二度めの弟子入り 豚の魔人ド・トリュフ 銃と鞭のとりかえ
ゆうきは最近まけたときの記憶がすごくトラウマできたえなければと奮闘していた。
そのおりコンサルタントの深井がおしえてくれたのがソムリエの豚魔人のところで剣術を磨けばどうだろうかというはなしであった。
ゆうきはすぐに話を聞いて飛び付いた。
アイリもさそったらふたつへんじだった。
よかったこころぼそかったのだ。
ゆうきは剣道と魔力のつかいかた、アイリは銃と鞭のつかいかたのレッスンだ。
ぜんはいそげと準備していると、藤堂さんからこえがかかった。
『おまえらなぁ、いちおう声かけてからいけよな、いまはフリーの期間とはいえな、仲間なんだからな』
と照れ臭そうにいう藤堂さんは鼻をさすっていた。
『ご、ごめん!いくまえにいうつもりだったんだ!すぐにでも藤堂さんに追い付きたくて!おれ!もうなにも失いたくないし!それで!つよく……』
みなまでいうなと藤堂はゆうきのくちをふさぐと肩叩きアイリをまかせるぞといった。
ちいさなこえで押忍とだけかえしたのはアイリにきこえぬようにするためだ。ゆうきはすこしうれしかったのだ、なんか父さんが入れはちちおやってこんなかんじだったのだろうかと家族みたいでさと泣きそうになりながら思っていた。
『ゆうき準備はいいか?』
通信が入る。
深井からのメッセージだ。
『あぁもちろんいいよ』
数日後……。
ここがあのワイン倉庫をかくれみのにした魔人たちの地下施設かぁとおどろいていたのはアイリとゆうきのふたりだった。
深井も同行しており豚の魔人とであうことになる。
『わ、わたくしめは当館を担当しておりますド・トリュフともうしまぶひっ』
黒いけなみの豚の頭をした口から牙がにほんはえている男はそうなのった。
『ゆうきです!よろしくおねがいします!』
『アイリよ、よろしく』
『フゴッ丁寧なおかただ、ふごっ』
さぁさぁこちらへと手招きされて入ると洋館じたてのワインセラーにワインがならんでおり、きいたことのない銘柄のワインがうすざむい蔵のなかにしまってあり、からっとしており湿度がひくくひえていた。
『さぁさぁふごっ。こちはへ!』
手をだして案内されたのは地下室への入り口で扉がスライドしてひらくと階段がしたへとさきがみえないくらいつづいていた。
おりていくと壁にはほこりのいっさいがなく丁寧に管理されているのがわかった。
『こっこちらは館僕の精霊がハウスクリーンしておりますのでぶひっ、いづでも、せいげつでぶびっ』
『あ、はい!ところでここの管理人はあなたいがいにはいないのですか?』
『ふごっ!いるます。はい、その、おかたがおいでなさって、きますので。はい。少々お待ちを』
つたない日本語でトリュフがそういうと上着を預かりますといってゆうきとアイリから牛皮のファーのついたダウンジャケットをうけとった。
『ごふっごふっ、いいなめしかたの牛皮でありまぬぁ、ごふっ』
『えぇ、国から支給されているので耐寒、耐火、魔法防御の性能もあるみたいですね』
『ごふっごふっ』
くんくんとひとしぎりかぐと、匂いを覚えましたようこそ我が芸術の園へ、といった。
アイリは無言でトリュフの観察をしていた。
手に分厚いタコがあることから相当剣術を極めていると推察したが、そのとおりで、ここには剣道の師範代クラスの人々が訪れる登竜門といったところだ。
『相当できるわよっ』
みみうちでゆうきにこごえでいうと、みみがそわそわしてぞくぞくすると言う、ゆうきに強めのチョップをくわえた。
試練の始まりともしらずに二人はなごやかにすごしていた。
『ごふっごふっそれでは早速ですがアイリさんでしたか?得物をみせてもらえますか?』
『いいわっ!どうぞ』
腰から銃と鞭を両サイドからひきぬき、素朴なつくえにおく。
『ほうほう、これはまた珍妙な武器でございますな。つかいてに人工力学をもとにつくっているのがうかがえる。いにしえの品というより近代的な技術の産物ですな』
ごふごふとたるんだ顎をしゃくりながら検品するトリュフ。
『みたところあなたは半覚醒のつのばやしとおみうけしますので、魔力の増幅にみあった銃と鞭がよろしいかとおもいます。そういったてのものは古の品か魔道具がよいのですがなにぶん、もちてにあうサイズに特注できませんのでうちのしなじなをみていたたければとおもいます』
暗い奥行きのあるへやが突然なにかに照らされるとおくから大量の棚が流れてきた。
『ごふ、こちらなどは鞭の持ち手があえば、かなりの凶器になるかと。サラマンダーの尾を繊維レベルまで分解し編み込むことで強度を増しており焔の息吹と言うエンチャントが付与されているのでマッハを越えると空気とサラマンダーの遺伝子が反応し発火する仕組みになっております』
目を輝かせていたのはアイリとゆうきだった。
戸棚がわいてくるのも、映画ぽかったからだが浮遊感ににたなにか、過剰な魔力がただようことで飽和状態となり反転しアンチニュートン無重力にちかくなっているからだ。
『あとはこちらヒッポクリフの魔銃9mmの汎用性ハンドガンを魔銃の体内から産出されたものです』
『そっそっそれはいったいどういう能力があるのかしら?』
興奮していたがアイリは必死にかくそうとしていた。
紅潮するほど興奮する頬をたぎらせながら必死に隠して聞いた。
恥ずかしいからだ。
そんなことはつゆしらずゆうきはすんげぇー!ーすんげぇー!!とはしゃぎまわっていた。
お上りさんの弟をひきつれる姉の気分だ。
『9mmパラペラムに魔力を注いでうちます。特殊小銃弾の一種。命中すると破裂し、人体内に破片が不規則に刺さり傷を拡大するように作られた銃弾。非人道的であるとして一九〇七年ハーグ平和会議で使用禁止とされました。またイギリスがインドにおける反植民地運動弾圧のためカルカッタ(コルカタ)近郊のダムダム造兵廠で最初に作ったところからのなまえににてダムダム弾のような効果を発揮します。魔力の込め具合で威力の調整が可能で殺傷能力は極めて高いです』
『なるほどえぐいわね。それはパス。できれば捕獲に向いたやつがいいんだけど麻痺とか』
ごふっと相づちを打つと天井から魔法のクローゼットをごった返しなが引きずり出す。
『ちとつかいづらいですが、サラマンダーの発火で着火するメガフロッグというかえるのいぶくろからとれたラッパ銃はいかがごふ?』
『メガフロッグの執念かその魔力には筋弛緩剤のようなこうかがありましごふ』
『で?』
『ラッパの先につめたものを発射する火縄銃ですが掠りでもすると強制的に一時間みうごきがとれなくなります』
そのための予備動作が多いので効果は抜群だ。
『それにしよう!サラマンダーの鞭とメガフロッグのラッパ銃!かねはくにからでるかへーきへーき』
ちなみにとがくをきいてひざをついていたのはあとの話だ。
国の一年の国家予算レベルだとだけいっておこう。




