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転生したらRPGにすら出てこないグロ生物に生まれちゃった子のお話  作者: 倉石 雨


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87.再び東部戦線へ④

やっぱり私には戦記路線は向いてないと思うので、今回の戦争に区切りがつき次第ほのぼのした方…或いはアクション路線に切り替えようと思います。

「初陣での活躍に乾杯!」

第7師団後方予備とディルレヴァートル旅団の人員らで、ひっそりと祝杯をあげる。

なぜ後方予備のみかというと第7師団の主力は全て私たちの攪乱した敵戦線の食い破りのため突破を試みているからで、これは事前から準備があったらしい。

「本当は取り残される予定だったんじゃないかな」

ノアは楽しそうにそう言う。

「師団の進撃によって包囲下からの救出を果たすってか?」

大尉は冗談めかしたようにそう言う。

「そんなとこ」

ノアはそう返した。

そこら辺のことはよく分からないから、とりあえず祝杯を楽しむことにした。


アドゥルフを探す。

彼は新人准尉だからきっと後方予備として残されているはず。

「ねえ第7師団の少尉さん」

顔も知らない少尉に話しかける。

「はっ、なんでありましょうか中尉殿」

少し酔った様子でありつつも私の階級は見分けられるらしい。

「アドゥルフ・オーレルって分かる?」

すぐピンときたようで、

「"あの"アドゥルフ中尉でありますね?」

ん?

「そんな有名なの?」

「ええ、第7師団の英雄であります」

「詳しく教えて」

「先日第4師団所属の浸透騎兵部隊が夜間に司令部攻撃を行おうと攻撃してきましてね。唯一彼の予備小隊のみが即応でき、しかも撃退できたわけです」

「そうなの?じゃあ彼は今…」

「ええ、活躍が認められ、中隊を率いて側面防御のため遊撃を行っているわけです」

私がいない間に随分なことが起こったらしい。


深夜。徴用された宿泊施設の一室。

幾らお酒を飲んでもあまり酔えないため、早めに寝ることにした。

何故かアドゥルフとの再会に二重の期待がある。

一つ目の期待は成長したアドゥルフとの再会へのもの。

二つ目の期待は若い英雄と正当な理由で会えるかもしれないというもの。

一つ目はエヴァとしての期待、二つ目はおそらく茜としての期待。

恐ろしいことに、今の私には後者の期待が大きい。

そう考えていると扉からノックの音が聞こえた。

「起きてますか?」

ヒガミの声。彼女に相談すべきだろうか。

「起きてる。入ってきても良いよ」

扉が開き、パジャマ姿のヒガミが入ってくる。

「すみません。こんな深夜に」

「良いよ。何か言いたいことでもあるの?」

「いえ…ただ…」

何かを言い淀んでいるようだ。

「なんでも言って良いよ」

そう声をかける。

「…えっと、一緒に寝てくれませんか?」

ヒガミは細い声でそう言う。

「良いけど。どうして?」

「その…上手く寝れなくて」

まぁ、相談に乗ってくれるのならそれくらいの対価は差し出すし

「ほら、おいで」

そう言って両腕を広げる。

ヒガミがそっと抱きついてくる。

「対価に私の相談乗ってくれる?」

耳元でそう囁くと、ヒガミは頷いた。


「…で、どっちが私の感情なのか自分でも分からなくてね」

「私もなったことあります。それ。そういう時はどっちが幸福になれるかで決めてましたね」

「幸福…」

「実際、感情が2つでも感じる幸福はどちらかに従った結果得た1つのみでしょう?」

「そうだね」

「だから別に、2つあるからって必ずどっちかを全部選ばないと、なんてことはなくて、その場その場で幸福が最大化される選択を適宜取っていけば、勝手にまた感情は1つになりますよ」

「わかった。ありがとう」

そう言ってヒガミの頭を撫でる。


私の幸福が最大化される選択は…恐らく後者だろう。

ベッドの中でそう考えながら私は目を閉じた。

次回、泥沼化

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