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原始人女子の巣立ち―魔境育ちの原始人女子は、お伴の獣人たちと都会を目指す―  作者: 裏律
一章 世界的危険地帯たる、魔境を旅立ち、原始人女子が成すこととは
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8.ミミズの尻尾の能力(下ネタあり)

「あー、なんだ? あれが、ケツってか?」

 マルマの言葉に、ジルダンは、グローブをはめた手で、頬をかきながら、微妙な表情で聞き返す。

 マルマは「ん、ミミズの、ケツ」と、ムッツリ感の強い、自慢げな表情で言いながら、腰に巻いた毛皮を、引き上げる。

 その仕草に、四人の男は、気まずそうにし、リサは、一瞬、ジェイルに視線を向けると、すぐ困ったような表情をマルマに向ける。

 そんなリサと、マルマは小首を傾げ、見つめ合う。

 少しして、ジェイルが「あの」と声を上げる。

 そんなジェイルに、マルマは、光の反射が少ない、純度の高い黒色をした瞳を向ける。

「えっと、ですが、アレは頭じゃないんですか? 口とか、口内だって見えましたよ?」

 ジェイルは、真剣な表情で、マルマに聞く。

 マルマは、地面に立てた棒に、腕を乗せるように支える。そして棒を支えている腕にある、大きめな古傷の盛り上がりに、目を落とすと、もう片方の手で、イジるように撫でる。

「それは、ケツの穴を、口に、見えるように、してる」

 そこまで言うと、マルマは今度は、棒に、両腕を重ねるように乗せ、その両腕をクッションにするように顎を乗せ、上目遣い気味の視線を、ジェイルに向け直す。

「だって、舌も、ノドチンコも、なかった、でしょ?」

 そして、そのまま顔を倒し、クッションにした両腕に、頬を押し付けるようにして、棒にもたれかかる。

 そんなマルマから、ジェイルは視線を逸らし「な、なるほど?」と呟くと、指で、ズレていない眼鏡の位置を直す。

「つまり、肛門が、口内に見えるように擬態している、と?」

 その言葉に、マルマは棒に預けていた身を起こすと、ジェイルを見て、小首を傾げながら「こ、う?」と呟くと、すぐ傾げた首を戻し、そして一つ頷き、「そう、ケツの穴」と返す。

「あのデカい、ケツを、ぶつけるだけ、ぶつけて、勝てない、ってなったら、すぐ切って、逃げる。ホント、メンドウな、ミミズ」

 マルマは口の端を、嫌そうに歪め、そう言う。口の端の歪みに、押され、柔和な厚みが、独特な色気を放つ頬肉が、盛り上がる。

 そんなマルマの言葉に、ジェイルは、考え込むような動きで、眼鏡を抑え、下を向きながら、口を開く。

「なるほど、つまりトカゲの尻尾切りみたいに、自切する、ということですね」

 ジェイルは、マルマに向き直り、言う。

 そんなジェイルに、マルマは「そう、シッポ切り」と頷くと、体重をかけている棒を、軸に、滑るような動きで、六人へ、背を向ける。そして身を傾ける程度に、屈むことで、六人から見て、少しだけ、臀部が、際立つ姿勢を取る。腰に巻いた毛皮が、臀部を押し出すことで、張り付き、その下の筋肉の、硬い色気のあるウネリを、強調する。

 その際どい恰好に、ジェイルは硬直し、他の五人も、マルマを注視する。

 そんな六人をよそに、マルマは切り払うような軽い動きで、二回ほど、臀部を叩く。その場に、ペチンッ、ペチンッ、と肉のハリの強さが、よく分かる、湿りのある高い音が響く。

 するとリサは、とっさに「ちょっ!」と声を上げながら、他の五人前に、マルマの姿を隠すように、立ちふさがり、すぐさまジェイルに視線を向ける。

 ジェイルは引き攣った表情で「あー」と呟きながら、頭をかく。

 その隙に、ジルダンとディンは、不自然にならない程度の動きで、しかし素早く顔を逸らす。

 次にリサは、そんな男たちを素早く見回し、やがて一人の男、カイルに、鋭くした視線をとどめる。

 カイルは、しどろもどろに「い、いや、えっと」と呟くと、気まずそうに顔を逸らす。

 それから少しの間、男性陣を、鋭い視線で見回すと、リサは、背後を振り返る。そして背を向けたまま、肩越しに、リサに、無邪気な視線を送る、マルマに向き合う。

「もうっ、ダメでしょ、そんな恰好したら。女の子なんだから」

 そう言うと、リサは、バックラーを納刀した剣の柄にかけると、軽鎧の上に羽織っていた外套を脱ぎ、マルマの肩にかけるようにして、羽織らせる。外套は軽鎧の上から羽織るのを想定してか、リサが着るには、かなりブカブカだが、動きを邪魔しないように、袖や裾が短く調整されていた。

 マルマは、外套を羽織ったまま、リサに向き直る。

 リサは、マルマが羽織った外套の、襟らへんの留め金だけを、留め、マントのようにしてやる。

 マルマは、リサの外套を見下ろしながら、曖昧に「んー? うん」と頷く。

 リサは、そんなマルマの顔を、困った表情を浮かべながら、見上げる。

 するとリサの後ろから、パンッ、と分厚いグローブを叩きつける音が響き、ジルダンの「まぁまぁ」と声が上がる。

 マルマとリサが、ジルダンに注目する。ジルダンは二人に近づくと、リサの肩を軽く叩く。

「俺たちが知りてぇことも、分かったことだし、小難しい話しとかも、ここら辺にしとこうぜ」

 そう言うと、ジルダンは、イタズラっぽい笑みを浮かべ、マルマを見る。

 そんなジルダンの様子を、リサは、いぶかし気に見る。

「知ってっか? 嬢ちゃん。ケツの穴ってな、アナルとも言うんだぜ」

 そんなことを言うジルダンに、マルマは、不思議そうに「あなる?」と呟き返す。

 教えられた言葉をオウム返しにするマルマに、ジルダンは楽しそうにクツクツと笑う。

 リサは、そんなマルマに複雑そうな表情を向け、次にジルダンには嫌そうな表情を向け「ねぇ、ちょっと、ジルダンさん」と非難の声を上げる。

 そんなリサに、軽い仕草で、ジルダンは肩をすくめる。

「まぁまぁ、リサちゃん。嬢ちゃんも、こんだけタッパがあんだ。子ども、ってわけじゃねぇだろ? な?」

「そうかも、ですが」

 ジルダンは、難色を示すリサに、調子の良くウィンクしながら言い訳し、リサは苦い表情のまま返し、次にマルマを見る。

 マルマは「うん」と一つ頷くと、露骨過ぎて、むしろ滑稽なくらいの、妖艶さを強調した姿勢を取ると、その黒い前髪に、手を当てる。

「私、マルマ。17さいの、立派な、れでぃ」

 そう言いながら、マルマは、滑稽なくらいに妖艶さを強調した動きで、髪をかき上げる。

 その瞬間、マルマとリン以外の、その場の全員が、凍り付く。

 少しして、ジルダンが「え? いや、そ、そのなりで、未成年、って」と呆然と呟く。ジルダンが呟いた瞬間、リサが、キッ、と音がなりそうなほど、鋭くした目つきで、ジルダンを睨みつける。

 そんな三人の様子に、ディンが、ジルダンを見ながら、「はぁ」とため息をつく。

「まったく、お前ときたら。いつも最後の最後で、余計なことを」

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