ち主で体育会系の獅子堂ししどうレオも、ダフネに前回負けていたのか、勇者同様、強さに拘っている様子だった。


(こいつは元々脳筋で、強さに拘っていたからな。予想通りの反応だが、以前の爽やかさはなくなり、獣みたいな獰猛さだ)


 ランス・ファイスは、聖騎士レオの変化にも、多少落胆した。


 そして、他の二人に視線を向けると、大企業の社長令嬢で賢者スキルの持ち主、四宝寺瑠奈しほうじるなの視線とぶつかった。


 どうやらずっとこちらを凝視していたようだ。


 だが、視線が合うと、四宝寺瑠奈は目線を外した。


 そして、


「ステファン王子殿下、腕の方を試したいので、練兵所に移動しませんか? 護衛にするなら確認が必要ですからね」


 と楽しそうに言い出した。


(こちらは相変わらず、効率よく物事を考える子だな。ただ、令嬢としてあった礼儀正しさが、少し無くなっているみたいだ。こちらも環境の変化で変わったか……)


 ランス・ファイスとしては、一番頭の良さそうだった四宝寺瑠奈に、冷静で配慮のある気遣いを求めたかったのだが、こちらにも落胆した。


「そうであった。まずは推薦者ダフネ・サンセッドに恥をかかせない強さが本当にあるのか、確認する必要があったな。──よし、すぐに準備せよ!」


 ステファン王子は、我が物顔の勇者一行に慣れているのか、注意する事無く同意した。



 その間に、ランス・ファイスは、あちらの世界では現役モデルだった聖女スキルの持ち主、鬼道院聖に視線を向ける。


 こちらは終始無言で、ランス・ファイスとイリスに興味が無いのか上の空だ。


 以前も周りに対してさほど興味がない態度を取っていたので、それは変わらないようである。


(三人の変化を見る限り、この子も変わったと考える方が無難だろうな……)


 ランス・ファイスは同じ稀人として、どこか彼らに期待したい思いがあったが、この約半年の間、あまり良くない方向に変化していたようだ。


 内心、大きなため息をつくと、適当に相手して辺境に早く戻ろう、と考えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ