刀の価値 天叢雲剣焔射出式 宮本武蔵という魔人
『ふごっ!そのゆうきの刀よくみせてほしふごっ』
ほいっと腰に帯刀する鞘事預けた。
中世からあるワイン蔵を改造してつくった施設は湿度が一定で冷えてえいて過ごしやすかった。
目を凝らしながらふごふごとかぎまわるのはトリュフがソムリエでありブラックスミスだからだ。
『すばらしい逸品だ。手入れも悪くない使い手がたいせつにしていることが魔力とはこぼれしていないことからつたわってくるんごっ』
『これひとつで首都にビルをたてられるんごねぇ』
『ゆうきはこれで構わないな。なにか追加しときたいものはあるか?』
『おれは取り回しのきく銃がほしいです。剣だけでは藤堂さんのようには立ち回れないので遠距離に適正のある火力がほしいです』
『アラクネの毒の牙を射出するごふっ、毒の吹矢はどうでしょうかねごふっ』
にこりとわらうと神妙に考えはじめるゆうきはあごをさすりながら、なるほど静かだしアリだなとかんがえていた。
『使用者の肺活量が低くとも魔力を込めることでブーストされるでごふっ』
そういうとプッといきをふき湧き出てきていた蜘蛛をストンとおとをほとんどたてずにしとめてみせた。
『おみごと!すばらしい技術と道具だ』
ゆうきはいやみなくそういうとそれでといった。
『はいでごぶっ。ゆうきさんとアイリさんにはよくするよういわておりますので、ごふっ』
キュルキュルというカピパラの鳴き声がきこえてくる。
『おやおや、おやつのじかんでしたでごふっ』
魔法につかうつえをくるりとまわしてまりょくをねりかきまぜるようにして呪文を空中に浮かべると火花を発したかとおもうと砕けたビスケットがくうちゅうから一個二個四個八個と倍々に発生していった。
それをおやつと理解した屋敷カピバラがズドドドドとおとをたてあらわれ食べはじめた。
『かわいぃーわたしげっ歯類好きなのよ!たまらないわー』
『さわるな人間!さわるな人間!』
カピバラはもともと5歳程度の知能があるといわれているが魔物化して知能が高まっている個体が複数いるのだろう。
『きゃーしゃべってるわーかわいーー!!』
『ぞわっさわるな人間ぞわっさわるな人間!』
おしりをさわさわしているとカピバラ特有のごまんえつのときになるゾワーとした毛をさかだて寝転がる所作をしてみせた。
『あーっわたしいま天国にいってたわ』
『おーいかえってこーい』
ゆうきはあきれ顔でアイリに声が届くようてでメガホンをつくってさけんだ。
部屋に普段とは違う冷気のようなものがながれこんできていた。
部屋にあるとびらからながれこんでいるのはゴリラの魔人である宮本武蔵と名乗る人のような体格にゴリラの体を持ち人の頭をもつ物の体からながれでる魔力が発露してひえた空気であった。
岩戸・霊巌洞に籠もって執筆した五輪書という剣術の指南書をかいており、ゆうきがまなぶのに持って来いの人物と書物があった。
『小僧、剣をたしなんでおるな。みゆるぞ、業の深い魔力ににたオーラのようなものを』
『だれですか?』
ゆうきはぱちくりと目をとじてあけるとはなくそをほじりながらいってみせた。
『バカっ偉い人でしょどうみても!』
ぱしりと頭を叩くと、がらんどうの頭でも考える能力くらいあるでしょといいはらった。
『しかしですな、ごふっあのおかたはとう屋敷の主人様でありまごふっ』
『よいぞ。わしは豪気じゃからのぅ!すきにしてもうてかまわん!わしの名は宮本武蔵となのっておる。本命を新免ともうす!』
『はぇーっきいたことある!あるってあのひとじゃん!てか毛ぶかっ!!』
ウホッといいそうな宮本武蔵はするどい双眸の傍らで野太い靭帯のとおった大容量の酒瓶をほうふつとさせるうでに、丸太のような足が彼の屈強さをものがたっていた。
『だれがゴリラだ。今ゴリラつったな。ゴリラつったよな!!なぁ!!』
『ごふっいうておりませぬごふぅっ』
宮本を押さえながらあわてふためくトリュフ。
『あんたねぇほんと、デリカシーないわ』
『むほっ美しい御仁。すらっとしたしなやかな体にも一本の筋がとおっておられる』
『ぞぞぞっとしたけど悪い人じゃなさそう。
剣術の心得もありそうだしこのひとかしら?』
人指しゆびをたてて、おもいついたかのようにそういうとアイリはしなをつくってみせた。
『いかんいかんいかん。わしとしたことが篭絡されるところじゃった。まずは指南書に目を通してくれたまえ。それから話しはする。きいとるもんは二人をつかえるものにしてほしいということだけじゃ』
『いーじゃん!よろしくお願いします!』
『こちらが五輪書となりますごふっ』
『どんなものかしら』
『やべぇおれ古文できねぇんだった』
『みせてみー』
アイリがそういういと文系の先輩である部分をみせつけてきた。
それから数時間後。
『はぇーなんとなくわかったけどここに宮本さんの解説が入るとなおわかりやすいんだろーなー』
『ソーネーわかりやすいんでショーね~』
ちょっとぼうよみでそういうと、ものかげからムホホと自分の後進をいく二人の姿をみて満足げにしている侍の魔人がいた。
しかたあるまいなとウホウホしてきたのは宮本武蔵であった。
『ここからがええところなんじゃがよんだか?よんだ?よんだよね?』
『圧力がすごいっ!』
『ばかっ』
ゆうきがおもったことを口にするのでアイリはひやひやしながら様子をうかがってはいたが下心がみえみえなので利用させてもらうことにした。
『あっいったーい。コンタクトがずれちゃったみたーい』
『それはいかん、ムホーかわよいしぐさよのぅ!』
宮本武蔵は裏の世界にはいってから女っけがなくてむらむらしていたのである。




