憎悪の貯蓄
マコトははきだす。
憎い。
勇気が憎い。ゆうきがにくい。
『あぁ、うつろがくれたんだ荒武者たちから豊臣秀吉が取り上げた刀狩りの名刀』
秀吉が廃刀令で刀狩りをした歴史が残っておりウツロは信長の死去後、ひでよしの懐刀として暗躍していた。その時に手に入れたさまざまな名刀を収納BOXにおさめていたのだ。
『やつざきにしてや"る"ぅ"!!!』
『いてぇよぉーな、ないはずの傷がうずく』
ファントムペインにもにた痛みを感じていたのはマコトがゆうきにとどめをさされた時のものである。
幻肢痛……なくなった手足があるかのようにかんじ痛みなどの感覚が再現される現象だ。
『ぐぞぉ!!ゆるぜん!!』
のたうちまわり、体に傷ができるがツノバヤシの自己治癒力のたかさによって修復されていく。
『なんだぁ??傷の治りが早いぞ?なぜだ?』
ポケットにいれていた神からもらった破邪の玉が光っていた。
つのばやしとしての能力が強化されているのだ。
プリンツが同室で心配そうにマコトをみやる。
『ぁぁおもいだす、にくいにくい』
『飲まないと……』
マコトがのんでいるのは海外で軍人などに処方されるptsdの治療薬でトラウマなどの心的障害にきくデキストロメトルファンという薬で適用すると心が平穏になるというか、むだにかんがえずにすむといった効果があり、マコトの精神状態は重度のptsdと診断されて闇医者からだされたものを服用しているのだ。
1時間ほどすると落ち着いてきたのか、身体中にめぐった薬効のおかげで平常心でいられた。
『医者がいってたな、のみすぎると幻覚作用があると、き、きをつけねえと……』
あたまをくるくるとふって正気を取り戻した風にするマコトをみて、仮眠していたプリンツは話しかけた。
『大丈夫ですか?』
『あ、あぁへ、へいきだよ』
平気でないのは滴るあせからもみてとれた。
『わたし、おかゆをつくってきます。あなたには栄養が必要だ』
『す、すまない。恩に着る……』
『構いません。クライアントとは言えしんぱいですからね?あれですよ?成功報酬でまえきんもらってるぶんもあるのであなたにしなれてはこまるのでめんどうみてるだけですからね!』
『わかづてるよ』
たどたどしくいったのは薬効によるもので先天的なものではない。
『呂律が回ってませんね!水分と栄養を取って養生してください』
『ほんどぉ、みにしみりゅよ』
『もう横なっていてください!』
退室するプリンツをみてから、刀を10本召喚して空中に浮かせる。
ずずずと次元が歪んだかのようになってでてきた刀はどれをとっても名刀とよべるしろものだった。
並べてみていると心が安らぐのだ。不思議と感じているこのきもちはなんだろうかと反復して考えているとマコトは眠気におそわれて寝てしまった。
おきたのは6時間後だった。
『く、くらくらするな』
『おはようございます』
『へ?』
すっとんきょうな声をだしたマコトをみて微笑むプリンツ。
『あたためてきますよ。おかゆ』
『あ、ありがとう』
ずっと座って待ってたのかと思うと申し訳なくなったが読書をしていたらしくコーヒーののみ残しがカップにあった。
『かまいませんよ。わたしは日本人が好きですから』
『礼節がすばらしい!』
『そ、そうかな?』
『あなたも礼儀正しいじゃないですか。わたしに気遣いして飲み物よういしてまっててくれて、時間通りにきて挨拶してえがおでいてくれるんですから!』
ほがらかにいうプリンツは眩しかった。
『あ、あぁ』
そういうとマコトはこんなこに仕事を任せてるなんて気がひけるなと考えながらも深く考えるのをやめた。深い闇の沼にはまりそうな気がしたからだ。




